2.良かれと思って
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5月に入って最初の練習試合の日。土日を使って隣の県まで、部員と顧問と一緒に移動する。本日土曜日は団体戦のみ行われて、私のお披露目?となった。緊張でどうにかなりそうだったが、無事勝利、次の先輩に引き継ぐことができた。今回の練習相手は例年うちの学校の選手を研究しているらしく、全勝はできずに大将まで試合が残った。
「両者、礼!」
「「ありがとうございました!」」
団体戦は我が高校が勝利を収めた。挨拶も程々にして、私達は帰路に着く。ちなみに往復の交通費は学校持ちだ。ありがたや。
「お疲れ様でした」
「お疲れさま!救急箱の補充お願いね〜!」
「はーい、任されましたー」
先輩たちより早くバスを降りる。外は少し雨が降りそうな空気。ドラッグストアで必要な湿布やテーピングを買い足し、急いで家へ向かった。
いつもの通学路とは違う道を足早に進んでいると、ふと、物騒な匂いが風で運ばれてきた。一般人なら気づかないほどの、極々微量だが。
血、だよな。風の方向からして、目の前の、明らかに使われてない工場…えー?めっちゃ怪しいんですけど?
うんうん思案してると、目の前を黒猫が横切った。
そのまま猫は工場の敷地内を進んでいく。…どうするよ私。
「気にしてる時点で負けだよね」
脳内会議をさくっと終わらせて、私は猫の後をついていった。右行って、左行って、階段登って。猫はどんどん進んでいく。そしてたどり着いた先は、ちょうど屋根の、穴が空いた真下だった。
木製の巨大な箱の山に背中を預けて力なく座り込む、ミルクティー色の髪をしたお兄さんがいた。お腹からは血が流れているという、犯罪臭ばりばりのおまけ付きで。
「お兄さん、お兄さん」
声をかけながら肩を揺すってみても、唸るだけで、目を覚まさない。首に触れる…うん、そんなに強くないし、頻脈か。一時的な出血性ショックって感じかな?とりあえず血を止めないと。
「ただいま帰りましたー」
「あら、お帰りなさ…どうしたのさくらちゃん」
「私が怪我をした訳ではなくてですね、えっと、猫が!猫が怪我をしていたので手当てして!…千影さんごめんなさい、制服が汚れました」
「その猫は?置いてきたの?」
「ハイ、ソウデス」
「…いいわ、さくらちゃんに怪我がなければそれで。さ、お風呂入ってらっしゃい」
「はーい。…あ、今夜買い物に出て良いですか?救急箱の補充をしたくて」
「オーケー、車を出すわね」
「お願いします」
「ぼくもいくー!」
「あらあら」
「両者、礼!」
「「ありがとうございました!」」
団体戦は我が高校が勝利を収めた。挨拶も程々にして、私達は帰路に着く。ちなみに往復の交通費は学校持ちだ。ありがたや。
「お疲れ様でした」
「お疲れさま!救急箱の補充お願いね〜!」
「はーい、任されましたー」
先輩たちより早くバスを降りる。外は少し雨が降りそうな空気。ドラッグストアで必要な湿布やテーピングを買い足し、急いで家へ向かった。
いつもの通学路とは違う道を足早に進んでいると、ふと、物騒な匂いが風で運ばれてきた。一般人なら気づかないほどの、極々微量だが。
血、だよな。風の方向からして、目の前の、明らかに使われてない工場…えー?めっちゃ怪しいんですけど?
うんうん思案してると、目の前を黒猫が横切った。
そのまま猫は工場の敷地内を進んでいく。…どうするよ私。
「気にしてる時点で負けだよね」
脳内会議をさくっと終わらせて、私は猫の後をついていった。右行って、左行って、階段登って。猫はどんどん進んでいく。そしてたどり着いた先は、ちょうど屋根の、穴が空いた真下だった。
木製の巨大な箱の山に背中を預けて力なく座り込む、ミルクティー色の髪をしたお兄さんがいた。お腹からは血が流れているという、犯罪臭ばりばりのおまけ付きで。
「お兄さん、お兄さん」
声をかけながら肩を揺すってみても、唸るだけで、目を覚まさない。首に触れる…うん、そんなに強くないし、頻脈か。一時的な出血性ショックって感じかな?とりあえず血を止めないと。
「ただいま帰りましたー」
「あら、お帰りなさ…どうしたのさくらちゃん」
「私が怪我をした訳ではなくてですね、えっと、猫が!猫が怪我をしていたので手当てして!…千影さんごめんなさい、制服が汚れました」
「その猫は?置いてきたの?」
「ハイ、ソウデス」
「…いいわ、さくらちゃんに怪我がなければそれで。さ、お風呂入ってらっしゃい」
「はーい。…あ、今夜買い物に出て良いですか?救急箱の補充をしたくて」
「オーケー、車を出すわね」
「お願いします」
「ぼくもいくー!」
「あらあら」