第二十七章 檻の崩壊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「俺は背後の人物に気付かず倒されたのが最後、今に至ります。イベントの最中陸の身を預かる立場にありながら、申し訳ありません」
傷口を庇いながら郡司は光晴に頭を下げた。その場はしばしの間沈黙が落ちた。
「頭下げんでええ。他に、覚えとることは」
「はい。まず陸の姿、血のにおいはなかったので外傷はないでしょう。俺のように倒されたのではなく、横たえられた……が正しいかと」
「なんで?」
「相手は郡司と透に害を加えた奴でしょ? これから攫う人に対してそんな扱いする?」
「そうだよ!」
透、風太、雷太が怪訝そうに問う。
「まさか、犯人は陸の知っとる奴ていうつもりか?」
光晴の問いに無言で頷いてみせる。
「!?」
「まさか! 俺らが庇護についてた間に会ってるってことか?!」
「そんな危険人物を見逃してたとは思いたくない、が……」
「それならすべて納得がいきますね」
「なんで!」
「つまり、こういうことです」
犯人が郡司の言う通り顔見知りの人物なら、陸が異変に遭遇しても瞬時に“助け”を呼ばない。
被害を受けたのが鬼ヶ里に来る前に陸を護っていた2人のみであること。
陸ただひとりを呼ぶことが出来たこと。
「陸はその人物が危険だと思わなかった……ちゅうわけや」
(会ってるならわかるはずだ。記憶を辿れ、思い出せ!)