第二十四章 きみを探す
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「あれ、郡司」
「郡司! びっくりした、いつの間に?!」
陸と水羽の後ろから気配なく現れたのは、大柄な男ーー先ほどまで話題にあがっていた浦嶺郡司その人だった。
「いつの間に、じゃねーよ。この人混みでただでさえ探しにくいのに……チョロチョロ動き回るな。こういうときは大人しく教室にいろ、バカ陸」
言葉とともに、デコピンが一発。
「痛っ! だって、手がかりもないのにじっとしてなん、て……郡司、その服」
「ぶッ、あはははは! なにそれ王子様?! 似合わないにも程があるんじゃないの?! はー、お腹痛い……っ」
「…………ほう」
水羽の大笑いにコキッと指を鳴らした郡司は、陸にしたデコピンとは桁違いの威力で拳骨をお見舞いする。
「い゛っ、たいなあもう……。僕だけひどくない? 陸だってすごい笑ってるけど」
「ちょっ、みなは! だ、だって、郡司、が……ふふっ」
必死に笑いを噛み殺そうとしている陸だが、まったく出来ていなかった。
「……俺だってこんな服、今すぐ脱ぎたい」
こんな服というのは、絵本に出てくるザ・王子様の衣装。胸元や手首にあしらわれたフリル、高級感ただようベスト、真っ白なパンツーーそのどれもが大柄で無愛想な彼にそぐわないものばかりだった。
「脱ぎたくても脱げないってことは、シンデレラの王子?」
「そういうことだ」
「でも、陸がシンデレラだってことよく知ってたね」
「……おせっかいなカボチャがいたんだよ」
「?」
首を傾げる水羽を無視して、郡司は未だ笑いのおさまっていない陸に向き直る。
「いつまで笑ってんだ、いい加減殴るぞ」
「ごめん、もう大丈夫!」
「ったく……チップあるか?」
「うん」
確認のために差し出したそれは、ぴたりとはまった。これが仲間の証拠となる。
「よし。じゃあ僕は自分の仲間探しに行くから」
「水羽! ありがとうね!」
「うんー」