オリキャラ設定

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・輝夜月家について

竹取物語で有名な輝夜姫を祖とする一族。
「満月の呼吸」を代々受け継ぎ、月柱を輩出している名門。
輝夜姫と人間の男性の間に生まれた子供が興した一族で、五百年に一度、輝夜姫に最も近い遺伝子を持つ子が生まれると言われており、朔耶はこれに該当する。

当主は代々、家紋入りの羽織と日輪刀を受け継ぐ。
輝夜月家の日輪刀は通常の日輪刀とは異なり、輝夜姫が月に帰る前に残した物で、『天月砂鉄(あまつきさてつ)』という、月にしか無い特殊な鉱物で打たれている。
地上の鉱物では無い代物で打たれている為、打たれて千年以上経っているが刃毀れしたり錆びたり熱に溶けたりする事は無く、勿論折れる事もしていない。
羽織も同じく輝夜姫が我が子の為にと残した『天の羽衣』を使い作られた物。
此方も地上の物では無い代物である為、鬼殺隊の隊服よりも遥かに高い防御力を兼ね備えており、火にくべても燃えない。
この為無惨が輝夜月家の屋敷に火を放った際も日輪刀共々無事だった。
この日輪刀と羽織は輝夜月家の屋敷の焼け跡から槇寿郎が拾い上げ、朔耶が鬼殺隊に入るまで大切に保管していた。
そして朔耶は槇寿郎から、鬼殺隊に入隊した日に日輪刀を、月柱に就任した日に羽織を渡された。


・輝夜姫(かぐやひめ)

輝夜月家の祖である天女。
人間や鬼には扱えない「天術(てんじゅつ)」を自在に操り、術者としても高い能力を持ち、見る者全てを虜にする程の美貌を兼ね備えていた高潔な女性。

創作上の人物だと思われがちだが実在した人物で、千年程前に地上に降り立ち竹取物語にある様に幾多の男性達から求婚を受けたが、何れは月に帰る身の上である事、また彼らが自らの美貌にしか興味が無い事に対して冷めていた為全て袖にしていた。

しかしある時一人の男性と出会い、自分の外見では無く内面を美しいと評してくれたその男性に強く心惹かれ愛し合う様になった輝夜姫はやがて彼との子を出産する。
しかしタイムリミットを迎え月に帰る事となり、輝夜姫は彼に何度も涙ながらに謝罪しながら生後間も無い我が子を託し、月へと帰る。

彼と結ばれる以前、輝夜姫は鬼舞辻無惨と邂逅しており、その血にあらゆる病を癒し、取り入れた者を不死の存在に変える力を持つ輝夜姫は無惨から血を求められたが一蹴し、逆上した無惨を天術で返り討ちにした事があった為、無惨は輝夜姫、引いては彼女の血を受け継ぐ朔耶に異常なまでの執着心を抱いている。


・満月の呼吸(まんげつのこきゅう)

輝夜月家に伝わる呼吸法。
輝夜姫が扱っていた天術を雛形にしている為、輝夜姫の血を受け継ぐ者、つまり輝夜月家の者にしか扱う事が出来ない特殊な呼吸法である為、黒死牟が使用する月の呼吸と似ているが全くの別物。
この為朔耶は継子を取る事が出来ず、先代月柱である朔耶の父聖耶が死去している現在、満月の呼吸を扱えるのは朔耶ただ一人であり、杏寿郎と朔耶が正式に夫婦となった後、二人の間に生まれた子供が次に満月の呼吸を朔耶から会得する事になる。


・朔耶の血

輝夜姫に極めて近い遺伝子を持つ朔耶の血には、取り入れた者の自然治癒力を爆発的に引き上げ、傷の再生力が早まる力が秘められている。
この為朔耶は並の人間より自然治癒力が高く、傷の治りが非常に早い。
また、幼少期から怪我をする事が多かった朔耶の傷を舐めてやっていた杏寿郎は無意識に朔耶の血を自身の体内に取り込んでいた為、朔耶と同じく傷の治りが並の人間より早い。
この為杏寿郎は猗窩座に致命傷を負わされても傷がすぐに塞がり、朔耶の助太刀もあって大事に至らずに済んだ。
また、朔耶の血を取り込んだ者は無惨の血を受けても鬼化せず、逆に鬼が朔耶の血を取り込むと無惨の血が浄化され、鬼化が解け人間に戻ってしまうが、無惨はこの事実を知らず朔耶の身柄を狙い続けている。


・煉獄家と輝夜月家の関係

前述の通り、輝夜姫は人間の男性との間に子を成した後、彼に我が子を託して月へと帰る。
輝夜姫との間に子を成したこの男性こそ煉獄家の祖である人物であり、煉獄家と輝夜月家は元々は一つの一族だった。

しかし時代の流れで徐々に血は薄れていき、戦国時代に入る頃には既に煉獄家と輝夜月家は枝分かれしそれぞれ独立した家柄を確立し、互いに柱を排出する名門としてその名を轟かせるまでになり、別々の一族として分かれた後も協力関係にあった。
その為両家の子供を、変わらぬ結束の証として娶せる慣習が生まれた。

大正の世でもその慣習は続いており、杏寿郎の父槇寿郎と朔耶の父聖耶は、慣習に従い両家の結束の証として互いの嫡子である杏寿郎と朔耶を娶せる事にし、二人が6歳の時に婚約を成立させるが、幼い頃から共に過ごして来た杏寿郎と朔耶は互いを大切に想っており、正式に婚約が成立する以前に「大人になったら結婚しよう」と約束を交わしていた為、二人にとって婚約話は願ってもない話だった。
(※本作では瑠火は輝夜月家の遠縁に当たり、両家の慣習に則り槇寿郎と結婚しているという設定)


・朔耶の家族について

先代月柱であり輝夜月家先代当主、輝夜月聖耶(かぐやづき せいや)とその妻であり煉獄家の親戚筋出身である輝夜月樹奈(かぐやづき じゅな)の一人娘として生を受けた朔耶。
母親の樹奈は生まれつき身体が弱く、朔耶を身篭った時も医者に出産を反対される程、樹奈にとって出産は命懸けのものだった。
夫の聖耶は樹奈の身体を案ずるが、樹奈の意志は固く「私の命を、この子に繋げたい」という樹奈に根負けし、聖耶は樹奈の意志を尊重して出産に同意する。
出産前、懇意にしている煉獄槇寿郎と瑠火夫妻に、「私はこの子の命と引き換えに旅立ちます。私が居なくなった後、どうかこの子の事をお願いします」と託し、その言葉通り樹奈は命と引き換えに朔耶を出産し、「朔耶」という名を贈った後に静かに息を引き取った。

母親の顔も知らぬ朔耶だったが、父聖耶から母親の分まで沢山の愛情を一身に受け、生まれてこの方大病を患う事も無く健やかに成長した。
樹奈の遺言を守る為、瑠火も病弱な身体を押して朔耶の母親代わりを務めた。
そんな瑠火は朔耶にとって実の母親も同然だった為、瑠火が死去した時は人目も憚らず号泣し瑠火の死を悼んだ。

朔耶が12歳の夏、杏寿郎と千寿郎と共に山に遊びに行った際、千寿郎が迷子になってしまい二人で手分けして探した所、千寿郎は足を挫いた状態で見つかったが既に日が暮れてしまっていた為、洞窟で一晩を過ごした朔耶は杏寿郎と二人で千寿郎を担いで山を降り屋敷に戻ったが、輝夜月家の屋敷は焼け落ちてしまっていた。
後に判明する事だが、朔耶が杏寿郎達と山で一晩を過ごしていた間、輝夜姫の血を濃く受け継ぐ朔耶の身柄を狙う鬼舞辻無惨が輝夜月家を襲撃し、使用人達を悉く惨殺した後、聖耶に「輝夜姫を渡せ」と迫るも「あの子は妻の忘れ形見、貴様如きには渡さぬ」と一蹴され、激高した無惨は日輪刀を抜き応戦する聖耶の一瞬の隙を突いて聖耶を殺害し、息も絶え絶えの聖耶に向かい「どう足掻こうとも輝夜姫は私のモノになる、無駄死にだな」と嘲笑し、置き土産だと言わんばかりに屋敷に火を放ちその場を去った。

屋敷の焼け跡から発見された、変わり果てた父親の遺体を見た朔耶は気が狂った様に泣け叫び悲嘆した。

聖耶の葬儀は槇寿郎が取り仕切ったものの、一夜にして家族と住む場所を奪われてしまった朔耶は悲しみのあまり抜け殻の様になってしまっていた。
そんな朔耶を気の毒に思った槇寿郎は、樹奈の遺言を守る時が来たと感じ、朔耶を煉獄家で引き取り、当主不在の輝夜月家の後ろ盾となり輝夜月家の取り潰しを防いだ。
槇寿郎の奔走が功を奏し、成長した朔耶は杏寿郎と共に鬼殺隊に入隊し、忽ちに頭角を現すと月柱に就任し、間も無く正式に輝夜月家の当主を襲名した。

無惨の手により天涯孤独となってしまった朔耶だが、煉獄家の人々の尽力もあって父親の死から立ち直る事が出来た為、朔耶は命を賭してでも煉獄家に報いる心構えでいる。
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