キミをたべたい
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この世に生まれた事を半分後悔している。
勿論産んでくれた両親には感謝している。学園に通わせて貰えていることもこの道を選んだことも悔いた事など一度もない。しかし、時代が悪かったのだ。忍者として死と隣り合わせ。覚悟をするのに幾分か時間がかかったのを覚えている。長次が人を殺めるように、いずれ何らかの形で逆の立場になりうるのだ。
やはり、先程の言葉は訂正する。
学園に入って後悔したことが一度だけある。それは小平太と恋仲になり一番最初に言われた言葉が原因だ。
「卒業するまで一緒だな」
そう、同性であることが壁となり、更に目指す世界は深い谷となり立ちはだかる。学園内でいくら一緒にいようと、卒業してしまえば所詮は過去の話。敵になり殺し合うことも免れないのだ。小平太は手を抜かないだろうし長次も手を抜くつもりは毛頭ない。忍者にとって上司の命令は絶対。同情など許されない事を長次はこの六年間で学んでしまった。
学園内で長次や小平太と同じような境遇の者は沢山いた。女子のいない、狭い学園故にそうなるのは必然であった。最後のその時まで一緒にいられないと分かっているからこそ、改めて言われると刺さるのだ。
「…泣いたのはあの日が最後だ」
ポロポロと涙を零す長次を小平太は意味も分からずに慰めてくれた。なんでもない、大丈夫だと答える他なかった。あの日以来、一度も泣いていない。
小平太は長次の隣で眠っている。駄々を捏ねて疲れたようだ。目尻に溜まる涙の粒をすくうと長次はそれを口に含んだ。
「…しょっぱい」
あの日の小平太に悪気は無かった。当然のことを改めて言われたに過ぎない。言われずとも分かっているハズの事実だ。
「小平太…愛している…これからも…ずっと」
眠る小平太にこの言葉は届かない。届かないはずなのに…
「私もだ、長次ぃ」
小平太は寝言で返事をしてきた。長次の見開かれた目からは流さないと決めた涙が溢れて小平太の頭巾に染みを作り消えていく。
「小平太…」
願わくば、愛しい彼の隣にいる事が許されるのが自分ならば。長次は小さな幸せを噛み締めて小平太が起きるまで泣き続けた。
勿論産んでくれた両親には感謝している。学園に通わせて貰えていることもこの道を選んだことも悔いた事など一度もない。しかし、時代が悪かったのだ。忍者として死と隣り合わせ。覚悟をするのに幾分か時間がかかったのを覚えている。長次が人を殺めるように、いずれ何らかの形で逆の立場になりうるのだ。
やはり、先程の言葉は訂正する。
学園に入って後悔したことが一度だけある。それは小平太と恋仲になり一番最初に言われた言葉が原因だ。
「卒業するまで一緒だな」
そう、同性であることが壁となり、更に目指す世界は深い谷となり立ちはだかる。学園内でいくら一緒にいようと、卒業してしまえば所詮は過去の話。敵になり殺し合うことも免れないのだ。小平太は手を抜かないだろうし長次も手を抜くつもりは毛頭ない。忍者にとって上司の命令は絶対。同情など許されない事を長次はこの六年間で学んでしまった。
学園内で長次や小平太と同じような境遇の者は沢山いた。女子のいない、狭い学園故にそうなるのは必然であった。最後のその時まで一緒にいられないと分かっているからこそ、改めて言われると刺さるのだ。
「…泣いたのはあの日が最後だ」
ポロポロと涙を零す長次を小平太は意味も分からずに慰めてくれた。なんでもない、大丈夫だと答える他なかった。あの日以来、一度も泣いていない。
小平太は長次の隣で眠っている。駄々を捏ねて疲れたようだ。目尻に溜まる涙の粒をすくうと長次はそれを口に含んだ。
「…しょっぱい」
あの日の小平太に悪気は無かった。当然のことを改めて言われたに過ぎない。言われずとも分かっているハズの事実だ。
「小平太…愛している…これからも…ずっと」
眠る小平太にこの言葉は届かない。届かないはずなのに…
「私もだ、長次ぃ」
小平太は寝言で返事をしてきた。長次の見開かれた目からは流さないと決めた涙が溢れて小平太の頭巾に染みを作り消えていく。
「小平太…」
願わくば、愛しい彼の隣にいる事が許されるのが自分ならば。長次は小さな幸せを噛み締めて小平太が起きるまで泣き続けた。