3.また会いましたね
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四葉家に仕えていた頃、恋愛なんてものは眼中になかった。一定レベルの魔法師になるべく訓練する日々を送り。なったらなったで四葉家当主である叔母様からのお仕事で時間が過ぎていって。生前最後の仕事は司波兄妹の姉として側にいることだった。こんな不出来な私を使ってくれた叔母様に今は感謝してる。今となってはこの魔法が、「司波さくら」である唯一の証拠だ。
部屋の窓に雨が打ちつける。ベッドの縁に腰掛けてぼーっと外を眺めている間、また思考に耽る。
魔法が証明されてないこの世界に生まれ落ちて、同族が居ないからか、少し寂しい気もする。でも同時に実は安心もしている。そうさせている要素は何なのか?
私がこの身体で生活するようになってから、時々世界の情勢を調べてはいるが、いまだ魔法関係の大きな動きは見受けられない。
第三次世界大戦も開戦していないこの世界。核兵器の脅威はまだあるみたいだけど、それに対抗できる手段として魔法が使われた、なんて過去はなさそうだ。
魔法が軍事用として開発されていく以前の世界は、平和そのもの。
勿論世界のどこかで争いはあるが、少なくともこの日本と他国の間に戦争はない。
千影さんに魔法の説明をした時、彼女は深く突っ込んでこなかった。一般人なら所詮作り話だと軽くあしらわれる。でもこれが軍、テロ組織、あるいは国の要人。そういった特殊な人間が私や魔法の存在を知ったら?利用価値を見出したら?…おそらく生きては帰してくれないだろう。
「学生時代は謳歌すべきかと」
安室さんの言う通りだ。今は平々凡々な学生。楽しまなくてどうする。
魔法をどう扱っていくのか?本格的に動く出すのは高校が終わってからにしよう。
思考の海から浮上して、ふと机の上のケータイが振動と同時に光った。すぐに止んだためメールだと分かる。
のそりと立ち上がりケータイを操作すると、メールは予想していた人からだった。内容は今日の突然の相席と調査協力のお礼、そして。
「またいつか傘を返しに行きます…」
そう。あの時貸した傘は、まだ彼の元にある。別にそのまま貰ってもらっても良いのだが、彼曰く「会う口実」だそうで。
「またどこかに連れて行ってもらおうかな?」
学生は万年金欠である。大きな友人の好意には際限なく甘える、これ鉄則。
部屋の窓に雨が打ちつける。ベッドの縁に腰掛けてぼーっと外を眺めている間、また思考に耽る。
魔法が証明されてないこの世界に生まれ落ちて、同族が居ないからか、少し寂しい気もする。でも同時に実は安心もしている。そうさせている要素は何なのか?
私がこの身体で生活するようになってから、時々世界の情勢を調べてはいるが、いまだ魔法関係の大きな動きは見受けられない。
第三次世界大戦も開戦していないこの世界。核兵器の脅威はまだあるみたいだけど、それに対抗できる手段として魔法が使われた、なんて過去はなさそうだ。
魔法が軍事用として開発されていく以前の世界は、平和そのもの。
勿論世界のどこかで争いはあるが、少なくともこの日本と他国の間に戦争はない。
千影さんに魔法の説明をした時、彼女は深く突っ込んでこなかった。一般人なら所詮作り話だと軽くあしらわれる。でもこれが軍、テロ組織、あるいは国の要人。そういった特殊な人間が私や魔法の存在を知ったら?利用価値を見出したら?…おそらく生きては帰してくれないだろう。
「学生時代は謳歌すべきかと」
安室さんの言う通りだ。今は平々凡々な学生。楽しまなくてどうする。
魔法をどう扱っていくのか?本格的に動く出すのは高校が終わってからにしよう。
思考の海から浮上して、ふと机の上のケータイが振動と同時に光った。すぐに止んだためメールだと分かる。
のそりと立ち上がりケータイを操作すると、メールは予想していた人からだった。内容は今日の突然の相席と調査協力のお礼、そして。
「またいつか傘を返しに行きます…」
そう。あの時貸した傘は、まだ彼の元にある。別にそのまま貰ってもらっても良いのだが、彼曰く「会う口実」だそうで。
「またどこかに連れて行ってもらおうかな?」
学生は万年金欠である。大きな友人の好意には際限なく甘える、これ鉄則。
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