第十五章 複雑な心境
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「リビング行った方がええ?」
「ううん、ここでいい」
「んじゃ、お邪魔します」
光晴はベッドに、陸は机の椅子にそれぞれ腰掛けて向かい合った。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………光晴」
「ん?」
「昨日、神無ちゃんが私の部屋に来て……聞いた。神無ちゃん木籐が気になるんだって。光晴、フラれたんだね」
「う゛っ……直球やな」
「ねえ……光晴、子ども欲しい?」
「へっ」
予想だにしなかった質問に、光晴は頓狂な声を上げる。
「欲しいよね。そのための花嫁だもん。いくら麗二先生の診断って言っても、万が一……いや、億が一くらいの確率でミスするかもしれない。だったらやっぱり、子どもつくれる花嫁の方がいいよね」
俯いて、陸は光晴の答えを待たずに話し続けた。
「――正直、子どもは欲しい」
「……うん」
「でもそれは、誰の子でもええっちゅーわけやないんや。陸との子どもが出来るなら……今でも、それがいちばん望ましい」
「え」
俯いていた顔をぱっと上げる。
「当ったり前じゃ! 今回のことは俺が悪かったて本気で思っとる! 本当にすまんかった! だから、これ以上逃げんといて。これじゃ、俺が陸のこと捨てたみたいや」
「ちがう、の? だって、神無ちゃんが好きだって……」
「違うで! 断じて違う!! 神無ちゃんのことはそら……言い訳せんけど、これだけは言わせてもらう! 俺が一等好きなんは陸や!!」
「っ……!」
大胆な告白を受けて、陸は思わず赤面する。
「もうないんやろうけど。陸も、神無ちゃんも、同じ花嫁に――ってことも考え 「いや!」
光晴の言葉を遮って、声を張り上げる。
「神無ちゃんのことは好きだけど、でも……二人いっしょの花嫁はいやだよ! 光晴の花嫁は私でしょう?!」