第二十五章 十二時の鐘が鳴る
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歩き出して少し経ってから、陸がふいに足を止めた。
「郡司、待って。やっぱり先に保健室行きたい」
「あ? なんで」
「向こうからたくさん声が聞こえる……光晴たちもいるのかも」
「……あー、今はあんまり勧めないな」
「なにかあったんですか?」
しばし考えたのち、郡司は口を開く。
「少し前までひと悶着あったらしい。もう落ち着いてるから、平気だとは思うが……」
「それ、いつ?」
「杏が来る前だな」
(だからさっき、移動するの渋ったんだ)
「大丈夫なら、行く」
行き先を変更し、保健室へと向かった3人は目的地に着く直前、予想以上の人混みに出くわした。
「パフォーマンスすごかったねー」
「オオカミの勝ち?」
「迫力あったよねー!」
「つぎ、中庭行く?」
「なんだこれ……」
「……賑わってますね」
「パフォーマンスって?」
「はあ、行くか」
あまりの人の群れにげんなりする郡司と杏。そのすぐ後ろにいた陸はふと、窓の外から視線を感じた。
「……ん?」
(誰かいる……。あんなところで何してるんだろ)
立ち尽くす人物。木の影になり、表情が見えない。
(こっちに何か言ってる? あ、目が合っ――!)
「うそ、」