日々のつぶやき
14年ぶりの!
2024/01/30 20:36特別読み切り!
「俺たちは全員」
「痛いほど知っているはずだ」
「かつて 泥門デビルバッツという 奇跡のチームがいたことを──」。
作中のこの言葉を噛み締めながら読み切りを読了しました。
こんにちは。
久しぶりの日記の更新です。
タイトルは以前から告知されていたので、ある程度ストーリーの予測はしていました。
でもやはりいざ読むとなるとドキドキしますね!!
以下、感想やその他を綴ってみたいと思います。
思うままに綴るだけですのであまりまとまっていないかもしれません。
お含みおきください。
最初のページをめくるともうさっそくドアップ!
セナと、そしてそしてヒル魔の!
これだけでもうありがとうございますという気持ちになります…。
そしてまた見開きのカラー表紙の右にセナ、左にヒル魔。
ヒル魔の足元にあるBRAIN×BRAVEのタイトルロゴがすごくかっこいいなと思いました。これを眺めるだけでもわくわくします。
ウィザーズのユニフォーム、良いですね。地獄のQBが白いユニを身につける。颯爽と見えますし稲妻のような赤い縦筋が入っているのも綺麗だなと眺めました。
作中で描写されているのは甲子園ボウル。このような大試合の時には確か、どちらかが白っぽいユニを着けるという決まりがあったような気がします(うろ覚えなので誤りでしたらすみません)。ウィザーズのこのユニも「特別な試合のため」のものであったらいいなと思います。資金、潤沢そうですし(笑)。
ヒル魔は相変わらずの金髪ピアス、私服は剣呑な黒づくめ。最先端の技術を熟知し駆使し、脅迫手帳も健在。試合中にガムは噛む、フェイクに巧み。
推しが推しのままですごく嬉しいです。
私は最京大学が関東にあると考えており、それも都区内にあるという設定で何度も作品を書きました。
でもそうではなかったようですね。読み切りでは関西代表という位置付けのようです。
ということはやはり、モデルとなっているのは。
最京大学→関西学院大学(以下、関学)
ウィザーズ→ファイターズ(関学アメフト部)
なのかもしれません。
この読み切りの中で高見がウィザーズを「無敗の王者」と言っていますし、その次のページでは新聞紙面に「無敗記録をまたも更新」と記されています。
ウィザーズのこういう強さは、とても似ているんですよね。関学(のアメフト部であるファイターズ)に。
X(旧Twitter)でもたびたび呟いているのですが、私は関東の大学が関学に敵わないことが以前から悔しくて仕方ありませんでした。交流試合でも甲子園ボウルでも、とにかく関東のチームに分が悪いのです。本当に。関東生まれの関東育ちとしてはとても悔しいです。
でもこの読み切りを読んで、少し違った見方ができそうだなと思いました。
関学はある意味「強くて当然」です。なんてったってあのヒル魔の進学した大学のモデルですから。
関学の勝利。そういうニュースを目にしたら、今後は「そりゃヒル魔がいるから」なんて思うことができそうです(笑)。
読み切り作中でヒル魔はドンと共に炎馬を訪れます。(黒の開襟シャツってなんなんでしょうね……意味が分からないですねえっちですね……)
ここでは栗田がヒル魔を目にしてとても喜んでいます。この喜びようから考えると、泥門高校を卒業してから数年、あまり頻繁には会っていなかったようですね。創作をする際にどう描くか、このことはとても気になっていたものですから、一つの答えが出ていたように思います。
読み切りを開いて最初にこのあたりまで読んで、学年はどのような設定なのだろうと考えました。ただ、読み進めていくと作中にチューボーが登場するんですよね。炎馬ファイアーズの一員として。それにウィザーズには番場や山伏も。
つまり
チューボー……1年
セナ……2年
ヒル魔、栗田……3年
番場、山伏……4年
ということなのかなと思います。
ドンのチームに必要なのは走者か投手。
セナかヒル魔、どちらかを迎え入れよう。
そうドンは言っています。
セナは当然のこととして、ヒル魔がドンとそのチームに評価されたことを私はとても嬉しく思います。ヒル魔の実力は数年前の高校世界杯ですでに知られていたのかもしれませんが。
コミックスの32巻の巻末に、おまけページがあります。
ここには帝黒のスカウトによる各選手たちへの評価が載っているんですね。
5つ星が満点。
で、ヒル魔に対する評価はというと。
1つ星。
たった1つ星です。
「運動能力不足」
「引き抜くにも値しない」。
これが帝黒の評価です。
コミックスでこれを見た時どんなに悔しかったか。
クリスマスボウルのあと、帝黒スカウト団はもしかしたら手のひらを返したかもしれませんね。
何食わぬ顔でヒル魔にコンタクトを取ってきたり、セナを引き抜こうとしたり。
そんな場面があってもおかしくはないですし、またそれを泥門デビルバッツの面々は鼻にも引っかけなかったのだろうなと思います。
そんなことを常々考えていたものですから、読み切りのこの展開は嬉しかったです。
ドンとの会見のあと。ヒル魔とセナは二人で夜道を歩きます。
「テメーに勝って頂点のプロに行く」
「もうこんなもんも必要ねえ」
そう言ってヒル魔は放り捨てました。長年肌身離さず利用してきた脅迫手帳を。
……あれ、絶対ヒル魔はあとで回収してると思うんですよ(笑)。
切り札なんていくらあってもいい。
ヒル魔ならそう考えるんじゃないかと思いますから。
そして決戦の日。
溝六先生はどういうポジションなんでしょうね。鈴音と一緒にいるから炎馬のトレーナーを務めていたのかもしれませんね。
それと、炎馬には小結もいるようです。泥門高校を卒業してから運送業に就いていたはずですが……あれ?(このへんは深く考えないことにします)
試合も大詰め、ヒル魔は大和にトスしたと見せかけて鷹へのパスプレーを選択します。
鷹のキャッチ、ウィザーズのタッチダウン。
アメフトの試合では特に、逃げ切りたいというような場面ではプレーで時間を稼ぎます。ヒル魔もここのタッチダウンでゲームセットとなるように無論計算していたはずです。ここで逆転して。
でも炎馬の激しいプレッシャーでそうはできなかった。
試合時間残り1秒。
ここからあとは多分、読み手によってかなり見方が割れると思うんですが。
私は。
この時点で、ヒル魔は「敗れる」と読んでいたんじゃないかなあ……と考えています。
もしくは、敗北の確率が限りなく跳ね上がった。
無論ヒル魔のことですから諦めるなどという選択肢はない。ですが残り1秒あれば少なくともここでのセナにとっては十分すぎますし(本人は必死ですけれども)。
最後のドライブはウィザーズのキックオフから始まります。
ヒル魔のチームのキッカーは優秀でしょうから、かなり飛距離はあったと思います。ということは、炎馬は自陣のかなり深いところで守っていたはずですし、そこから陣地を獲らねばならない。
リターナーはまず俊足の陸、でもすぐに振り返って後ろのセナへパス。
ところがすでにそこまで一休が走り込んでいた。
この辺の攻防は現実の、ナマの試合でも手に汗握るところです。
セナの最後のランが始まります。ヒル魔はでも諦めていません。
阿含がいますからね。
最後のプレーをヒル魔は阿含に託したんですね。
だ け ど。
こんなこと言っていいのかどうか分からないけれどここは私のサイトの私の日記なのでここだけの話として発言しますが……
誰よりもヒル魔が
セナの勝利を信じていた
……のではないかと思うんですよね……。
AIの判断では阿含を回避するのが最適解。
「だからこそ」
「行く」「だろ」
「セナ」
ヒル魔はそう言っています。
なぜなら
「最適解の先へ 勇気だけでもがき続ける」
「それが人間(プレイヤー)」
だから。
最後までヒル魔は勝つことを諦めなかっただろうと思います。
「死んでもトップ獲りにもがくのが たりめーだ」
昔、高校世界杯の時もこう言っていましたしね。
ただ、ラストプレーの阿含とセナの対決。
セナが阿含を抜くだろうことを誰よりもヒル魔が信じていたのではないか。
読了してみて、何度か読み返してみて、やはりそういう思いを抱きました。
理論と勇気。
もがき続ける勇気を持つ生き物、それが人間。
読み切りは人という生き物の可能性をまた私に教えてくれました。
連載終了から14年、しかも最終話のその後。
創って下さった先生方には感謝しかありません。
本当にありがとうございますという感謝の気持ちでいっぱいです。
そんな気持ちとともに今日のこの日記を終え──
──いやいやいやいや
待って待って待って待って(※早口)
まだ終えられないです。
だってあの男が──
あいつ。
あの男。
アレ。
あいつナニしてんでしょうね?!?!??!!!!???
大事なヒル魔の、それも大一番の試合ですよ?!?!?!!?
なんでいないの?!?!?!?!?!
……失礼しました。
少し取り乱しました。
一度読んだ時点で「居ないな、見落としたのかな」と考え、二度三度と読みました。
でも何度読んでも居ませんね。
ムサシ。
その男ムサシ。
この日記の冒頭で掲げたのは、読み切り作中の(大和の)言葉です。
この言葉と共にデビルバッツの円陣が描かれていますが、そこにムサシは居ません。
そして(目を皿のようにして探しましたが)スタンドにも。
ムサシはおりません。
えーーと……
どうして居ないんでしょうか。
友人と少し話したり見聞したりしたところによりますとですね。
①これから原作を読む人たちのために先生方が配慮した(ネタバレ回避)
②あの円陣はオフェンス勢のメンバーによるもの(ムサシはキッカー兼ラインバッカー、守備要員)
などが挙げられるようです。また、私が目にしていないだけで他のご意見もあるかと思います。
上のどちらもそうかと納得できるように思いますし、どちらが間違っていてどちらが正しいということもないと思います。
ただここは(前述したように)私の日記なので好き放題に述べさせていただきますけれども。
円陣の中にいないことはちょっと置いておいて。
ムサシは、読み切り作中の時間軸の中で
絶ッッ対に
①スタンドのどこかにいる(ヒル魔の勝利を確信しながら)
もしくは
②ヒル魔が勝つと信じているから観戦に来なかった
上の二つのうちどちらかだと思うんですよ……。
どっちにしたって、ムサシは、ムサシだけはヒル魔の勝利を信じていたでしょう。
ヒル魔の番、魂の恋人。
その男であるムサシは。
そしてこの試合で(おそらくは)敗れたであろうヒル魔が帰るのは東京の住まい。
ムサシとの住まい。
ドアを開けたらおう、おかえり、なんて淡々とムサシが迎える。
そんな場面がまざまざと目に浮かびます。
いつだってどこだって、どこにいたってヒル魔の帰る場所はムサシのいるところ。
たった一人の、ムサシという男の隣がヒル魔の帰るところ。
心からそう思います。
ヒル魔とセナの決戦。
もしもヒル魔がどこかで敗北を感じたとしてもあの大きな空の下、ムサシだけはヒル魔を、ヒル魔の勝利を信じていただろうな。
そう思います。
そして読了して改めて思いましたがやはりヒル魔はひょいと渡米しそうですね。大学卒業後。
やれるとこまではとことんやってみてぇ。
そうムサシに言って、じゃあなと身軽に出掛けて行きそうです。
おう、行ってこいなんて言うムサシもまざまざと浮かびます。
今回の読み切りから、もしかしたら何か思いついて書きたくなることがあるかもしれません。ただ、多分それはずっと先のことかと思います。
心を動かされた時、それを飲み込んだり言語化したりするのに時間がかかる方なので。
その代わり、現在書こうとしている構想に、可能ならば少しでもこの読み切りの要素を加えることができたらいいなと考えています。
読み切りを読んでやっぱりヒル魔が好き、ムサシが好き、ムサヒルが好きとしみじみ思います。
これからも励みます。
つらつらととりとめもなく綴ってきましたが今日はこの辺で。
この日記を書きながら思い出しましたが、以前に「試合中のヒル魔をスタンドでムサシが見守っている」という設定の小説を書いたことがありました。随分前の作品ですが『雨やどり』『追憶』などがそれです。もしも興味を持って下さったなら覗いてみて下さると嬉しいです。
渡米するヒル魔とその帰りを待つムサシも書いたことがありまして、今思い出せる限りですと『快晴』がそれにあたります。手前味噌にもほどがありますが挙げさせていただきます。
以上、久方ぶりの日記の更新でした。
ここまでお読みくださりありがとうございました!
【2024/02/05追記】
今日の日中、原作者先生が仰っていました。「十文字は関西の強いとこ行ったんですよ」。
これで最京大学は関西と確定しましたね…!
「痛いほど知っているはずだ」
「かつて 泥門デビルバッツという 奇跡のチームがいたことを──」。
作中のこの言葉を噛み締めながら読み切りを読了しました。
こんにちは。
久しぶりの日記の更新です。
タイトルは以前から告知されていたので、ある程度ストーリーの予測はしていました。
でもやはりいざ読むとなるとドキドキしますね!!
以下、感想やその他を綴ってみたいと思います。
思うままに綴るだけですのであまりまとまっていないかもしれません。
お含みおきください。
最初のページをめくるともうさっそくドアップ!
セナと、そしてそしてヒル魔の!
これだけでもうありがとうございますという気持ちになります…。
そしてまた見開きのカラー表紙の右にセナ、左にヒル魔。
ヒル魔の足元にあるBRAIN×BRAVEのタイトルロゴがすごくかっこいいなと思いました。これを眺めるだけでもわくわくします。
ウィザーズのユニフォーム、良いですね。地獄のQBが白いユニを身につける。颯爽と見えますし稲妻のような赤い縦筋が入っているのも綺麗だなと眺めました。
作中で描写されているのは甲子園ボウル。このような大試合の時には確か、どちらかが白っぽいユニを着けるという決まりがあったような気がします(うろ覚えなので誤りでしたらすみません)。ウィザーズのこのユニも「特別な試合のため」のものであったらいいなと思います。資金、潤沢そうですし(笑)。
ヒル魔は相変わらずの金髪ピアス、私服は剣呑な黒づくめ。最先端の技術を熟知し駆使し、脅迫手帳も健在。試合中にガムは噛む、フェイクに巧み。
推しが推しのままですごく嬉しいです。
私は最京大学が関東にあると考えており、それも都区内にあるという設定で何度も作品を書きました。
でもそうではなかったようですね。読み切りでは関西代表という位置付けのようです。
ということはやはり、モデルとなっているのは。
最京大学→関西学院大学(以下、関学)
ウィザーズ→ファイターズ(関学アメフト部)
なのかもしれません。
この読み切りの中で高見がウィザーズを「無敗の王者」と言っていますし、その次のページでは新聞紙面に「無敗記録をまたも更新」と記されています。
ウィザーズのこういう強さは、とても似ているんですよね。関学(のアメフト部であるファイターズ)に。
X(旧Twitter)でもたびたび呟いているのですが、私は関東の大学が関学に敵わないことが以前から悔しくて仕方ありませんでした。交流試合でも甲子園ボウルでも、とにかく関東のチームに分が悪いのです。本当に。関東生まれの関東育ちとしてはとても悔しいです。
でもこの読み切りを読んで、少し違った見方ができそうだなと思いました。
関学はある意味「強くて当然」です。なんてったってあのヒル魔の進学した大学のモデルですから。
関学の勝利。そういうニュースを目にしたら、今後は「そりゃヒル魔がいるから」なんて思うことができそうです(笑)。
読み切り作中でヒル魔はドンと共に炎馬を訪れます。(黒の開襟シャツってなんなんでしょうね……意味が分からないですねえっちですね……)
ここでは栗田がヒル魔を目にしてとても喜んでいます。この喜びようから考えると、泥門高校を卒業してから数年、あまり頻繁には会っていなかったようですね。創作をする際にどう描くか、このことはとても気になっていたものですから、一つの答えが出ていたように思います。
読み切りを開いて最初にこのあたりまで読んで、学年はどのような設定なのだろうと考えました。ただ、読み進めていくと作中にチューボーが登場するんですよね。炎馬ファイアーズの一員として。それにウィザーズには番場や山伏も。
つまり
チューボー……1年
セナ……2年
ヒル魔、栗田……3年
番場、山伏……4年
ということなのかなと思います。
ドンのチームに必要なのは走者か投手。
セナかヒル魔、どちらかを迎え入れよう。
そうドンは言っています。
セナは当然のこととして、ヒル魔がドンとそのチームに評価されたことを私はとても嬉しく思います。ヒル魔の実力は数年前の高校世界杯ですでに知られていたのかもしれませんが。
コミックスの32巻の巻末に、おまけページがあります。
ここには帝黒のスカウトによる各選手たちへの評価が載っているんですね。
5つ星が満点。
で、ヒル魔に対する評価はというと。
1つ星。
たった1つ星です。
「運動能力不足」
「引き抜くにも値しない」。
これが帝黒の評価です。
コミックスでこれを見た時どんなに悔しかったか。
クリスマスボウルのあと、帝黒スカウト団はもしかしたら手のひらを返したかもしれませんね。
何食わぬ顔でヒル魔にコンタクトを取ってきたり、セナを引き抜こうとしたり。
そんな場面があってもおかしくはないですし、またそれを泥門デビルバッツの面々は鼻にも引っかけなかったのだろうなと思います。
そんなことを常々考えていたものですから、読み切りのこの展開は嬉しかったです。
ドンとの会見のあと。ヒル魔とセナは二人で夜道を歩きます。
「テメーに勝って頂点のプロに行く」
「もうこんなもんも必要ねえ」
そう言ってヒル魔は放り捨てました。長年肌身離さず利用してきた脅迫手帳を。
……あれ、絶対ヒル魔はあとで回収してると思うんですよ(笑)。
切り札なんていくらあってもいい。
ヒル魔ならそう考えるんじゃないかと思いますから。
そして決戦の日。
溝六先生はどういうポジションなんでしょうね。鈴音と一緒にいるから炎馬のトレーナーを務めていたのかもしれませんね。
それと、炎馬には小結もいるようです。泥門高校を卒業してから運送業に就いていたはずですが……あれ?(このへんは深く考えないことにします)
試合も大詰め、ヒル魔は大和にトスしたと見せかけて鷹へのパスプレーを選択します。
鷹のキャッチ、ウィザーズのタッチダウン。
アメフトの試合では特に、逃げ切りたいというような場面ではプレーで時間を稼ぎます。ヒル魔もここのタッチダウンでゲームセットとなるように無論計算していたはずです。ここで逆転して。
でも炎馬の激しいプレッシャーでそうはできなかった。
試合時間残り1秒。
ここからあとは多分、読み手によってかなり見方が割れると思うんですが。
私は。
この時点で、ヒル魔は「敗れる」と読んでいたんじゃないかなあ……と考えています。
もしくは、敗北の確率が限りなく跳ね上がった。
無論ヒル魔のことですから諦めるなどという選択肢はない。ですが残り1秒あれば少なくともここでのセナにとっては十分すぎますし(本人は必死ですけれども)。
最後のドライブはウィザーズのキックオフから始まります。
ヒル魔のチームのキッカーは優秀でしょうから、かなり飛距離はあったと思います。ということは、炎馬は自陣のかなり深いところで守っていたはずですし、そこから陣地を獲らねばならない。
リターナーはまず俊足の陸、でもすぐに振り返って後ろのセナへパス。
ところがすでにそこまで一休が走り込んでいた。
この辺の攻防は現実の、ナマの試合でも手に汗握るところです。
セナの最後のランが始まります。ヒル魔はでも諦めていません。
阿含がいますからね。
最後のプレーをヒル魔は阿含に託したんですね。
だ け ど。
こんなこと言っていいのかどうか分からないけれどここは私のサイトの私の日記なのでここだけの話として発言しますが……
誰よりもヒル魔が
セナの勝利を信じていた
……のではないかと思うんですよね……。
AIの判断では阿含を回避するのが最適解。
「だからこそ」
「行く」「だろ」
「セナ」
ヒル魔はそう言っています。
なぜなら
「最適解の先へ 勇気だけでもがき続ける」
「それが人間(プレイヤー)」
だから。
最後までヒル魔は勝つことを諦めなかっただろうと思います。
「死んでもトップ獲りにもがくのが たりめーだ」
昔、高校世界杯の時もこう言っていましたしね。
ただ、ラストプレーの阿含とセナの対決。
セナが阿含を抜くだろうことを誰よりもヒル魔が信じていたのではないか。
読了してみて、何度か読み返してみて、やはりそういう思いを抱きました。
理論と勇気。
もがき続ける勇気を持つ生き物、それが人間。
読み切りは人という生き物の可能性をまた私に教えてくれました。
連載終了から14年、しかも最終話のその後。
創って下さった先生方には感謝しかありません。
本当にありがとうございますという感謝の気持ちでいっぱいです。
そんな気持ちとともに今日のこの日記を終え──
──いやいやいやいや
待って待って待って待って(※早口)
まだ終えられないです。
だってあの男が──
あいつ。
あの男。
アレ。
あいつナニしてんでしょうね?!?!??!!!!???
大事なヒル魔の、それも大一番の試合ですよ?!?!?!!?
なんでいないの?!?!?!?!?!
……失礼しました。
少し取り乱しました。
一度読んだ時点で「居ないな、見落としたのかな」と考え、二度三度と読みました。
でも何度読んでも居ませんね。
ムサシ。
その男ムサシ。
この日記の冒頭で掲げたのは、読み切り作中の(大和の)言葉です。
この言葉と共にデビルバッツの円陣が描かれていますが、そこにムサシは居ません。
そして(目を皿のようにして探しましたが)スタンドにも。
ムサシはおりません。
えーーと……
どうして居ないんでしょうか。
友人と少し話したり見聞したりしたところによりますとですね。
①これから原作を読む人たちのために先生方が配慮した(ネタバレ回避)
②あの円陣はオフェンス勢のメンバーによるもの(ムサシはキッカー兼ラインバッカー、守備要員)
などが挙げられるようです。また、私が目にしていないだけで他のご意見もあるかと思います。
上のどちらもそうかと納得できるように思いますし、どちらが間違っていてどちらが正しいということもないと思います。
ただここは(前述したように)私の日記なので好き放題に述べさせていただきますけれども。
円陣の中にいないことはちょっと置いておいて。
ムサシは、読み切り作中の時間軸の中で
絶ッッ対に
①スタンドのどこかにいる(ヒル魔の勝利を確信しながら)
もしくは
②ヒル魔が勝つと信じているから観戦に来なかった
上の二つのうちどちらかだと思うんですよ……。
どっちにしたって、ムサシは、ムサシだけはヒル魔の勝利を信じていたでしょう。
ヒル魔の番、魂の恋人。
その男であるムサシは。
そしてこの試合で(おそらくは)敗れたであろうヒル魔が帰るのは東京の住まい。
ムサシとの住まい。
ドアを開けたらおう、おかえり、なんて淡々とムサシが迎える。
そんな場面がまざまざと目に浮かびます。
いつだってどこだって、どこにいたってヒル魔の帰る場所はムサシのいるところ。
たった一人の、ムサシという男の隣がヒル魔の帰るところ。
心からそう思います。
ヒル魔とセナの決戦。
もしもヒル魔がどこかで敗北を感じたとしてもあの大きな空の下、ムサシだけはヒル魔を、ヒル魔の勝利を信じていただろうな。
そう思います。
そして読了して改めて思いましたがやはりヒル魔はひょいと渡米しそうですね。大学卒業後。
やれるとこまではとことんやってみてぇ。
そうムサシに言って、じゃあなと身軽に出掛けて行きそうです。
おう、行ってこいなんて言うムサシもまざまざと浮かびます。
今回の読み切りから、もしかしたら何か思いついて書きたくなることがあるかもしれません。ただ、多分それはずっと先のことかと思います。
心を動かされた時、それを飲み込んだり言語化したりするのに時間がかかる方なので。
その代わり、現在書こうとしている構想に、可能ならば少しでもこの読み切りの要素を加えることができたらいいなと考えています。
読み切りを読んでやっぱりヒル魔が好き、ムサシが好き、ムサヒルが好きとしみじみ思います。
これからも励みます。
つらつらととりとめもなく綴ってきましたが今日はこの辺で。
この日記を書きながら思い出しましたが、以前に「試合中のヒル魔をスタンドでムサシが見守っている」という設定の小説を書いたことがありました。随分前の作品ですが『雨やどり』『追憶』などがそれです。もしも興味を持って下さったなら覗いてみて下さると嬉しいです。
渡米するヒル魔とその帰りを待つムサシも書いたことがありまして、今思い出せる限りですと『快晴』がそれにあたります。手前味噌にもほどがありますが挙げさせていただきます。
以上、久方ぶりの日記の更新でした。
ここまでお読みくださりありがとうございました!
【2024/02/05追記】
今日の日中、原作者先生が仰っていました。「十文字は関西の強いとこ行ったんですよ」。
これで最京大学は関西と確定しましたね…!