第十四章 咲いた妖花
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翌日・2年8組ーー
「ふーん? じゃあ神無さんとあっさり仲直りしたんだ」
「あっさりって何。別に神無ちゃんとはケンカなんてしてないし」
昨晩、神無と別れた後に皆が帰ってきたことを杏にメールで伝えていた陸は、翌朝から神無とのことを洗いざらい報告させられていた。
「まぁそれはいいとして。まだ士都麻先輩とは何も話してないのに学校来て大丈夫なの?」
「半分は杏が呼び出したみたいなものでしょ」
「怒んないでよ。私は陸が来て嬉しいけど、なんでかなって」
「光晴たちと同時に、郡司たち庇護翼も帰ってきたみたいでさ。事情は二人とも知っててくれるし、平気かなって。……授業もこれ以上遅れたくないし」
「なるほど。――あれだよね、いざとなったら森園くんに守ってもらえばいいんだよね!」
「いやダメでしょ」
びしっ、と杏の頭をノートの角で小突く。
「痛った! なんで?森園くんって庇護翼なんでしょ?」
「水羽のね。……だから、水羽の刻印のある神無ちゃんは守る対象だけど、私は関係ないの」
「へー」
「でも、そばにいたら守るよ?」
「わっ!」
「森園くん!!」
突如会話に入ってきた声に驚いた陸と杏の椅子が鳴る。
「あ、ごめん。僕たちのこと話してるみたいだったからつい」
「えっと、三浦さんは花嫁じゃない……よね?」
「うん、私は違う。陸から事情聞きかじってるだけ」
「さっきの――守る、守らないって話だけどさ。肉声が届く距離にいて放っておくってことはないよ」
「そうそう! 全然交流のない花嫁なら別だけど、神楽さんはそうじゃないし」
「……ふふ、ありがとう」
その言葉が純粋に嬉しかった陸は、二人に微笑んでお礼を言う。
「だいたい、見て見ぬフリなんてしようものなら水羽だけじゃなく郡司と透にもシバかれるよ!」
「説教を含めるなら三翼もだし、それに佐原さんも……!」
「そうだよ!」
「うん!」
「「…………」」
話がズレ始めていることに気付いているのか、いないのか。
「……ねぇ、これ何の話?」
「うーん、さぁ……?」
(私でも守ってくれるって言ったのはきっと、本心なんだろうけど、なんか複雑な気分になってきたな……)
脱線した会話を続ける双子に、陸は小さく溜息を吐いた。
「ふーん? じゃあ神無さんとあっさり仲直りしたんだ」
「あっさりって何。別に神無ちゃんとはケンカなんてしてないし」
昨晩、神無と別れた後に皆が帰ってきたことを杏にメールで伝えていた陸は、翌朝から神無とのことを洗いざらい報告させられていた。
「まぁそれはいいとして。まだ士都麻先輩とは何も話してないのに学校来て大丈夫なの?」
「半分は杏が呼び出したみたいなものでしょ」
「怒んないでよ。私は陸が来て嬉しいけど、なんでかなって」
「光晴たちと同時に、郡司たち庇護翼も帰ってきたみたいでさ。事情は二人とも知っててくれるし、平気かなって。……授業もこれ以上遅れたくないし」
「なるほど。――あれだよね、いざとなったら森園くんに守ってもらえばいいんだよね!」
「いやダメでしょ」
びしっ、と杏の頭をノートの角で小突く。
「痛った! なんで?森園くんって庇護翼なんでしょ?」
「水羽のね。……だから、水羽の刻印のある神無ちゃんは守る対象だけど、私は関係ないの」
「へー」
「でも、そばにいたら守るよ?」
「わっ!」
「森園くん!!」
突如会話に入ってきた声に驚いた陸と杏の椅子が鳴る。
「あ、ごめん。僕たちのこと話してるみたいだったからつい」
「えっと、三浦さんは花嫁じゃない……よね?」
「うん、私は違う。陸から事情聞きかじってるだけ」
「さっきの――守る、守らないって話だけどさ。肉声が届く距離にいて放っておくってことはないよ」
「そうそう! 全然交流のない花嫁なら別だけど、神楽さんはそうじゃないし」
「……ふふ、ありがとう」
その言葉が純粋に嬉しかった陸は、二人に微笑んでお礼を言う。
「だいたい、見て見ぬフリなんてしようものなら水羽だけじゃなく郡司と透にもシバかれるよ!」
「説教を含めるなら三翼もだし、それに佐原さんも……!」
「そうだよ!」
「うん!」
「「…………」」
話がズレ始めていることに気付いているのか、いないのか。
「……ねぇ、これ何の話?」
「うーん、さぁ……?」
(私でも守ってくれるって言ったのはきっと、本心なんだろうけど、なんか複雑な気分になってきたな……)
脱線した会話を続ける双子に、陸は小さく溜息を吐いた。