第十四章 咲いた妖花
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ピン、ポーン――
「はーい、誰?」
控え目に鳴らされた呼び鈴を聞いて玄関へ出て行くと、インターホンから更に控え目な声が聞こえてきた。
「<あの、朝霧です>」
「神無ちゃん?」
鍵を開けてすぐに部屋に神無を招き入れる。部屋に来たということは何か用があるのだと陸は踏んでいたが、神無は何かを躊躇うかのようになかなか話を始めない。
「神無ちゃん。どうかしたの? 生家で何かあった?」
「……あの、私……華鬼のことが、気になるんです」
「え?」
「どうしてなのかはわかりません。でも……」
「ちょっと待った! 神無ちゃん。えっと、木籐のことが気になるって……つまり?」
「あ……の、えっと、士都麻先輩の……ことで」
「!」
――これで合点がいった。神無が突然、何故自分の部屋を訪ねたのか。
「……ごめん、心配かけちゃったね」
「そんな……!」
「ありがとう。でも大丈夫だよ、神無ちゃんを恨む気持ちなんてないから」
その言葉に、神無はふるふると頭を振る。
「そうじゃありません。……私、陸さんには幸せに、なってもらいたくて」
「――神無ちゃん、本っ当いい子だよね。光晴が好きになるのもわかる。きゅんときた」
「えっ」
(ほんと……なんで木籐は、神無ちゃんをちゃんと見てあげないのかな)
ぼっ、と顔を赤くする神無を見て、陸は彼女のことを益々愛しく思う。
「お世辞じゃないよ。だって、私は神無ちゃんに嫉妬してたんだもん。――出会った日に神無ちゃんの味方になるって言って、誰を選んでも応援するつもりだった。……でも、光晴を選んだらって思って……不安で」
「陸さん……すみませ、」
「謝らないで? 神無ちゃんはなにも悪くない。ただ、光晴のことはもう少しかかるかな」
「はい……」
そう言って苦笑する。
神無に光晴への気持ちがなくとも、光晴にはあるのだ。知らなかったことにはもうできない。
「はーい、誰?」
控え目に鳴らされた呼び鈴を聞いて玄関へ出て行くと、インターホンから更に控え目な声が聞こえてきた。
「<あの、朝霧です>」
「神無ちゃん?」
鍵を開けてすぐに部屋に神無を招き入れる。部屋に来たということは何か用があるのだと陸は踏んでいたが、神無は何かを躊躇うかのようになかなか話を始めない。
「神無ちゃん。どうかしたの? 生家で何かあった?」
「……あの、私……華鬼のことが、気になるんです」
「え?」
「どうしてなのかはわかりません。でも……」
「ちょっと待った! 神無ちゃん。えっと、木籐のことが気になるって……つまり?」
「あ……の、えっと、士都麻先輩の……ことで」
「!」
――これで合点がいった。神無が突然、何故自分の部屋を訪ねたのか。
「……ごめん、心配かけちゃったね」
「そんな……!」
「ありがとう。でも大丈夫だよ、神無ちゃんを恨む気持ちなんてないから」
その言葉に、神無はふるふると頭を振る。
「そうじゃありません。……私、陸さんには幸せに、なってもらいたくて」
「――神無ちゃん、本っ当いい子だよね。光晴が好きになるのもわかる。きゅんときた」
「えっ」
(ほんと……なんで木籐は、神無ちゃんをちゃんと見てあげないのかな)
ぼっ、と顔を赤くする神無を見て、陸は彼女のことを益々愛しく思う。
「お世辞じゃないよ。だって、私は神無ちゃんに嫉妬してたんだもん。――出会った日に神無ちゃんの味方になるって言って、誰を選んでも応援するつもりだった。……でも、光晴を選んだらって思って……不安で」
「陸さん……すみませ、」
「謝らないで? 神無ちゃんはなにも悪くない。ただ、光晴のことはもう少しかかるかな」
「はい……」
そう言って苦笑する。
神無に光晴への気持ちがなくとも、光晴にはあるのだ。知らなかったことにはもうできない。