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短編集

















───その日の夜、杏寿郎と朔耶は何時もの様に、輝夜月家の屋敷で行為に没頭していた。




「あっ……♡あぁぁっ……♡
杏、ちゃ……♡気持ちいいよぉ……♡」


「ん……♡
愛い……愛いな、朔耶……♡」


一糸纏わぬ姿の二人は、所謂対面座位の体勢で繋がり合い、互いを求め合っていた。


杏寿郎は目の前で蠱惑的に揺れる、朔耶の豊満な乳房に顔を埋めると、淡い桜色の乳首を口に含み、厭らしい音を立てながら吸い始めた。


「んっ♡あぁ……♡
杏ちゃん……本当に私のおっぱい好きだよね……♡」


朔耶は自分の乳首を赤子の様に夢中になって吸う杏寿郎の頭に両腕を回し、あやす様に彼の髪を撫でた。


「ああ……♡
朔耶の乳房は大きくて柔らかいから……思わず吸い付きたくなってしまうんだ……♡

これで乳でも出たら、何時までも吸っていてしまうのにな♡」


「やだなぁ杏ちゃん♡
私、まだ赤ちゃん出来てないからお乳は出ないよ♡」


「ふっ……♡ならば朔耶、孕ませてやろう♡」


「もう♡杏ちゃんってば♡」




───「乳でも出たら」、杏寿郎のこの何気無い一言が現実になってしまうとは、この時の二人には知る由も無かった。






───その数日後。


任務で鬼と遭遇した朔耶は、何時もの様に難無く鬼を倒したのだが、その鬼は事切れる前、朔耶に血鬼術を掛けたのだった。


鬼を倒したと思っていた朔耶は不意打ちの為対応が間に合わず、相手の血鬼術を喰らってしまった。


その後すぐに胸が張り始め、痛みを覚えた朔耶は任務が終わってすぐ蝶屋敷に足を運び、蟲柱である胡蝶しのぶに診て貰う事にした。




「そうですか……血鬼術を喰らってしまったら、急に胸が張り始めた、と……」


「し、しのぶ……あんまり触ると変な感じになっちゃ……あっ!」


張ってしまった乳房をしのぶに触診されていた朔耶は、その刺激で身体を震わせた。


すると朔耶の固くなった乳首の先端から、ぴゅっ、と白い液体が溢れ出て来た。


「あら……これは……母乳ですね。
どうやら朔耶さんが倒した鬼の血鬼術は、妊娠していなくても母乳が出る様になってしまう類のものですね」


しのぶは朔耶の乳首から母乳が溢れ出す様子を見て、朔耶に掛けられた血鬼術の効果を分析した。


「な……何それ!?
そんな血鬼術、聞いた事無い!

し、しのぶ……私の胸は、このままなの……?」


「心配要りませんよ、朔耶さん。
血鬼術を掛けた鬼が死亡しているのであれば、術の制御は出来ませんから数日で効果は消えます。

……ですがその状態では任務に支障が出ますから、術の効果が切れるまでは休んでいた方がいいと思いますよ。
お館様へは私から理由を伏せてお伝えしておきますから、ね?」


不安そうな表情の朔耶を安心させる様に、しのぶは優しく微笑みながら説明し、術の効果が切れるまで休む様に諭した。


「そ、そっか……分かったよ、有難うしのぶ……
迷惑掛けちゃってごめんなさいって、皆にも伝えておいてくれる?」


「大丈夫ですよ、困った時はお互い様ですから」


しのぶは服装を正して椅子から立ち上がった朔耶に、「お大事に」と優しく声を掛けて送り出した。






───その三日後。


先日、しのぶから説明を受けた耀哉から「しっかり養生する様に」という文と共に無期限の休暇を貰い、屋敷で休養していた朔耶だったが、未だ術の効果は切れず、そろそろ胸の張りを苦痛に感じ始めていた。


「うぅ……胸が痛くて夜もあんまり眠れない……
これ、どうすればいいかな……?」


張った胸を擦りながら、朔耶は色々と思案し、一つの答えに辿り着いた。


「……恥ずかしいけど、中身を絞り出すしか無いか……」


朔耶は台所から木桶を持ってくると、着物の上を肌蹴けて張った乳房を露わにし、畳の上に置いた木桶に向かって上体を屈ませた。


「このままだと痛いし辛いし、長々と休んで皆に迷惑掛ける訳にもいかないし……恥ずかしいなんて言ってる場合じゃないよね……」


朔耶は溜息を吐くと、両手を乳房に添え、やや力を込めて揉みしだき始めた。


「んっ、んん……」


手からの刺激を受け、乳首からは白い母乳がタラタラと溢れ始め、木桶に滴り落ちていった。




───その時だった。




「朔耶!!
俺が任務に出ている間に、血鬼術に掛かり休養していると胡蝶から聞いた!!

済まない、俺が留守にしていたばかりに辛い思いをさせてしまった!!

身体は大丈夫か朔耶!!」


廊下からドタドタという足音が聞こえてきたかと思うと、間髪入れず襖が開け放たれ、任務から戻ってきたばかりの杏寿郎が部屋に入り込んできた。


だが、朔耶の姿を見ると杏寿郎はそのまま硬直してしまい、朔耶もまた、突然の事に驚き、杏寿郎を見つめたまま硬直した。


「きょ……杏ちゃん……!
やだ、見ないで……!」


朔耶は顔がみるみる熱くなっていくのを感じ、慌てて乳房を両腕で隠しながら杏寿郎に背を向けた。


「あ……
す、済まなかった朔耶……

……ところで、それは……?
俺も胡蝶からは大まかな事しか聞いていなかったから、詳しい事情は分からない……
差し支え無かったらでいいから、何があったのか教えてくれないか?」


杏寿郎は申し訳無さそうに顔を背けながら、しかし心配そうに朔耶に何があったのかを訊ねた。




「………あのね、杏ちゃん……」


朔耶は一瞬話す事を躊躇ったが、自分を心配してくれている杏寿郎に隠し事はしたくないという気持ちが勝り、ゆっくりとこれまでの事を話し始めた。




「成程……敵の血鬼術に掛かってから乳房が張り、乳が出る様になってしまったのか……」


「うん……しのぶは数日で効果は消えるって言ってたけど、胸が張って痛くて夜も満足に眠れなくて……

だから一度、乳を絞り出してみれば違うかなって思って始めた所だったの」


そう話す朔耶の目の下にうっすらと浮かぶ隈を見つけた杏寿郎は、何とかして朔耶を楽にしてやりたいと思い、意を決して朔耶に歩み寄り、彼女の肩に両手を置いた。


「……朔耶!
俺は痛みの所為で満足に眠れていないお前を少しでも楽にしてやりたい……

だから朔耶、お前の乳を……俺に吸い出させてくれないか!?」


「え……えぇっ!?」


杏寿郎からの提案に、朔耶は驚いて彼を振り返った。


「い、嫌なら無理はしなくていい……
だが今の辛そうなお前を見ているしか出来ない事が、俺には辛い……

俺に出来る事があるならば、何でもいいからしてやりたいだけなんだ」


「杏ちゃん……」


心配そうな表情の杏寿郎を見、朔耶は胸がいっぱいになっていくのを感じ、自分はこんなにも優しい男性(ひと)に想われている事、そして自分が如何に果報者であるかという事を改めて実感した。


そして恥じらいを振り払う様に、朔耶は杏寿郎の方を向き、おずおずと乳房を隠す両腕を退かした。


「杏ちゃん……有難う……
じゃあ……お願いしても……いいかな……?

杏ちゃんだけだから、こんな事お願い出来るの……」


そう言って頬を赤く染める朔耶と、そんな彼女の張った乳房と母乳が滴る乳首を見、杏寿郎は唾を飲み込みながら朔耶の乳房にそっと触れた。


「大丈夫だ、朔耶……
必ず楽にしてやるから……お前は安心して、俺に身を委ねていてくれればいい」


そう言うと杏寿郎は、母乳に濡れた朔耶の乳首を口に含んだ。


「んっ……!」


乳首に刺激を感じた朔耶は身体を震わせ、思わず杏寿郎の口内に母乳を放出した。


「……うむ、うまい!
朔耶の乳はうまい!」


口内に放たれた母乳を味わった杏寿郎は、その甘美な味を気に入った様で、間髪入れずに朔耶の乳首を吸い、溢れ出す母乳を飲み始めた。


「あぁぁっ♡杏、ちゃ……♡」


「んっ……♡
こんなに美味い乳を、ただ出して捨てるなんて勿体無い……♡
捨てる位ならば朔耶、俺に飲ませてくれないか……♡」


杏寿郎はうっとりとした口調でそう言いながら朔耶の身体を畳の上に押し倒し、ちゅうちゅうと音を立てながら朔耶の母乳を味わい続けた。


「あぁんっ♡ひぁぁっ♡
杏、ちゃ……♡いいよぉ♡
私のミルク、杏ちゃんにあげるぅっ♡」


朔耶は母乳を吸われる感覚に早くも夢中になっている様子で、熱に浮かされた表情を浮かべながら杏寿郎の頭を抱き締めた。




「ふ……♡乳を吸われるだけで感じてしまうとは……厭らしいな朔耶♡
子供が生まれて、乳をやる度にそんな反応をしていては母親は務まらんぞ♡」


「ひぁぁっ♡ご、ごめんなさい杏ちゃぁん♡
ミルク吸われるの、気持ちいいからぁっ♡」


杏寿郎に乳首を吸われる度、朔耶は快楽にガクガクと身体を震わせながら母乳を溢れさせていた。


「ん……ぷは……♡
ふむ……片方だけ吸っていてはもう片方の乳が溢れるだけで勿体無いな……ならばこうしよう♡」


杏寿郎は朔耶の空いている方の乳首から溢れ出す母乳を見て勿体無いと感じたのか、両手で朔耶の両乳房を寄せると、二つの乳首を一緒にぱくりと口に含み吸い始めた。


「んほぉぉぉぉ♡♡

らめぇぇぇ♡♡りょうほういっしょにすうのらめぇぇぇ♡♡
ばかになっちゃうぅっ♡♡」


朔耶は両乳首に同時に刺激を与えられ、喉を反らして甘い嬌声を上げた。


「ん……♡ああ、うまい♡
幾らでも飲めてしまいそうだ♡」


杏寿郎は満足そうな表情で、朔耶の両乳首から溢れる母乳を飽きる事無く飲み続けた。




暫しの後、杏寿郎は朔耶の乳首を吸いつつ片手でベルトを緩め、ズボンの中から滾る自身を取り出した。


「朔耶……♡
美味いミルクを飲ませてくれた礼に、俺の特濃ミルクを下の口からたっぷり飲ませてやろうな♡」


そう言うと杏寿郎は朔耶の着物の裾を開いて彼女の下半身を露わにすると、解す必要が無い程に濡れそぼった朔耶の蜜穴に怒張した自身を宛てがい、一気に奥まで挿入した。


「んぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"っ♡♡♡」


いきなり自分の中に侵入してきた杏寿郎の熱を感じ、朔耶は稲妻に打たれたかの様に身体を仰け反らせ喘いだ。


「っ……♡あぁ……♡解していないのにすっかりグズグズだな……♡

そんなにミルクを吸われるのが気持ち良かったのか、朔耶?」


杏寿郎は腰を打ち付けながら、再度朔耶の乳首を口に含み、母乳を吸い始めた。


「んぁぁぁぁっ♡♡♡
お、おっぱいもおまんこも、きょうちゃんにいじめられてきもひいい♡♡
ミルクとまんにゃぁぁいっ♡♡

もっとぉぉ♡♡
もっといじめてぇっ♡♡」


「ふ……♡淫乱な……♡
悪い子にはお仕置きが必要だな♡」


杏寿郎は意地の悪そうな笑みを浮かべながらそう言うと、朔耶の乳首を吸いつつ、何度も強く腰を打ち付けた。


「おほぉぉぉぉ♡♡♡
わるいこでごめんにゃひゃぁぁい♡♡
さくやにいっぱいおしおきしてくだひゃぁぁいっ♡♡」


「これで喜ぶとは、全く……♡
お仕置きでは無くご褒美になってしまっているな……♡
だが朔耶、そんなお前も愛い♡

さあ、ご褒美のミルクをやろう♡
存分に味わってくれ朔耶♡」


杏寿郎は自身の先端で朔耶の子宮口をこじ開けると、胎内目掛けて熱を吐き出した。


「んひゃぁぁぁぁぁっ♡♡♡
きょうちゃんのミルクおいひいですぅぅっ♡♡
イクッ♡イキまひゅぅぅぅ♡♡♡」


胎内に射精されるのと同時に朔耶も絶頂を迎え、両乳首から母乳を撒き散らしながら果てた。






───その翌朝。


「……あ、私の胸もう張ってない、治ってる!」


あの後杏寿郎により身を清められ、彼が敷いた布団で共に寝ていた朔耶は起床後、乳房の張りが無くなっている事に気付き安堵の表情を浮かべた。


朔耶が起きた事に気付いて目を覚ました杏寿郎も身体を起こし、朔耶の乳房に触れながら頷いた。


「うむ、もう張ってないな!
朔耶、昨夜はよく眠れたか?」


「うん!ちょっと恥ずかしかったけど、杏ちゃんのお陰でよく眠れたよ、有難う!」


「……恥ずかしかったと言う割には朔耶、随分と喜んでいた様に見えたぞ?」


意地悪そうな笑みを浮かべる杏寿郎に耳元でそう囁かれ、朔耶は忽ちに顔を真っ赤にした。


「そ……それは忘れてよ杏ちゃん!!」


朔耶は羞恥のあまり杏寿郎の顔面に枕を投げつけると、「よもやよもやだ」と笑う杏寿郎には構わず、枕元に置いてあった襦袢をさっさと着ると、湯を沸かしに風呂場へと向かった。






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