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短編集












───包布が擦れる音と、熱を帯びた男女の吐息が断続的に響く。


行灯の明かりに照らされながら、件の男女──杏寿郎と朔耶は一糸纏わぬ姿のまま愛し合っていた。




「んっ……あ……」


朔耶は自分の乳房に顔を埋め、固くなっている乳首を舌で舐めたり吸い付いたりしている杏寿郎の頭に両腕を回し、悩ましげな吐息を唇から漏らしながら身を捩らせていた。


「気持ちいいか、朔耶?
朔耶は胸を責められるのが好きだろう?」


朔耶の片方の乳首を吸いつつ、もう片方の乳首を親指と人差し指で強弱をつけて弄りながら、杏寿郎は朔耶の顔を見上げた。


「っ……うん、好き……
杏ちゃんにおっぱいいじめられるの、気持ち良くて大好き……」


朔耶は頬を赤らめたまま、熱に潤んだ瞳で杏寿郎を見つめながら素直に頷いた。


そんな朔耶を見つめ、杏寿郎は満足気に笑みを浮かべた。


「うむ、素直で良い事だ。
素直な良い子には、ご褒美をやらねばならんな……」


杏寿郎はそう言うと、空いている方の手を朔耶の下半身へと伸ばし、潤み始めている秘部の割れ目を指でなぞり始めた。


「ひぅ……ッ!」


敏感な部分に触れられ、朔耶はビクビクと身体を震わせた。


杏寿郎は朔耶の胸への愛撫を続けながら、割れ目の中に指を差し入れると、ひくついている蜜穴へと指を埋め始めた。


「ひぁ……!あ、あぁぁっ……!」


「俺の指を一物だと思っているのか、朔耶?
愛らしく俺の指を締め付けているぞ?」


杏寿郎は朔耶の耳元で囁きながら、朔耶の膣に侵入させた指で中を丁寧に解す様に動かした。


杏寿郎が指を動かす度に、朔耶の蜜穴からは愛液がとろとろと溢れ出し、包布に染みを作っていった。


「あっ、んんッ……!
杏、ちゃ……気持ち、いいよぉ……!

もっと、してぇ……!
気持ちよくなりたいのぉ……!」


朔耶は杏寿郎から与えられる快楽に身を任せながら、しかし何処か物足りないといった表情で杏寿郎に懇願した。


そんな朔耶を見つめ、杏寿郎は悪戯っぽく微笑んだ。


「全く、我儘な姫だ……
だが其処も含めて、お前の全てが愛おしい……

朔耶、お前の望むままに──」


杏寿郎は一旦朔耶の蜜穴から指を抜いて上体を起こし、朔耶の両脚を抱え上げると愛液を溢れさせる秘部に顔を埋め、舌で愛撫を始めた。


「………ッ!!
あっ、あぁぁぁぁんッ!!」


朔耶は稲妻に打たれたかの様に背中を仰け反らせ、両手で包布を握り締めた。


杏寿郎は朔耶の秘部全体に隈無く舌を這わせて緊張を解した後、愛液がとめどなく溢れ出る蜜穴に舌を捩じ込ませながら、親指と人差し指でぷっくりと膨らんだ花芽を摘み、力を入れ過ぎない様に注意しながら丁寧に扱き始めた。


「あぁ……!ひぃ……!あぁぁんっ……!」


敏感な部分に絶え間無く与えられる快感に堪えきれず、朔耶は全身を小刻みに震わせていた。


「ん……ふ、はぁ……

ああ……朔耶の蜜は血と同じく、甘美な味がするな……すっかり癖になってしまった……」


杏寿郎は溢れ出る朔耶の愛液を啜りながら、うっとりとした口調でそう言った。


「や……!あぁんっ……!
杏、ちゃぁん……気持ちいいよぉっ……!」


目の端に涙を滲ませながら、仔猫の様な甘く愛らしい声で鳴く朔耶を見上げ、杏寿郎は笑みを浮かべた。


「朔耶、そろそろ一度達しておこう……
さあ、何時もの様に力を抜いて……そう、上手だ……朔耶は良い子だ……」


杏寿郎は朔耶の身体の緊張を解す様に優しく声を掛けると、すっかり解れた蜜穴に指を突き入れ、指先で性感帯を責めながらピクピクと震える花芽をぱくりと口に含み、強く吸い上げた。


「ッ!!ひぃ……!!あぁぁぁっ!!
きょ、ちゃぁ……!イク、イッちゃ……あぁぁぁぁぁッ!!」


敏感な二箇所に、強い刺激を同時に与えられた朔耶は喉を反らしながら潮を吹き、絶頂を迎えた。


朔耶が吹いた潮を顔面に浴びた杏寿郎は上体を起こし、子鹿の様に身体を震わせながら絶頂の余韻に浸っている朔耶を見下ろし、頬に付いた朔耶の潮を親指で拭って舐め取った。


「うむ、今日も上手に達せたな朔耶……偉いぞ。

朔耶……そろそろ俺にも、ご褒美をくれないか?
もう朔耶のナカに入りたくて、堪らない……」


杏寿郎は朔耶の耳元で囁きながら彼女の手を取り、怒張し熱を帯びる自身へと導いて触れさせた。


(ああ……♡熱くて大きい、杏ちゃんのおちんちん……♡
このおちんちんで、私のナカをずんずんして、ぐちゅぐちゅに掻き回して欲しいよぉ……♡)


手から伝わる杏寿郎の熱に腹の奥が疼く感覚を覚えた朔耶は、蕩けた瞳で杏寿郎を見上げた。


「うん……いいよ、杏ちゃん……♡
今日も私のナカで、いっぱい気持ち良くなってね♡」


「ふふ……そうか……
では朔耶、遠慮無く頂こう……♡」


扇情的な表情で自分を誘う朔耶を見、杏寿郎は軽く舌舐りをしながら朔耶の蜜穴に自身を宛てがうと、ゆっくりと沈めていった。


「ひぁぁ……♡あぁぁぁっ♡」


朔耶は杏寿郎の首に両腕を回して彼にしがみつき、自分の中に入り込んで来る愛しい人の質量と熱に歓喜の嬌声を上げた。


「ッ……はぁ……♡
ココもすっかり、俺の形になってしまったな……♡
良く馴染んでいて、俺を締め付けて離さない……♡

朔耶は俺だけの女性(ひと)だ、他の誰にも渡さない……♡」


杏寿郎は朔耶の膣が自身を締め付ける感覚に、すぐにでも射精したくなる感覚を必死に堪えながら、夢中で腰を打ち付けた。


「あぁぁんっ♡
わたしもっ、きょうちゃんしかいらないよぉっ♡
わたしはっ、きょうちゃんだけのものだからぁっ♡
わたしをすきにしていいのはっ、きょうちゃんだけだもんっ♡」


絶え間無く与えられる快楽によりすっかり蕩けた表情になった朔耶は、杏寿郎の首に両腕を回したまま彼の顔を引き寄せ、彼の唇に自分の唇を重ね合わせた。


「ん……♡ふぅ……♡」


「ん……♡朔耶……愛いな……♡」


自分の唇に吸い付く様に口付け、ねっとりと舌を絡ませる朔耶の口付けに応える様に、杏寿郎も朔耶の舌に自分の舌を絡ませ、濃厚な口付けを交わしながら腰を打ち付け続けた。




「んッ♡あぁッ♡
きょう、ちゃん♡すきっ♡だいすきっ♡」


「俺もだ、朔耶……♡愛している♡」




───それから暫く、部屋には二人の甘い声と卑猥な水音が木霊していた。


やがて朔耶の最奥に自身が到達した感覚を感じた杏寿郎は、自身の先端に当たる子宮口を執拗に責め始めた。


「あぁぁっ♡そこイイッ♡そこグリグリされるのしゅきなのぉ♡」


「ああ、分かるぞ朔耶……♡
お前の子壷の入口が、俺の子種を欲しがって、俺に吸い付いて離れようとしない……♡」


「きょう、ちゃん♡
はやくっ、わたしのナカにきょうちゃんのあかちゃんのたね、いっぱいちょうだい♡
はやくほしいのぉっ♡」


「ああ……♡俺も早く、お前のナカに種付けしたい……♡

………ッ!!クる……♡
イクぞ、朔耶……!
俺の熱を、全部受け止めてくれ……!」


杏寿郎は其処で強く腰を打ち付けると、身体を大きく震わせて朔耶の子宮目掛けて射精し、滾る熱を注ぎ込んだ。


「ひぁぁぁぁぁっ♡♡
ああっ♡あついっ♡おなかのなかがあついよぉっ♡」


朔耶は全身をガクガクと震わせながら、自身の胎内を満たしていく杏寿郎の熱に歓喜の声を上げ、彼と共に絶頂を迎えた。


「朔耶……♡今日も気持ち良くなれたな……♡」


杏寿郎は射精し終えると、ゆっくりと自身を引き抜き、朔耶の額に唇を落とした。


「あっ……♡ぅぁぁ……♡」


恍惚とした表情を浮かべる朔耶の蜜穴からは収まりきらなかった杏寿郎の精液がトプトプと溢れ出し、包布の上に滴り落ちていった。






───その翌朝、お約束通り寝過ごした二人だったが、本日非番に入って良いと耀哉からの伝言を要から聞いた二人は、耀哉からの気遣いに感謝しながらゆっくりと休日を過ごしたのだった。






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