日々のつぶやき
王城戦
2023/02/21 12:53原作読み返し日記
雁屋のシュークリームはメロンオイルが入っているそうです。
バニラビーンズとメロンオイル。
めちゃめちゃおいしそうですね。
こんにちは、華丸です。
べしょべしょ泣きながら王城戦を読み終わったので1週間ぶりに日記を更新したいと思います。
11月23日、王城高校の学園祭。
ヒル魔はVネックのシャツを着ているようです(207)。黒づくめでVネック、良いですね。こういう格好が本当に似合いますねヒル魔は。
4段ぶち抜きでメイド姿を披露してくれる桜庭。
格好は何ですがこの桜庭も成長しましたね。
そんな桜庭をショーグンが見守っています。
「強いからこそもがくのだ」と。
良い指導者ですねショーグンは。
進にビンタをかます(218)ような厳しいところもあるけれど、ホワイトナイツのようなチームの監督にふさわしい人物だと思います。
良い指導者と言えば溝六先生もそうです。
栗田のことを「仲間が増えるほど心が強くなるバカ」と表現しています(208)。
理解と愛情のあふれる言葉。
ホワイトナイツも、デビルバッツも指導者に恵まれています。
決戦の日は雨模様でした。
雷雨でなくて本当に良かった。
どんな雨でも試合は中止にはなりませんが、雷だけは別です。選手が危険ですからね。
試合前のコイントス(209)。
普通ここで選択権を得たチームは先攻を選ぶものです。
ヒル魔もそうでした。ここは定石通りに行ったんですね。
尤も、超攻撃的なのが我らがデビルバッツですから、どんな試合でも先攻一択だろうという気もします。
対する王城も気合十分ですね!
猪狩は鎖をぶち破って雄叫びをあげていますし、またこの次のページの大田原が良い顔をしている。闘志あふれる、一人のフットボーラーの顔です。
いよいよ開戦。見開きで王城と泥門の一声です。
この、試合前のハドルというのは本当に見応えがあります。主将の声に皆が呼応して雄叫ぶ。空に轟く戦士たちの雄叫び。
アメフトを好きになって良かったと思う場面はいくつかありますが、そのうちの一つがこの試合前の一瞬です。
キックオフされたボールをキャッチして陣地を回復するのがリターナーの役目。
役目柄、足の速い選手が担います。RBと兼任していることも多いです。
フィールドを駆け抜けてチームのために陣地を回復する。そんなリターナーは見ていて胸のすくものがあります。
ところがそのリターナーのセナに大田原が迫ります!
大田原、いきなりどかんと丸ごと1ページです!
かっこいいですね。
初手から息もつかせぬ展開ですね。
何度も繰り返すようですが私は十文字が好きで、その十文字の「見せ場」はやはり嬉しい。211話がカッコ良すぎますね、猪狩を何と片腕で! 止めていますから。
この211話では猪狩の過去が語られますが、それを聞いたムサシが猪狩と十文字を評しています。
「似てんな」
「タイプがよ」
ここを読むと思うのは、ムサシとヒル魔の口調も似ている部分があるなあと。
どちらも口は悪いんですよね、決してお上品なんかではない。
選手としても荒削り。洗練されたわけでは決してない。
その、どこか似たもの同士のムサヒルがつがいであるということはとてつもなくエモいと感じます。
猪狩と十文字の対決は続きます。
212話の表紙は迫力ですね、猪狩によるQBサックの瞬間。
阿含がヒル魔の頭を地面に叩きつけた場面と同じほどの迫力。
後者はともかく前者は実際に見ていても迫力満点です。というか、見ているだけで怖いです。あんなプレッシャーを、QBというポジションはよく耐えてるなとつくづく思います。
そういえばムサシは桜庭のことも評しています。
「姿勢ってのは気持ちの持ちようだ」
「闘う覚悟が変わったってことだ」
ここのムサシはいい顔をしていますね。
決してムサシは美形ではない。
でも緊張に頬を引き締めた良い顔。
いくら眺めても飽きません。
桜庭のプレッシャーで、ヒル魔のモン太へのパスは2回とも失敗に終わります。けれどヒル魔はその2回の「捨てパス」で「読めた」と言う。
試合を見ているとこういうことは度々あります。やはりパスプレーに多いのですが、例えば外側へのパスを何度かやって相手の出方を試す、見るということがあるようです。
それでも泥門の攻撃は3度とも失敗。
4度目は定石通りパントです。
ムサシです。
ムサシの出番です。
「仕事だな」
クッソ格好いいですね…!!(言葉が悪くてすみません…)
この後のムサシのせりふ。
そして49ヤードの堂々たるパントキック。
漢気とはこういうことかと思います。
つくづく、ヒル魔もいい男に惚れたものだと思います。
本当につくづくと。
泥門攻撃から王城の攻撃へ。
ここでいわゆる「黒高見」が現れます(215)(笑)。
Twitterでも呟いたのですが私はこの黒い高見(ずっと後の231話でも見られます)が割と好きです。
過去の怪我ゆえに走れないQB。そういう高見だからこその黒さで、その黒さもちゃんと高見の一面だと思うのです。
だからあの焼肉屋でのカマの掛け合いの場面なんか大好きです。QBはこうでなきゃ、とも思います。
試合は混戦模様ですが緊張感とスピード感とユーモアが矢継ぎ早にやってきてぐいぐい引っ張られます。
ムサシと十文字という「冷静組」のツッコミが楽しいですね(216)。
本当にぐいぐいと読ませられます。
王城の強気のパス守備。
ヒル魔への度重なるブリッツ(217)。
ヒル魔は進のトライデントタックルで倒されますがファンブルはしていません。
死んでもボールは離さない、落とさない。
ヒル魔らしいと思います。
218話では進の回想シーンがあります。
高1の栗田ヒル魔ムサシが創部10分で王城に試合を申し込みに来た。
試合は99点取られて泥門の完封負けです。栗田は泣いていますね。
この場面、石丸の後ろ姿が描かれています。この頃から助っ人をしてくれてたんですね。
いい人だなあとも思うし、すごい人だなあとも感じます。
だってデビルバッツにずっと加わって、すなわちその死闘にも加わってくれている。ついてきているわけですから。
地味な普通の人として石丸は描かれていますが、決して「それだけ」ではありません。
本当に、両先生方はよく描いてくださっていると思います。
第2Qの開始直後、進にタッチダウンされて泥門は引き離されます。3-13。これ以上差をつけられるわけにはいきません(219)。
こういう時、やはり栗田はヒル魔を頼るんですね。何か思いついたらしいヒル魔に声をあげています。
いつもいつもヒル魔を頼りにしていた栗田。
その栗田の変貌はもう少し先です。それも楽しみです。
雨足は強まるばかり。
激しい雨の中、「泥まみれの地上戦」(220)。
「この世に無敵の奴なんざいねえ!!」
はー……。
丸ごと1ページの推しが尊い……。
ここはヒル魔もいいんですがこのあと、栗田の後ろに浮かび上がるムサシの姿、そしてそのせりふも見応えがあります。言いながらムサシの脳裏には中学時代の3人の姿が浮かんでいる。それもイイですね。ヒル魔が持っているのは栗田の分のユニフォームです。そこも何もかももうじんと胸に来ます。
「きずな」と口にしたりこうして書くのは簡単ですが表現するのは難しい。その難しい「きずな」というものを両先生方は十分に伝えてくれます。
息詰まるハーフタイムを経ての後半戦。
泥門にインターセプトの大技が出ます(225)。
桜庭のボールをモン太が跳ね上げた。そのボールをヒル魔がキャッチしたのです。
桜庭とモン太の身長は30㎝以上差があります。その小柄なモン太が試合の流れを引き寄せるかのような大技に貢献した。
良い場面ですね。
それにさらに良いのはこの失敗で桜庭が折れていないことです。
「もう心で負けるもんか……!」
危うく涙が出そうになります。
モン太にも桜庭にも良い結果が出るように、そんな祈りを捧げたくなる場面です。
しかも良い場面はこの後も続きます。
憧れの本庄にフィールドで邂逅したモン太(226)。
動揺して使い物にならないんじゃないかとヒル魔は危惧しましたが、そんなことはまるでなかった。
「試合中に感極まってる場合じゃねえ」
涙を拭う顔が最高にカッコいいです。
泥門は王城ゴールに肉薄します。モン太へのロングパスのチャンス、だけど王城の守備は鉄壁。モン太を囲んでヒル魔にパスを繰り出させない(229)。
悔しそうなヒル魔。
ところがその表情が一転、いつもの悪魔笑いへ。
今しかないというロングパスのチャンス。
だからこそ
走で行く……!!
おッもしろいですねえ……!!!!
ヒル魔はフェイクの達人。その手にもうボールはありません。
こういうヒル魔の采配とプレーに私はいつも騙されます。手に汗握ります。
エースランナー、セナの登場です!!
どの試合もそうですが、この泥門対王城も激戦であり死闘です。セナの登場でタッチダウンして素直に勝つことができるならどんなに良いか。
でもそうはならないから面白いんですよね……。
王城の自殺点。
ヒル魔のタッチダウンでついに泥門は逆転。
その後はシーソーゲーム。
29-34でついに残り2分半。
泥門は残り40ヤード。
もう皆が皆限界に近い。
雪光も、モン太もそうです。
そのモン太のタッチダウン(235)。
残り1分15秒、でも王城は誰一人として目が死んではいません。大田原も、進も。
大田原に至ってはあの栗田を青天させています。そして攻撃開始わずか数秒で中央付近までのビッグリターン。
王城の反撃。
鼻血を出したセナの代わりをヒル魔はベンチから探します(236)。
そしてヒル魔が選んだのは──。
「雪光」
「16番」
「雪光だ」。
……この辺りから私は涙が出ます……。
進のタッチダウン。
「欠片も止められない」ことを悟った雪光。
止められないなら──。
このプレーの後に雪光は言っていますね。
「僕にできるのはここまでだ」
「こんな些細なことだけだ」
と。
こうして文字を打ち込んでいても涙ぐむ思いです。
私はどうしてもこの場面に、雪光によわい。
「凡弱」の雪光だからこそ成し得たプレー。
些細なんかじゃない。
本当に些細なんかじゃない。
泥門デビルバッツに雪光という選手がいてくれて本当に良かった。
心からそう思います。
雪光の残してくれた残り1秒。
その1秒で泥門は勝利をもぎ取りました。
240話では試合後の選手たちの姿が描かれます。
「雨の日も晴れの日も」。
そんなタイトルとともに。
文字通りの死闘を泥門はくぐり抜けた。
読み終わって改めてそう思います。
でもこれは「終わり」では決してない。
目指すはクリスマスボウル。
さらなる高みへ。
そしてまた改めて涙する場面がこの後も続きます。
楽しみに読み返していきます。
日記の更新はここでいったん止まります。
次作の準備に取りかかるためです。
また気が向いたらこの後の試合も振り返ってみたいと思います。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
バニラビーンズとメロンオイル。
めちゃめちゃおいしそうですね。
こんにちは、華丸です。
べしょべしょ泣きながら王城戦を読み終わったので1週間ぶりに日記を更新したいと思います。
11月23日、王城高校の学園祭。
ヒル魔はVネックのシャツを着ているようです(207)。黒づくめでVネック、良いですね。こういう格好が本当に似合いますねヒル魔は。
4段ぶち抜きでメイド姿を披露してくれる桜庭。
格好は何ですがこの桜庭も成長しましたね。
そんな桜庭をショーグンが見守っています。
「強いからこそもがくのだ」と。
良い指導者ですねショーグンは。
進にビンタをかます(218)ような厳しいところもあるけれど、ホワイトナイツのようなチームの監督にふさわしい人物だと思います。
良い指導者と言えば溝六先生もそうです。
栗田のことを「仲間が増えるほど心が強くなるバカ」と表現しています(208)。
理解と愛情のあふれる言葉。
ホワイトナイツも、デビルバッツも指導者に恵まれています。
決戦の日は雨模様でした。
雷雨でなくて本当に良かった。
どんな雨でも試合は中止にはなりませんが、雷だけは別です。選手が危険ですからね。
試合前のコイントス(209)。
普通ここで選択権を得たチームは先攻を選ぶものです。
ヒル魔もそうでした。ここは定石通りに行ったんですね。
尤も、超攻撃的なのが我らがデビルバッツですから、どんな試合でも先攻一択だろうという気もします。
対する王城も気合十分ですね!
猪狩は鎖をぶち破って雄叫びをあげていますし、またこの次のページの大田原が良い顔をしている。闘志あふれる、一人のフットボーラーの顔です。
いよいよ開戦。見開きで王城と泥門の一声です。
この、試合前のハドルというのは本当に見応えがあります。主将の声に皆が呼応して雄叫ぶ。空に轟く戦士たちの雄叫び。
アメフトを好きになって良かったと思う場面はいくつかありますが、そのうちの一つがこの試合前の一瞬です。
キックオフされたボールをキャッチして陣地を回復するのがリターナーの役目。
役目柄、足の速い選手が担います。RBと兼任していることも多いです。
フィールドを駆け抜けてチームのために陣地を回復する。そんなリターナーは見ていて胸のすくものがあります。
ところがそのリターナーのセナに大田原が迫ります!
大田原、いきなりどかんと丸ごと1ページです!
かっこいいですね。
初手から息もつかせぬ展開ですね。
何度も繰り返すようですが私は十文字が好きで、その十文字の「見せ場」はやはり嬉しい。211話がカッコ良すぎますね、猪狩を何と片腕で! 止めていますから。
この211話では猪狩の過去が語られますが、それを聞いたムサシが猪狩と十文字を評しています。
「似てんな」
「タイプがよ」
ここを読むと思うのは、ムサシとヒル魔の口調も似ている部分があるなあと。
どちらも口は悪いんですよね、決してお上品なんかではない。
選手としても荒削り。洗練されたわけでは決してない。
その、どこか似たもの同士のムサヒルがつがいであるということはとてつもなくエモいと感じます。
猪狩と十文字の対決は続きます。
212話の表紙は迫力ですね、猪狩によるQBサックの瞬間。
阿含がヒル魔の頭を地面に叩きつけた場面と同じほどの迫力。
後者はともかく前者は実際に見ていても迫力満点です。というか、見ているだけで怖いです。あんなプレッシャーを、QBというポジションはよく耐えてるなとつくづく思います。
そういえばムサシは桜庭のことも評しています。
「姿勢ってのは気持ちの持ちようだ」
「闘う覚悟が変わったってことだ」
ここのムサシはいい顔をしていますね。
決してムサシは美形ではない。
でも緊張に頬を引き締めた良い顔。
いくら眺めても飽きません。
桜庭のプレッシャーで、ヒル魔のモン太へのパスは2回とも失敗に終わります。けれどヒル魔はその2回の「捨てパス」で「読めた」と言う。
試合を見ているとこういうことは度々あります。やはりパスプレーに多いのですが、例えば外側へのパスを何度かやって相手の出方を試す、見るということがあるようです。
それでも泥門の攻撃は3度とも失敗。
4度目は定石通りパントです。
ムサシです。
ムサシの出番です。
「仕事だな」
クッソ格好いいですね…!!(言葉が悪くてすみません…)
この後のムサシのせりふ。
そして49ヤードの堂々たるパントキック。
漢気とはこういうことかと思います。
つくづく、ヒル魔もいい男に惚れたものだと思います。
本当につくづくと。
泥門攻撃から王城の攻撃へ。
ここでいわゆる「黒高見」が現れます(215)(笑)。
Twitterでも呟いたのですが私はこの黒い高見(ずっと後の231話でも見られます)が割と好きです。
過去の怪我ゆえに走れないQB。そういう高見だからこその黒さで、その黒さもちゃんと高見の一面だと思うのです。
だからあの焼肉屋でのカマの掛け合いの場面なんか大好きです。QBはこうでなきゃ、とも思います。
試合は混戦模様ですが緊張感とスピード感とユーモアが矢継ぎ早にやってきてぐいぐい引っ張られます。
ムサシと十文字という「冷静組」のツッコミが楽しいですね(216)。
本当にぐいぐいと読ませられます。
王城の強気のパス守備。
ヒル魔への度重なるブリッツ(217)。
ヒル魔は進のトライデントタックルで倒されますがファンブルはしていません。
死んでもボールは離さない、落とさない。
ヒル魔らしいと思います。
218話では進の回想シーンがあります。
高1の栗田ヒル魔ムサシが創部10分で王城に試合を申し込みに来た。
試合は99点取られて泥門の完封負けです。栗田は泣いていますね。
この場面、石丸の後ろ姿が描かれています。この頃から助っ人をしてくれてたんですね。
いい人だなあとも思うし、すごい人だなあとも感じます。
だってデビルバッツにずっと加わって、すなわちその死闘にも加わってくれている。ついてきているわけですから。
地味な普通の人として石丸は描かれていますが、決して「それだけ」ではありません。
本当に、両先生方はよく描いてくださっていると思います。
第2Qの開始直後、進にタッチダウンされて泥門は引き離されます。3-13。これ以上差をつけられるわけにはいきません(219)。
こういう時、やはり栗田はヒル魔を頼るんですね。何か思いついたらしいヒル魔に声をあげています。
いつもいつもヒル魔を頼りにしていた栗田。
その栗田の変貌はもう少し先です。それも楽しみです。
雨足は強まるばかり。
激しい雨の中、「泥まみれの地上戦」(220)。
「この世に無敵の奴なんざいねえ!!」
はー……。
丸ごと1ページの推しが尊い……。
ここはヒル魔もいいんですがこのあと、栗田の後ろに浮かび上がるムサシの姿、そしてそのせりふも見応えがあります。言いながらムサシの脳裏には中学時代の3人の姿が浮かんでいる。それもイイですね。ヒル魔が持っているのは栗田の分のユニフォームです。そこも何もかももうじんと胸に来ます。
「きずな」と口にしたりこうして書くのは簡単ですが表現するのは難しい。その難しい「きずな」というものを両先生方は十分に伝えてくれます。
息詰まるハーフタイムを経ての後半戦。
泥門にインターセプトの大技が出ます(225)。
桜庭のボールをモン太が跳ね上げた。そのボールをヒル魔がキャッチしたのです。
桜庭とモン太の身長は30㎝以上差があります。その小柄なモン太が試合の流れを引き寄せるかのような大技に貢献した。
良い場面ですね。
それにさらに良いのはこの失敗で桜庭が折れていないことです。
「もう心で負けるもんか……!」
危うく涙が出そうになります。
モン太にも桜庭にも良い結果が出るように、そんな祈りを捧げたくなる場面です。
しかも良い場面はこの後も続きます。
憧れの本庄にフィールドで邂逅したモン太(226)。
動揺して使い物にならないんじゃないかとヒル魔は危惧しましたが、そんなことはまるでなかった。
「試合中に感極まってる場合じゃねえ」
涙を拭う顔が最高にカッコいいです。
泥門は王城ゴールに肉薄します。モン太へのロングパスのチャンス、だけど王城の守備は鉄壁。モン太を囲んでヒル魔にパスを繰り出させない(229)。
悔しそうなヒル魔。
ところがその表情が一転、いつもの悪魔笑いへ。
今しかないというロングパスのチャンス。
だからこそ
走で行く……!!
おッもしろいですねえ……!!!!
ヒル魔はフェイクの達人。その手にもうボールはありません。
こういうヒル魔の采配とプレーに私はいつも騙されます。手に汗握ります。
エースランナー、セナの登場です!!
どの試合もそうですが、この泥門対王城も激戦であり死闘です。セナの登場でタッチダウンして素直に勝つことができるならどんなに良いか。
でもそうはならないから面白いんですよね……。
王城の自殺点。
ヒル魔のタッチダウンでついに泥門は逆転。
その後はシーソーゲーム。
29-34でついに残り2分半。
泥門は残り40ヤード。
もう皆が皆限界に近い。
雪光も、モン太もそうです。
そのモン太のタッチダウン(235)。
残り1分15秒、でも王城は誰一人として目が死んではいません。大田原も、進も。
大田原に至ってはあの栗田を青天させています。そして攻撃開始わずか数秒で中央付近までのビッグリターン。
王城の反撃。
鼻血を出したセナの代わりをヒル魔はベンチから探します(236)。
そしてヒル魔が選んだのは──。
「雪光」
「16番」
「雪光だ」。
……この辺りから私は涙が出ます……。
進のタッチダウン。
「欠片も止められない」ことを悟った雪光。
止められないなら──。
このプレーの後に雪光は言っていますね。
「僕にできるのはここまでだ」
「こんな些細なことだけだ」
と。
こうして文字を打ち込んでいても涙ぐむ思いです。
私はどうしてもこの場面に、雪光によわい。
「凡弱」の雪光だからこそ成し得たプレー。
些細なんかじゃない。
本当に些細なんかじゃない。
泥門デビルバッツに雪光という選手がいてくれて本当に良かった。
心からそう思います。
雪光の残してくれた残り1秒。
その1秒で泥門は勝利をもぎ取りました。
240話では試合後の選手たちの姿が描かれます。
「雨の日も晴れの日も」。
そんなタイトルとともに。
文字通りの死闘を泥門はくぐり抜けた。
読み終わって改めてそう思います。
でもこれは「終わり」では決してない。
目指すはクリスマスボウル。
さらなる高みへ。
そしてまた改めて涙する場面がこの後も続きます。
楽しみに読み返していきます。
日記の更新はここでいったん止まります。
次作の準備に取りかかるためです。
また気が向いたらこの後の試合も振り返ってみたいと思います。
ここまでお読みくださりありがとうございました。