第二十七章 檻の崩壊
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その声は、まごうことなく。
「陸!! どこにおる?!」
「なっ?!」
「まさか!」
光晴は一言も聞き逃さぬよう、携帯を耳へ張り付ける。水羽と透の驚愕の声も今は聞こえない。
「<ごめんなさい……もう、会えない。今までありがとう。……愛して、いました>」
ブツッ、ツー、ツー、ツー……
「…………」
『いまどこに』その問いに対する応えはなく、告げられたのはあまりにも一方的な別れの言葉。
「っ!」
履歴から再度掛けるも、すでに向こうの端末は電源が切られているらしかった。
「光晴……今のって」
「陸は、なんて?」
透が焦れたように問いかける。
「……ごめん、ありがとう……。愛してた、て」
「なっ……」
「聞き間違うわけない、陸の声や。せやけど、なんで?」
前兆も、手掛かりもない。こんなところで終わりになんて絶対に出来ないのに、残ったのは別離の言葉と贈ったはずのブレスレットだけ。
守りたいのに、身動きが取れない。
(名前を呼んでくれたら、どこへだって飛んでいくのに)