第二十四章 きみを探す
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逆方向へ歩き出した水羽の姿はすぐに見えなくなった。そうして陸と郡司が二人だけになる。
「……あのさ、郡司。さっきの話だけど」
「杏のことか」
「うん」
話が逸れてしまっていたが、杏のこととなれば聞かずにはいられなかった。
「ちらっと見ただけだし、杏の気持ちもまだ何も知らないけど先に聞きたい。鬼と人間は付き合えるもの?」
(見た目は優しそうな感じだったけど、気持ち以外の問題だ)
“上”に目を付けられないか。無理やり引き離されないか。――杏が傷付かないか。
「周りから祝福されることはないかもしれないが、一応は問題ない。庇護翼の付かない鬼が鬼の花嫁を娶ったところで、今の鬼頭以上の鬼が生まれる可能性は低いからな」
「! そっか……」
「ただ、子どもは――」
「わかってる。ありがとう」
普通の人間の娘に鬼の子は産めない。この事実が覆ることは決して無い。
「あ、そういえば! 透がどこにいるか知らない? なんの物語かだけでもわかればいいんだけど」
少し強引に陸が話題を変えると、郡司は苦笑する。
「透なら帰ったよ。あいつ、桃太郎の犬だったから。くだらねえってさ」
「……透が……いぬ?」
「かなりの凶暴犬だろ?」
――なにはともあれ、仲間を発見。