このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

短編集










「よォ煉獄!
此処に居るって事は任務終わったのか?」


───或る日の任務明け、鬼殺隊本部に戻り、耀哉へ任務の報告書を届け終えた杏寿郎は廊下を歩いていた時、音柱の宇髄天元に背後から肩を叩かれた。


「おお、宇髄か!
今回の任務も無事に遂行出来たぞ!」


杏寿郎は自分より背が高い天元の顔を見上げると、人懐っこい笑顔を浮かべながら頷いた。


「そうか、んじゃ折角だし外に飯でも食いに行くか?」


「それはいいな!丁度腹が減っていた所だ!」


天元から食事の誘いを受けた杏寿郎は快諾し、天元と並んで街へと繰り出して行った。






「うまい!うまい!」


任務を頑張ったから奢る、と言った天元に連れられてやって来た牛鍋屋にて、杏寿郎は山盛りの白米と牛鍋を交互に食べながらお決まりの如く、美味い美味いと連呼していた。


「しっかしよく食うなァ、煉獄は」


天元は杏寿郎の食べっぷりを眺めながら満足そうに笑い、自分も牛鍋を箸でつついていた。


「そういや煉獄、輝夜月とは最近どうなんだ?」


「朔耶との事か?
朔耶とは相変わらず円満だから安心してくれ!
朔耶の作る飯は美味いし、今回の任務に出る前もたっぷり愛し合ってきたからな!」


天元から自分の許嫁である朔耶との事を訊かれ、杏寿郎は白米をかき込み、咀嚼しながら天元の質問に答え、天元から「飯粒が飛ぶから飲み込んでから喋れ」と注意を受けた。


「仲が良さそうで何よりだ。
……そんな煉獄に、輝夜月ともっと仲良くなれるいいモンをやる」


天元は唇に何処か妖しげな笑みを浮かべながら、懐から無色透明の液体が入った硝子製の小瓶を取り出し、杏寿郎に差し出した。


「宇髄、これは何だ?」


手渡された小瓶をまじまじと眺めながら、杏寿郎は瓶の中身について天元に訊ねた。


「媚薬……所謂惚れ薬ってヤツでな、舶来物の上等品だ。
前の任務先の遊郭でくすねてきたモンだがな。

コレを数滴、出来れば飲み物に垂らして輝夜月に飲ませてみろ。
忽ちに身体が熱くなって、触られるだけで感じるやらしい身体になり、ド派手に盛り上がる事間違い無しだ。

かと言って身体に害は無ェから安心しろ、輝夜月が普段よりやらしくなるだけだから」


「朔耶が、厭らしくなる薬……」


天元の言葉に、杏寿郎は受け取った小瓶を眺めながら想像を巡らせていた。




『杏、ちゃん……♡
身体が熱くて、我慢出来ないのぉ……♡

杏ちゃんのおっきいおちんちん、早くちょうだぁい……♡』




杏寿郎の頭の中には、頬を赤らめ、蕩けた瞳で自分に懇願する朔耶の姿が浮かんでいた。


───先立って朔耶に睡眠薬を盛られ、好き放題に身体を弄ばれた事を思い出した杏寿郎は、ちょっと仕返しをしてやろうと思い付き、天元から受け取った小瓶を懐に入れた。


「そうだな、偶には趣向を凝らしてみるのもいいかも知れん!
夜の営みに刺激はあるに越した事は無いからな!

君の厚意、有難く受け取っておこう!
有難う宇髄!」


「おー、いいって事よ!
使ったら感想聞かせろよ?」


杏寿郎の返事を聞くと、天元はニカッと笑って見せた。






───天元と別れた後、杏寿郎は輝夜月家の屋敷に赴く前に、街で朔耶の好物であるカステラを購入し、その足で輝夜月邸へと向かった。




「ただいま、朔耶!
今戻ったぞ!」


玄関の戸を開け、中に向かって声を掛けると、羽織を脱いだ隊服姿の朔耶が奥から出て来て杏寿郎を出迎えた。


「お帰り、杏ちゃん!
任務お疲れ様、疲れたでしょ?

私は夜から任務だから、干してた洗濯物を片付けてたの」


「そうか、朔耶はこれから任務か!

……任務に行く前に、小腹を満たしていったらどうだ?
朔耶の好きなカステラを買ってきたのでな!」


杏寿郎が片手で持ち上げて見せたカステラの包みを見て、朔耶は顔を輝かせた。


「わぁ、嬉しい!
カステラなんて高級品なのに……有難う、杏ちゃん!

折角だからお茶の時間にしましょ、今お茶淹れるから上がって!」


朔耶は嬉しそうな表情で台所に向かい、杏寿郎は草履を脱いで屋敷に上がると座敷に向かった。


程無くして朔耶が緑茶の入った湯飲み茶碗を持って来ると、杏寿郎はカステラの包みを朔耶に手渡した。


「朔耶、買ってきておいて済まないが、カステラを切り分けてきてくれないか?」


「いいよ、ちょっと待っててね!」


朔耶は快諾すると、鼻歌を歌いながらカステラの包みを持って台所に向かった。


杏寿郎は朔耶がその場から離れた事を確認すると、天元から貰った媚薬の小瓶を懐から取り出し、朔耶の湯飲み茶碗に数滴の媚薬を垂らし入れた。


(これで両成敗だな、朔耶。
……さあ、どんな姿を見せてくれるのか……楽しみだな)




「お待たせ~!
このカステラいい卵使ってるね、綺麗な黄色で美味しそうだよ♪」


それから間も無く、切り分けたカステラが載った皿を二つ持った朔耶が満面の笑顔で座敷に戻って来た。


朔耶は座卓の上に皿を置くと、杏寿郎の隣に座った。


「じゃあ有難く……頂きます♪」


「ああ、存分に食べてくれ!」


朔耶は媚薬が入っているとも知らず、まず緑茶で口内を潤してからカステラを上品な所作で口に運んだ。


「ん~~~!!
上品な甘さでおいっし~~♪
生地も滑らかしっとり~~♪

はぁぁ~~、幸せ~~♡」


「はっはっは、朔耶は美味しそうに食べるから俺も見ていて気持ちがいいぞ!」


うっとりとした表情でカステラを頬張る朔耶を見つめながら、杏寿郎もカステラを齧りつつ緑茶を啜った。


朔耶はカステラと緑茶を交互に口にし、あっという間に平らげてしまった。


「ふー、ご馳走様でした!
有難う杏ちゃん、これで任務頑張れるよ!」


朔耶は行儀良く両手を合わせると、杏寿郎に向かって微笑んで見せた。


「そうか、俺もお前の喜ぶ顔が見られて嬉しいぞ!」


杏寿郎は平静を装いながら、朔耶に微笑み返した。




───すると程無くして、朔耶の瞳がとろんと蕩け、頬に赤みが差してきた。


「あ、あれ……?
何だか頭がクラクラする……身体も熱くなってきた……

熱でも出たのかなぁ……
どうしよう、これから任務なのに……」


朔耶の様子を見て、杏寿郎は唇に微かに笑みを浮かべると、朔耶を気遣った。


「大丈夫か、朔耶?
お前は日頃から任務に家事に精を入れ過ぎているからな、恐らく疲れが出たのだろう。
無理せず休んだ方がいいぞ、朔耶」


杏寿郎は朔耶に休む様諭したが、朔耶は頑なに首を横に振った。


「だ……駄目……
自分に与えられた仕事は……途中放棄する訳にはいかない……

私なら大丈夫、ちょっと休めば良くなるから……」


朔耶はそう言って立ち上がろうとしたが、足に力が入らずすぐに膝を付いてしまった。


「っ……やだ……足に力が入らない……
それに何だか……動悸まで出てきた気がする……」


そう言って胸を押さえ蹲る朔耶の身体を、杏寿郎は軽々と抱き上げた。


「やっ……!杏ちゃん、何するの……!」


「まともに立つ事も出来ない人間に、鬼を斬れる筈が無いだろう。

……朔耶、俺はお前に無理をして欲しくない……
お前が傷付く事は、俺にとっては自分が死ぬ事より辛いんだ。

良い子だから、俺の頼みを聞いてくれないか」


「杏、ちゃん……」


真剣な眼差しで見つめ、懇願してくる杏寿郎に根負けしたのか、朔耶は小さく頷いた。


杏寿郎はそれを見ると微かに笑みを浮かべ、屋根の上に止まっていた睦を呼び寄せた。


「睦、朔耶の体調が思わしく無い。
見た所発熱しており、一人では立つ事もままならん様子だ、これでは任務への着手が不可能と見た。
よって今夜の任務には代理の者を向かわせる様、お館様に言伝を頼む。

───ああ、それと……
朔耶の看病は俺がする事も、併せて伝えて欲しい」


杏寿郎の伝言を受け取った睦は、カァ、と一声鳴くと、木から飛び立っていった。


それを見送った杏寿郎は、朔耶を抱き抱えたまま彼女の私室へと向かった。


「……ごめんね、杏ちゃん……
私……皆に迷惑かけてばっかり……
こんな自分が嫌になる……」


朔耶は悔しさからか目尻に涙を滲ませ、杏寿郎はそれを見て少し罪悪感を感じたが、一度来てしまった以上戻れないと踏ん切りを付け、朔耶を抱き抱えたまま彼女の目尻に口付けた。


「んっ……」


「いい、気にするな。
皆お前の人柄は良く知っている、この位でお前を責める者は鬼殺隊には居ない。

……朔耶は頑張り過ぎなんだ。
取るべき時にきちんと休息を取らないと、何時か本当に倒れてしまうぞ。

それこそ、皆に迷惑を掛けてしまうと思うがな」


「うん……
ごめんね……それから有難う、杏ちゃん……」


杏寿郎からの温かい言葉に、朔耶は涙ぐみながら何度も頷いた。


朔耶の私室に着くと、杏寿郎は仮眠を取る為に敷いてあったであろう布団の上に朔耶の身体をそっと降ろし、横たえた。


「まだ辛いか?」


「っ……大、丈夫……
ちょっと……身体が熱いだけだから……」


唇から悩ましげな吐息を漏らしながら気丈に微笑む朔耶を見、杏寿郎は微かに眉を顰めた。


(この時点で効果は十二分に出ている筈なのに……まだ抗っているのか?

……ならばもう少々、量を増やしてみるか)


杏寿郎は傍らに置いてあった水差しとコップに目を遣ると、朔耶に背を向けて水差しからコップに水を汲んだ。


「……一先ず、水を飲んだ方がいい。
熱が出ているならば水分を摂っておかなければな」


杏寿郎はそう言うと、再び懐から小瓶を取り出してコップの中の水に媚薬を数滴垂らし、朔耶を抱き起こすとコップを彼女に差し出した。


「あ……ありがと、杏ちゃん……」


朔耶は差し出されたコップを受け取ると、ゆっくりと水を飲み干した。


───その様子を、杏寿郎は静かに見守っていた。




「───ッ!?

あ……あぁぁぁっ……!!
あ……つい……!身体が……熱い……!」


暫しの後、朔耶はコップを布団の上に取り落とすと、両腕で自分を抱き締めながら身体を震わせ、杏寿郎の胸に凭れかかった。


(……漸く屈したか……
これならば流石に朔耶も耐え切れまい)


杏寿郎はその様子を見て微かに笑みを浮かべると、朔耶の耳元に唇を寄せた。


「大丈夫か、朔耶?」


「───ひッ!!
あっ、あぁぁんっ♡」


杏寿郎が気遣う様に朔耶の背中を軽く撫でると、朔耶は稲妻に打たれたかの様に身体を仰け反らせ、甘い声を上げた。


(成程……これが宇髄の言っていた効果か……

触れられただけでこの反応……
朔耶には悪いが、これは楽しめそうだ)


朔耶の反応を見、杏寿郎は軽く舌舐りをすると、朔耶の瞳を覗き込んだ。


「朔耶……噂程度に聞いた話だが……最近界隈で、奇妙な病が流行っているらしい。

それは妙齢の女子に、突発的に起こるものでな……
急に身体が熱っぽくなり、身体が疼き出すという症状が出る病らしい。
……症状を見るに、朔耶はこの病に罹っていると言っていいだろう。

この病を治療する方法は現時点ではただ一つ……性交で身体の熱を治めるしか無いらしい。

……俺は朔耶を楽にしてやりたいが……朔耶はどうして欲しい?」


杏寿郎は明らかな出任せを朔耶に言って聞かせたが、朔耶は既に頭が朦朧としているのか、杏寿郎のその嘘を信じ込んでいる様子で、熱に潤んだ瞳で杏寿郎を見上げた。


「やだ……そんな病気、怖い……♡

お願い杏ちゃん、私の病気……治して下さい……♡」


朔耶の返事を聞くと、杏寿郎はその緋色の瞳に情欲の色を浮かべながら、朔耶の頬に手を添えた。


「───仰せのままに、俺の可愛い姫君……」


その言葉の後、杏寿郎は朔耶の唇に自分のそれを重ね、深く甘い口付けを彼女に施した。






「ひゃぅっ♡あぁぁんっ♡
おっぱい気持ちいいよぉっ♡

もっとぺろぺろってして、ちゅうちゅうってしてぇっ♡」


肌蹴た隊服の下から現れた豊満な乳房を、杏寿郎が掌と舌で愛撫する度、朔耶は小刻みに身体を震わせながら甘い声を上げていた。


(ふむ……お強請りの仕方が何時もと違うな、矢鱈積極的になっている……

これもこれで、悪くないな)


杏寿郎は朔耶の乳房を両手で揉みしだきながら、彼女の要望通り、ぴちゃ、ぴちゃ、と厭らしい水音を立てながら乳首を舌で舐めたり、時折ちゅうちゅうと音を立てて乳首に吸い付いていた。


「はぅぅんっ♡あぁぁぁっ♡」


朔耶は杏寿郎の愛撫が嬉しいのか、もじもじと身体を捩らせながら杏寿郎の頭を自分の胸に押し付ける様に抱き込んでいた。


「どうだ、朔耶?
少しは楽になったか?」


杏寿郎は朔耶の乳首を指で摘んで軽く捻りながら、彼女の顔を見上げた。


朔耶は杏寿郎の問いに答える様に頭を擡げ、ふるふると首を横に振った。


「だめ……♡まだ全然足りないのぉ……♡
お股もじんじんして、熱いの……♡

お股も見て、杏ちゃん……♡」


「そうか……分かった。
では股も見せて貰うぞ、朔耶」


朔耶からのお強請りに、杏寿郎は身体を起こすと朔耶のスカートを留めているベルトを外し、スカートを脱がせると彼女の両脚を広げた。


下履きの上からでも分かる程、朔耶の秘部からは蜜が溢れ出しており、下履きをしとどに濡らしていた。


「朔耶……下履きがぐしょぐしょに濡れているぞ?

これでは下履きの意味が無いな……」


杏寿郎はそう言って朔耶の下履きをスルスルと脱がせると、露になった秘部に顔を埋めた。


「あひぃっ♡♡あぁぁんっ♡♡」


杏寿郎の顔が秘部に近付いただけで、朔耶はビクビクと身体を震わせた。


杏寿郎は朔耶の反応を窺いつつ、秘部の割れ目に舌を這わせると、秘部を丹念に愛撫し始めた。


「ひゃぁぁぁぁっ♡♡♡
あぁぁっ♡杏ちゃぁぁっ♡♡」


朔耶は両手で敷布を握り締めながら、痙攣しているかの様に身体を震わせた。


「朔耶……凄い事になっているぞ?
お前の蜜穴から洪水の様に蜜が溢れていて……止まる気配が見られない……

これでは布団を濡らしてしまうから……綺麗にさせて貰うぞ?」


杏寿郎は秘部全体を舌で愛撫した後、両手の指で割れ目を両側に広げ、蜜を溢れさせる蜜穴に唇を寄せて蜜を啜り始めた。


「ひゃぁぁぁぁんっ♡♡
ふあぁぁっ♡あぁぁ~っ♡♡」


部屋にはじゅるじゅる、と蜜を啜る淫靡な水音と、朔耶の卑猥な喘ぎ声が響いていた。


「っ……♡あぁ……甘い……♡
啜っても啜っても溢れてくる……♡

朔耶……♡
もっと、お前の蜜を飲ませてくれ……♡」


杏寿郎は朔耶の蜜の甘さに酔いしれている様子で、うっとりとした表情を浮かべながら溢れ出る蜜を啜り続けた。


「ひゃぅぅぅっ♡♡
あひっ♡はぁぁぁんっ♡♡」


朔耶は杏寿郎に蜜を啜られる度に両脚をビクビクと震わせながら、仔猫の様な甘い声を上げていた。


暫しの後、杏寿郎は朔耶の秘部から顔を上げると、手で口元を拭いながら身体を震わせる朔耶を見下ろした。


「甘美な蜜だったぞ、朔耶……♡

これだけ濡れていれば解す必要もあるまい……

朔耶、挿れるぞ……」


杏寿郎はベルトを緩めてズボンの前を寛げると、上を向いてそそり立つ自身を取り出し、朔耶の蜜穴に先端を宛がった。


「はぅぅんっ♡♡

杏、ちゃぁん……♡
早くちょうだぁい……♡私、もう我慢出来ないのぉ……♡」


朔耶は待ちきれないといった様子で杏寿郎の腰に両脚を絡め、物欲しそうな目をして杏寿郎を見つめた。


「ふ……♡そう焦らずともすぐ挿れてやる……ぞ!」


杏寿郎は両手で朔耶の腰を掴み、宛がった自身を一気に奥まで挿入した。


「~~~~~ッ♡♡♡
あっ♡はぁぁぁぁぁんっ♡♡♡」


ずぷん、という音と共に杏寿郎の男根が自身の中に侵入してきた感覚を覚えた朔耶は、喉を反らして歓喜の嬌声を上げた。


(ッ……朔耶のナカが、溶ける様に熱い……

締め付けも何時もより強い……
解していないのにこの状態とは……これも薬の効果なのか……?)


杏寿郎は朔耶の膣内の熱と締め付け具合が何時もと違う事に気付き、改めて天元から貰った媚薬の効果に内心感嘆しながら、腰を打ち付け始めた。


「あひっ♡♡
あっ♡あぁぁんっ♡♡」


腰を打ち付けられる度、朔耶は豊満な乳房を揺らしながら、喉を反らして厭らしい嬌声を上げていた。


「ッ……朔耶……♡
そんなに締め付けたら……抜けなくなってしまうぞ……♡」


杏寿郎は朔耶の膣が絶えず自身を締め付ける感覚に、射精しそうになるのを必死に堪えながら朔耶の頬に触れた。


朔耶は頬に触れてきた杏寿郎の手を両手で包み込み、その掌を仔犬がする様にチロチロと舐め始めた。


「はぅ……♡いいのっ♡ぬけなくなってもぉ♡
そうしたらわたしときょうちゃん、ずぅっとひとつになっていられるからぁっ♡

わたしっ、きょうちゃんとずぅっとひとつになってたいのぉ♡
それだけきょうちゃんのことがだいすきなのぉ♡♡


きょうちゃん、きょうちゃん……♡♡
いっぱい、わたしのこと……あいして…… ♡」


媚薬の影響なのか、普段は言わない様な愛の言葉を恥じらいも無く口にする朔耶を見た杏寿郎は興奮を抑えきれなくなり、朔耶の身体を抱き締めながら律動を始めた。


「ひぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡」


「朔耶……!
そんなに愛い事を言われたら俺は……お前への想いを止める事は出来ん!

朔耶……朔耶……!
好きだ、愛している……!
世界中の誰より一番に、お前だけを……!
この想いは、言葉だけでは伝え切れん!

朔耶……俺の想いを、お前の全てで受け止めてくれ……!」


それから杏寿郎は、朔耶の唇に自分のそれを重ね、深く濃厚な口付けを交わしながら腰を打ち付けた。


「あぁぁぁっ♡にゃぁぁぁっ♡♡♡
きょうちゃんっ♡きょうちゃぁぁんっ♡♡
もっとぉ♡わたしをっ、めちゃくちゃにしてぇっ♡♡♡」


「ッ……♡朔耶……♡

普段のお前も十分美しいが……こうして乱れるお前はより美しい……
その綺麗な姿を、もっと俺に見せてくれ……♡」


杏寿郎は朔耶の淫靡な姿を見て興奮したのか、彼女の首筋に噛み付く様に口付けた。


「ふにゃぁぁぁぁっ♡♡♡」


媚薬の効果で感覚が敏感になっている朔耶は、自らの身体に杏寿郎が触れる度に身体を震わせていた。


軈て朔耶の膣が自身を一層強く締め付ける感覚を覚えた杏寿郎は、朔耶の瞳を至近距離で見つめた。


「朔耶……お前の一番奥に、出すぞ……♡
もう祝言まで待てない……俺の子を産んでくれ、朔耶……♡」


「はぅぅぅぅんっ♡♡♡
はいっ♡うみましゅぅぅっ♡
きょうちゃんのあかちゃん、うみまひゅからぁぁっ♡♡
わたひのナカにっ、たねつけしてくだひゃぃぃっ♡♡♡」


「ふ……♡お強請りが上手になったな……♡
良い子だ、朔耶……♡」


朔耶の懇願を聞き届けた杏寿郎は、朔耶の身体を抱き締めながら身体を震わせ、子宮目掛けて吐精した。


「あぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡
きょう、ちゃぁぁぁんっ♡♡♡

しゅきっ♡だいしゅきいぃぃっ♡♡♡」


びゅるびゅる、と音を立てながら胎内に精を吐き出された朔耶は杏寿郎の背中にしがみつき、一層甲高い嬌声を上げながら絶頂を迎え果てた。






───翌日。


「よォ煉獄!
アレ試したか?」


鬼殺隊本部に出仕した杏寿郎と廊下で出会した天元は、期待に満ちた笑みを浮かべながら杏寿郎の肩を叩いた。


「ああ!
宇髄、君がくれたあの薬、予想以上に凄い物だった!
少し飲ませただけで、朔耶があられも無い姿を晒してくれたからな、俺も大いに興奮した!

お陰で朔耶と大いに盛り上がる事が出来た、有難う宇髄!」


杏寿郎は振り返って天元に媚薬の感想を伝えると、彼に感謝の意を述べた。


「そうか、満足して貰えたんなら何よりだ。

……因みに煉獄、今度は塗り薬状の媚薬があるんだが試してみるか?」


天元は杏寿郎の言葉に満足そうに頷くと、懐から軟膏状の媚薬が入った小さな貝殻の入れ物を取り出して見せた。


「それもいいな!是非試させ───」


「おい其処のバカ二人」


杏寿郎が嬉々とした表情で天元の差し出した媚薬を受け取ろうとしたその時、二人の背後から低い声が聞こえて来た。


聞き覚えのある声に、杏寿郎と天元は冷や汗をかきながら背後を振り返ると、其処には凄まじい殺気を放ちながら仁王立ちで立っている朔耶の姿があった。


「さ……朔耶……居たのか……」


「よ、よォ輝夜月……居るなら居るって言えよ……」


杏寿郎と天元は引き攣った笑顔を浮かべていたが、朔耶は意に介した様子も無く、無言で天元の手から媚薬の入った貝殻を引っ手繰ると、無表情でそれを握り潰した。


『ああああああああ!!』


朔耶の容赦無い制裁に、杏寿郎と天元は悲鳴を上げた。


「お前らちょっと話あるからツラ貸せ」


朔耶は媚薬が付着した掌を懐から取り出した手巾で拭うと、杏寿郎と天元の耳を片方ずつ引っ張って二人を引き摺って行った。


「いでででででッ!!
輝夜月!悪かったって!悪かったから耳引っ張んなって!耳千切れる!!」


「痛いぞ朔耶!
昨日はお前も喜んでくれていただろう、それにお前だって俺に睡眠薬を盛っただろうに、不条理だ!」


「黙れド派手バカ、さつまいもバカ。
お前らの所為で昨日大事な任務に穴空けちまっただろうがよ、その落とし前もキッチリ付けて貰うから覚悟しとけよ」


天元と杏寿郎は朔耶に耳を引っ張られながら朔耶に訴えかけたが、朔耶は振り返って二人を睨み付けた。


朔耶の眼光に射すくめられた二人は「……すみませんでした……」と言ったきり閉口し、大人しく朔耶に引き摺られて行った。




───その後、杏寿郎と天元は正座させられながら鬼の形相の朔耶から拳骨を喰らい、三時間にわたりみっちり説教を受けた後、朔耶は天元に自分の任務の穴埋めを命じ、杏寿郎には一ヶ月の禁欲令を出したのだった。







15/17ページ
スキ