キミをたべたい
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「お腹がすいたから長次を食べようかな」
寄り添い座る縁側で小平太がそんな事を言うから長次は身を固くしてそろりと尻を横にずらした。すると小平太は白い歯を見せて「冗談だ!」と笑った。
「小平太ならやりかねない」
「人の肉を食べる趣味はないぞ」
「でも…小平太の場合やりかねない」
「私はそんなに野蛮な人間では無いぞ!」
少し声が大きくなった小平太を見て、長次はニヤリと口角を上げた。
「…私、限定でだ」
長次は六年間で随分成長した自分の手の平を見つめた。金属で出来た武器を握り幾度となく任務で命を奪ってきた手だ。豆だらけで消して綺麗だとは言えない。
「あぁ、なるほど」
隣で小平太が小さく呟いたかと思うと長次の視界が反転した。小平太が長次の腕を引き、押し倒したのだ。小平太の瞳が長次を見つめる。
「…今少し、食べたいと思っただろう」
「うん!」
バカ正直に頷く小平太が面白くて、長次は無表情に笑った。
「食べたかったら、食べてもいい」
普段は小さい長次の声がイヤに大きく聞こえた。
「ほんとか!?」
「その代わり、私はいなくなる」
「えー、それは嫌だ」
「…もそ」
長次は言葉を飲み込んだ。小平太に抱きしめられたからだ。
「勿体ないから私は食べないぞ!」
「勿体ない…褒めているのか?」
「わかんない、どうなんだろう…」
「なんだ、それ」
長次が顔を横に向けると小平太の顔がすぐ側にあった。目が合って、刹那すぐに唇が重なる。
「長次が笑うところ、久々に見たな!」
まぁ私にしか分からないだろうがな!と小平太が続けた言葉にいつの間にか笑っていたんだなと自覚する。再び唇が重なった。このまま舌を入れてみれば、小平太は誘いに応じてくれるだろうか。長次が思案したその時、あっ!っと小平太がなにかに気付いて大声を上げた。
「昼飯食べ損ねた」
時刻は14時頃だろうか。おばちゃんが料理を振る舞う食堂は既に閉まっている。夕飯は各自作る事になっているが、今食べると中途半端な腹具合になってしまうだろう。
「今日のB定食ハンバーグだったのに」
残念だ、と眉を下げ項垂れる小平太はまるで小さな子どものようだ。
「ハンバーグ…ハンバーグ…」
リスのように頬を膨らませる小平太は可愛いが、二人きりでいてハンバーグにばかり気を取られているのは頂けない。上級生にもなると休みが減り、請け負う任務もバラバラで時間が合うことなど滅多に無いのだ。その為今のこの時間は恋仲にある2人にとっては特別な時間だった。
早い話が長次はハンバーグに嫉妬していた。
(私がハンバーグなら小平太は食べてくれるだろうか)
言葉にせずそう思うと、長次は未だに駄々をこねる小平太の頭を愛おしそうに撫でた。
寄り添い座る縁側で小平太がそんな事を言うから長次は身を固くしてそろりと尻を横にずらした。すると小平太は白い歯を見せて「冗談だ!」と笑った。
「小平太ならやりかねない」
「人の肉を食べる趣味はないぞ」
「でも…小平太の場合やりかねない」
「私はそんなに野蛮な人間では無いぞ!」
少し声が大きくなった小平太を見て、長次はニヤリと口角を上げた。
「…私、限定でだ」
長次は六年間で随分成長した自分の手の平を見つめた。金属で出来た武器を握り幾度となく任務で命を奪ってきた手だ。豆だらけで消して綺麗だとは言えない。
「あぁ、なるほど」
隣で小平太が小さく呟いたかと思うと長次の視界が反転した。小平太が長次の腕を引き、押し倒したのだ。小平太の瞳が長次を見つめる。
「…今少し、食べたいと思っただろう」
「うん!」
バカ正直に頷く小平太が面白くて、長次は無表情に笑った。
「食べたかったら、食べてもいい」
普段は小さい長次の声がイヤに大きく聞こえた。
「ほんとか!?」
「その代わり、私はいなくなる」
「えー、それは嫌だ」
「…もそ」
長次は言葉を飲み込んだ。小平太に抱きしめられたからだ。
「勿体ないから私は食べないぞ!」
「勿体ない…褒めているのか?」
「わかんない、どうなんだろう…」
「なんだ、それ」
長次が顔を横に向けると小平太の顔がすぐ側にあった。目が合って、刹那すぐに唇が重なる。
「長次が笑うところ、久々に見たな!」
まぁ私にしか分からないだろうがな!と小平太が続けた言葉にいつの間にか笑っていたんだなと自覚する。再び唇が重なった。このまま舌を入れてみれば、小平太は誘いに応じてくれるだろうか。長次が思案したその時、あっ!っと小平太がなにかに気付いて大声を上げた。
「昼飯食べ損ねた」
時刻は14時頃だろうか。おばちゃんが料理を振る舞う食堂は既に閉まっている。夕飯は各自作る事になっているが、今食べると中途半端な腹具合になってしまうだろう。
「今日のB定食ハンバーグだったのに」
残念だ、と眉を下げ項垂れる小平太はまるで小さな子どものようだ。
「ハンバーグ…ハンバーグ…」
リスのように頬を膨らませる小平太は可愛いが、二人きりでいてハンバーグにばかり気を取られているのは頂けない。上級生にもなると休みが減り、請け負う任務もバラバラで時間が合うことなど滅多に無いのだ。その為今のこの時間は恋仲にある2人にとっては特別な時間だった。
早い話が長次はハンバーグに嫉妬していた。
(私がハンバーグなら小平太は食べてくれるだろうか)
言葉にせずそう思うと、長次は未だに駄々をこねる小平太の頭を愛おしそうに撫でた。
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