短編集













『今日も父上に稽古して貰って、いい汗をかいた!
朔耶!一緒に風呂に入ろう!』


『うん!私杏ちゃんの背中流してあげる!
千君も一緒に入ろ!』


『は……はい!朔耶さん!』




───幼い頃、杏ちゃん達と一緒に、槇寿郎おじ様に稽古をつけて貰った後は、杏ちゃんと千君と私の三人でお風呂に入るのが日課だった。


当時は子供だったから、異性間の裸の付き合いというものには全く抵抗が無く、三人で湯浴みを楽しんでいたが、私は初潮と思春期を迎えた頃から三人での入浴に抵抗を覚え、杏ちゃんがお風呂に誘ってきても丁重にお断りする様になった。


杏ちゃんも私の気持ちを察してくれたのか、一度私に断られて以降は一切お風呂に誘わなくなった。




───のだが。




「朔耶!一緒に風呂に入るぞ!」


「はいはい、茶碗洗い終わったら行くから先準備してて」




その日も私の屋敷に来て夕飯を平らげた杏ちゃんは、台所で洗い物をしている私に向かって何時もの様に湯浴みの誘いをしてきていた。


私はそんな杏ちゃんに、洗い桶の中の茶碗や箸を洗いながら、先に準備しておく様にお願いすると、杏ちゃんは『相分かった!』と返事をして着替えの準備に向かった。




十六歳の時に身体を重ねてから、『もう裸を見てるから今更恥ずかしがる事は無い』と私と杏ちゃんはお互いに何処か吹っ切れてしまい、また昔の様に一緒に湯浴みをする様になった。


───しかし私には、杏ちゃんとの湯浴みに関して、何時まで経っても慣れない事がある。




食器洗いを終えた私は、台所の片付けを済ませた後に前掛けで手を拭きながら自室に向かい、着替えの寝巻きと手巾を用意してからお風呂場に向かい、脱衣所の戸を開けた。


自慢では無いが、我が家のお風呂場は一般家庭のそれよりは広く、ちょっとした大人数でも収容出来る程の広さがある。


その為、脱衣所もそれなりの広さがあり、一度に四~五人入っても差し支え無いのだ。




「おお朔耶、洗い物は終わったのか?
俺も丁度今来た所だ!」


脱衣所の戸を開けると、先に杏ちゃんが居て、隊服を脱いでいる所に出くわした。


(……杏ちゃんの裸は、何度見ても慣れないなぁ……)


脱いだ隊服の下からは、程良く筋肉が付いた逞しい両腕と広い胸板、そして六つに割れた腹筋がお目見えし、私は気恥ずかしくなって僅かに視線を外した。


───幼い頃は互いの体付きにはさして違いも無かったのに、杏ちゃんの身体には私の知らない間に筋肉が付き、男性らしく逞しい体付きに変貌を遂げていた事が私にとっては眩しく、これまでに何度も情事を重ねているにも関わらず、私は未だに杏ちゃんの裸を直視する事に対して慣れられていない。


「う……うん!
遅くなってごめんね、私も今準備するから!」


私は取り繕う様に杏ちゃんに笑って見せると、籠の中に着替えと手巾を置き、髪を結い上げて後頭部で纏めてから着物を脱ぎ始めた。






───朔耶が隣で着物を脱ぐ様子を、いけないとは知りつつも俺は横目で盗み見てしまっていた。


着物の下からは、陶器の様に滑らかで、真珠の様に白く細い肩が露わになり、次いでその華奢な身体には似つかわしく無い大きさの乳房と、抱けば簡単に折れてしまいそうな細さの腰、そして桃の果実の様にふっくらとして可愛らしい尻と其処からすらっと伸びる細い両脚が現れた。


幼い頃は胸も尻も平坦で、昔の俺の体付きとさして変わらなかったが、俺の知らない間に朔耶の身体は丸みを帯びて女子らしい体付きになっており、大切な部分は俺を受け入れられる程に熟し、彼女の身体が子を為せる様になったのだと改めて実感させられ、同時に男女の身体の違いを再認識した。


朔耶の裸体を見ていると、この場でこのまま、朔耶の柔らかい尻を鷲掴みにし、熟れた蕾に自身を突き入れたい衝動に駆られたが、すぐに我に返った俺は自分の堪え性の無さを恥じ、視線を元に戻すと籠の中に置いてあった手巾を手に取った。


「朔耶、俺は先に入っているからな!」


俺はそれだけ言い残すと、先に風呂場に向かい、浴槽から手桶に湯を汲むと、頭から湯を被り頭を振った。


(俺はどうして、朔耶を見ているとすぐに抱きたくなってしまうのだ……

朔耶は優しいから、俺を拒む事はしないが内心では嫌がっているかも知れん……

これ以上俺の一方的な想いをぶつけていては朔耶に嫌われてしまう……それだけは耐え難い!
これからは自重出来る様、己の欲求を抑制する様にしよう!
うむ、そうしよう!)


俺は自分にそう言い聞かせると、自分を鼓舞する様に両手で頬を叩いた。




「杏ちゃん?どうしたの?」


その声に振り返ると、朔耶が長く垂らした手巾で前を隠しながら風呂場に入って来る所だった。


───風呂の熱気だろうか、心無しか朔耶の頬が赤みを差している様に見えた。


「お湯に浸かる前に、背中流してあげるね。
杏ちゃん、座って?」


朔耶はそう言って何処か照れ臭そうに微笑むと、俺に座る様促した。


「あ……ああ!
済まんな朔耶、頼むぞ!」


俺は動揺を悟られまいと必死に平静を装いながら、朔耶が勧めてくれた椅子に腰掛けた。


その間にも朔耶は桶に張った湯に手巾を浸し、石鹸を付けて泡立てている様子だった。




───私は杏ちゃんの背中を洗う為、石鹸で泡立てた手巾を持ち、杏ちゃんの背中に視線を移した。


杏ちゃんの背中は、幼い頃に比べて大分広くなり、均整が取れた筋肉が付いていてとても逞しく、私は思わず杏ちゃんの背中に見蕩れてしまっていた。


(……杏ちゃんの背中、こうしてお風呂に入る時にもう何度も見てる筈なのに……やっぱり慣れないなぁ、見てるとドキドキしちゃう……

杏ちゃんはもう、昔みたいな可愛らしい男の子じゃなくて、私の婚約者である、大人の男の人なんだって思い知らされるから……)


───気付けば私は、杏ちゃんの背中を掌で撫でていた。


「………?
朔耶、どうしたんだ?」


杏ちゃんはそんな私を振り返って不思議そうな顔で見たけれど、私は構わず杏ちゃんの背中を撫でた。


「……杏ちゃんは、何時しか私より背も高くなって、声変わりもして、身体には筋肉も付いて……

嘗て私と体格も声も変わらなかった杏ちゃんの身体が、私とは違う成長をしていく事が、私には眩しくて……
だから私、湯浴みの時や閨事の時、何時も杏ちゃんの身体を直視出来なかったの……
杏ちゃんの逞しい身体を見ていると、胸がドキドキしちゃって……

……ごめんね杏ちゃん、男性でも女性でも、成長する事に変わりは無いのにね……」


私はそう言った後、思わず苦笑いを零した。


「朔耶……」




───朔耶の口から語られた想いを聞いた俺は、申し訳無さそうな笑顔を浮かべる朔耶を見つめながら、胸の内に愛おしい気持ちが込み上げてくるのを感じていた。


気付けば俺は身体を朔耶の方へ向け、両手で彼女の肩を掴んでいた。


「杏、ちゃん……?」


驚いて目を見開く朔耶の口を塞ぐ様に、俺は彼女の唇に自分のそれを重ねていた。


「んっ……んぅ……」


突然の接吻にも、朔耶は嫌な顔一つせず、俺からの接吻を受け入れてくれていた。


俺はそんな朔耶の姿に愛おしさを抑えきれず、唇の隙間から舌を差し入れ、口付けを深くしていった。


「ん……朔耶……」


「はぁ……っ……んぅ……」




暫しの接吻の後、俺はゆっくりと唇を離すと、頬を赤らめ蕩けた表情をしている朔耶の頬に触れた。


「朔耶……そう思っていたのは俺も同じだ。

朔耶も、歳を重ねる毎に身体付きが女子らしく丸みを帯びてきて……初めてお前と身体を重ねた時、俺の目にはお前の身体が眩しく映った。

以来、朔耶の身体を見る度、すぐにお前を抱きたいという衝動に駆られる様になり……己の浅ましさを嫌悪する様になったんだ。

朔耶、お前は優しいから何時も俺を拒まず受け入れてくれているが……内心では四六時中獣の様にお前を求める俺を嫌だと思っていないか?

もし嫌だったなら無理せずにすぐに言っ──」




───其処まで言った所で、俺の頬が乾いた音を立て、次いで頬にじんわりと痛みが広がっていくのを感じた。


朔耶に頬を張られたのだと理解するまで、少し時間が掛かった。


「朔、耶……?」


「……嫌だったら、ですって……?
馬鹿にしないで、杏ちゃん。

もし本当に嫌だったなら最初からこうしてお風呂も入ってないし、身体だって許してない。

私は杏ちゃんただ一人を想ってるから、杏ちゃんになら何をされてもいいって前にも言ったでしょ?

だから杏ちゃんが何時も私を求めてくれる事は、私にとっては嫌な事なんかじゃない。
……凄く嬉しくて、何より幸せな事なの」


朔耶は其処まで言うと、自分の腹部に掌を当てた。


「……私ね、初めて月のものが来た時、このまま死んじゃうんじゃないかって凄く怖かったけど……杏ちゃんと初めて身体を重ねた時、月のものが来た事の意味を理解したの。

──杏ちゃんと愛し合う為、杏ちゃんとの子供を産める様になる為に、私の身体は大人になったんだって……
その瞬間に、今までの不安が無くなって、逆に嬉しくなったよ。

だから杏ちゃん……私の身体を見たり触れたりする事に、抵抗を覚えなくていいんだよ?
他でも無い私自身がこう言ってるんだから……杏ちゃんがしたい時に、私に触れて欲しいな……」


朔耶はそう言って微笑むと、俺の手を取り、自分の乳房に導いた。


そんな朔耶の姿を見、俺も朔耶に自分の身体に触れて欲しいという思いが湧き上がり、俺は朔耶がした様に彼女の手を取り、自分の胸に導いた。


「杏、ちゃん……?」


「朔耶……俺ばかりお前に触れていては不平等だから、お前にも俺の身体に触れて欲しい……

俺の全ては、髪の毛一筋に至るまでお前のものだから……どうか恥ずかしがらずに見て、触れて欲しいんだ。

そうしてくれると、俺は嬉しい……」


俺は自分の率直な想いを、朔耶の瞳を真っ直ぐに見つめて伝えた。


「杏ちゃん……」




杏ちゃんの想いを聞いた私は、頬を赤らめながら小さく頷き、杏ちゃんの胸板をそっと掌で撫でた。


「わぁ……改めて触ってみたけど、凄い筋肉……
杏ちゃん、何時も鍛錬頑張ってるもんね」


掌から伝わる杏ちゃんの筋肉の質感に、私は思わず感嘆の溜息を洩らしながら、次いで二の腕や腹筋にも触れていった。


「ああ、全ての鬼をこの手で滅する為……そして愛するお前を護る為に、日々鍛錬に励んでいるからな!」


私の言葉を聞いた杏ちゃんは人懐っこい笑みを浮かべながら、私の胸をやわやわと揉み始めた。


「きゃ……!くすぐったい……!」


「何時も触れているから忘れがちだが……朔耶の胸も、女子らしく柔らかくて、そして大きいな!

昔はこんなに大きくなかったのにな……朔耶の成長を感じるぞ!」


「きょ、杏ちゃん……!
恥ずかしいからあまり言わな……あんっ♡」


杏ちゃんに胸を揉まれるのが気持ち良くて、つい私は甘い声を出してしまった。


私の声を聞くなり、杏ちゃんは意地の悪そうな笑みを浮かべると、私の背後に回って私の身体を自分の膝の上に座らせると、傍らに置いてあった石鹸を手に取り、それを掌の上で泡立てた。


「朔耶には何時も背中を流して貰ってるからな、今日は俺が朔耶の身体を洗ってやろうな」


そう言うと杏ちゃんは石鹸の泡を纏った手を私の両脇から差し入れ、そのまま私の胸をやわやわと揉みしだき始めた。


「ひぁ……♡」


胸から伝わる石鹸の泡のぬるついた感触と杏ちゃんの掌の感触が気持ち良くて、私は再び嬌声を上げた。


「今日も沢山汗をかいただろう?
俺が朔耶の身体を綺麗にしてやろうな」


杏ちゃんは私の耳元で囁きながら、私の胸を厭らしい手付きで揉みしだいたり、固くなった乳首を指で摘んでクリクリと弄ったりしていた。


「やんっ♡
きょ、ちゃぁ……♡もぉ……おっぱいばっかり……♡」


私の声を聞いてか、杏ちゃんは其処で私の胸への愛撫を止めると、私の両脚を抱えて開脚させ、露になった秘部に右手を伸ばした。


「や……♡杏ちゃ……♡」


「そうだな、乳房だけで無く、此方も洗わなければな!」


杏ちゃんはそう言って私の秘部の割れ目に指を這わせると、反応し始めている私の花芽を親指と人差し指で扱き始めた。


「ひぁぁぁっ♡♡
やっ♡そこらめぇぇ♡♡」


敏感な部分を扱かれた私は耐え切れず、身体を震わせながら厭らしい嬌声を上げた。


「駄目では無く、善いの間違いだろう?
嘘を吐くとは……朔耶は悪い子だな?
自分に正直になれるまで、こうしてやろうな♡」


杏ちゃんは意地の悪そうな笑みを浮かべながら、片手で私の花芽を愛撫しつつ、もう片方の手を伸ばすと私の蜜穴に人差し指を沈め、内壁を擦る様に動かし始めた。


「ひゃうぅっ♡くぅぅんっ♡」


私は杏ちゃんの手から絶えず与えられる快楽に、段々と思考がぼやけていくのを感じていた。




───私がこうなる事も、全て杏ちゃんの考えの範疇。


杏ちゃんは私が自分に従順である事を知っているから。


私が一度でも「嫌」とか「駄目」と言えば、私の口から「気持ちいい」という言葉が出るまで愛撫を続け、責め立てる。


私はそんな杏ちゃんの手法を嫌がるどころか、期待するかの様にわざと「嫌」、「駄目」と口にしてしまう。


そうなる様に私の身体を調教したのは、他でも無い杏ちゃん。


だけど、私は少しも嫌だと思っていない。


大好きな人に、自分に丁度良い身体になる様に躾られる事は、私にとって至上の喜びなのだから。




───そう考えている辺り、私は相当の変態なのかも知れないが、杏ちゃんの前ではそんな思考は瑣末な事に過ぎない。


私が獣の様にはしたなく喘ぎ、痴態を晒すのは杏ちゃんただ一人であるのだから。




───そして今日も私は、愛する杏ちゃんの手によって、雌に堕とされる。






「ひゃうぅぅぅんっ♡♡♡
き、きもひいいれすぅ♡♡
おんなのこのおちんちんくりくりされて、おまんこぐちゅぐちゅされてきもひいいれすぅぅっ♡♡♡」






───朔耶が喉を反らしながら甲高い嬌声を上げる様を見、俺は胸の内にこの上無い悦びが込み上げてくるのを感じていた。




朔耶は何時も俺に従順で、俺の望む事を為そうと健気に努めてくれている。


情事の最中に否定の言葉を口にするのも、俺の気を引く為にわざとしている事だと知っているから、俺も朔耶の望む様に快楽を与え続けている。


───そうしている内に何時しか、朔耶の身体は俺好みの厭らしい身体に仕上がっていた。


初めは性知識の欠片も知らぬ無垢な少女だった朔耶が、俺の手により純潔を散らされ、快楽に従順な雌に堕ちていく過程を見てきたからか、朔耶への愛しさは益々大きくなるばかりだった。




───傍から見たら俺のこの気持ちは、朔耶への傾倒した支配欲と独占欲でしか無いだろうが、朔耶がそんな俺の気持ちを否定せず、ありのまま受け入れてくれているのだから、周りにどう謗られようとも関係は無い。


俺も朔耶も、互いを想い愛し合っているのだから。






耐え切れなくなったのか、朔耶は風呂場の床に座り、俺に向けて両脚を広げると、左手の指で蕾を押し広げ、厭らしく蠢く蜜穴を俺に見せつけた。


「きょう、ちゃん……♡
さくやのスケベなおまんこに、きょうちゃんのふとくておっきいおちんちんをください……♡

さくや、もうがまんできないのぉ……♡
がまんできないわるいこだけど、おねがいします……♡」


蕩けた表情でお強請りをする朔耶の口調は幼子の様に稚拙だったが、俺は朔耶のこの扇情的な表情と舌足らずな口調に性的興奮を掻き立てられてしまう。


普段は物腰柔らかく、清楚な女子として振舞っている朔耶が、俺だけに本能を剥き出した厭らしい姿を曝け出しているという背徳的な事実が背景にあるからだろう。




「ああ……♡いいぞ、朔耶♡
朔耶は悪い子では無い……俺の望む姿を見せてくれる良い子だ♡」


既に限界を迎えていた俺は、朔耶の両脚を抱え上げると、蜜穴に滾る自身を突き入れた。


「ひあぁぁぁっ♡♡♡
あっ♡あぁぁっ♡♡きょうちゃぁぁ♡♡」


番った瞬間、朔耶は待ち侘びていたかの様に俺の首に両腕を、俺の腰に両脚を絡ませて身体を密着させてきた。


朔耶の膣も、挿入った途端に俺自身を離すまいと締め付け始め、俺はその感覚に心地良さを感じながら律動を始めた。


「あっ♡あぁぁっ♡♡
きょ、ちゃぁぁ♡♡」


俺が腰を打ち付ける度、朔耶は甘い声で鳴きながら俺の背中にしがみつき、もっともっとと強請る様に自分も腰を揺り動かしていた。


「ッ……♡朔耶……♡
愛い、愛いなぁ……♡」


俺は朔耶の仕草の一つ一つが愛おしく、彼女に強請られるがままに腰を打ち付けながら愛らしい唇に自分のそれを重ねた。


「んっ♡んぅ、ふぅ……♡
きょぉ、ちゃぁ……♡」


「ん……♡朔耶、愛している……♡」


「あぅ……♡わたひも、きょうちゃんのこと、あいひてりゅぅ……♡」


互いに舌を絡ませ、濃厚な口付けを交わしながら、俺達は愛の言葉を交わし合った。




「あっ♡イイっ♡
そこグリグリされるのしゅきぃっ♡♡」


自身の先端で性感帯を刺激してやれば、朔耶は嬉しそうに淫らな声で喘ぐ。


「ひゃうぅぅんっ♡♡
おっぱいきもひいいよぉっ♡♡」


ぷっくりと膨らんだ乳首を舐め、吸ってやっても朔耶は同じ様に、快楽に従順な雌の顔をして喘ぐ。




───全て、俺の望む反応だ。




すれ違っていたとばかり思っていた想いが同じであった事を知った瞬間、俺の理性は音を立てて崩れ去った。




───もう、他人行儀に遠慮等する必要は無いのだ。




朔耶の全てを俺の全てで染め上げ、支配し、俺でしか感じられなくなり、俺の事以外何も考えられない様にしてやりたいという欲望に蓋をする必要は、もう無いのだ。




───こんな俺の欲望を、朔耶は持てる全てで受け止めると肯定してくれたのだから。




これを否定する事はそれ即ち、朔耶の願いを拒むも同じ事なのだから。




ならば俺は、朔耶の望みであり、俺の望みでもある事を成し遂げるまで。




それが、男である俺が払う朔耶への礼儀だ。






「ッ……!イクぞ、朔耶……!
俺の想いを、受け止めてくれ……!」


絶頂が近い事を感じた俺は、自身の先端を朔耶の子宮口に埋め、身体を震わせながら精を彼女の子宮目掛けて注ぎ込んだ。


「ひっ♡あぁぁぁぁぁっ♡♡♡
イクっ♡さくやもイきまひゅうぅぅ♡♡
あぁぁぁぁぁんっ♡♡♡」


俺が達すると同時に、朔耶も絶頂を迎えた様子で、身体を仰け反らせながら一層甲高い嬌声を上げて果てた。










「ふぅ……
気持ち良かったね、杏ちゃん」


───風呂場での熱く濃密な情事の後、俺と朔耶は湯船に浸かり、身体を温めていた。


「うむ、お前も俺と同じ想いでいてくれたお陰で、変な遠慮をする必要が無くなったからな!

本当に有難う、朔耶!
お陰で憑き物が取れた様な心地だ!」


俺は朔耶の身体を背中から抱き締めながら、彼女に心から感謝の意を述べた。


すると朔耶は俺の方を振り返り、嬉しそうな笑顔を浮かべて見せた。


「ふふ……当たり前の事だからお礼なんて要らないよ、杏ちゃん。

私は、杏ちゃんのお嫁さんになる為に生まれてきたんだから……

私も、大好きな杏ちゃんと一つになっていたいの……
心も身体も蕩けちゃうまで、何時までも……

だから杏ちゃん、私の事……ずっとずっと、愛していてね?
余所見しちゃ、嫌だからね?」


朔耶の蠱惑的な微笑みと囁きに、俺は内側で再び情欲が首を擡げ始めるのを感じ、朔耶の頬に手を添えた。


「余所見等するものか。
俺には朔耶だけだし、朔耶以外の女子となど考えられん。

俺が愛しているのは朔耶、今も昔もお前ただ一人だ。

……これでも疑うならば寝所で続きをしような、朔耶♡」


「はい、杏ちゃん♡」




───その後、俺達は風呂から上がってすぐ、布団の上で朝になるまで交合ったのだった。






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