第二十三章 祭りのはじまり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
登校してきた生徒たちが戸惑いつつも着替えを済ませた頃――学校のあらゆる場所に設置されているスピーカーから音声が聞こえてくる。
≪ようこそ、諸君! 僕の名前はジャック・オー・ランタン。今日の司会進行役だよ。まずは概要を説明しよう。諸君も知っての通り、今日はハロウィン、仮装をする日!!≫
きっぱりと断言する進行役をよそに、どこかから「いや、違うだろ」という声がした。
≪君たちは現在、あらゆる物語のキャラクターに扮している。まずは仲間を見つけ出したまえ。ただし、生徒数が多くて若干かぶっている。ポケットの中にはチップという木の切れ端が入っていて、切り口がぴったりと合ったら仲間の証拠。全員集めてゴールを目指そう!≫
クラス中がざわざわとしだし、陸と杏もポケットの中からチップを取り出して合わせてみる。
「……やっぱり、」
「違うね」
≪ゴールは校舎内、場所は自力で見つけるように! 開催時間は4時まで、でもクリアしたら順次帰っていいよ。メンバーが全員揃わないとゴールしても意味がないから気を付けてね。それじゃあ、ハロウィンパーティーはじまるよ!≫
この宣言で、放送は終了した。
「とりあえずーー保健室行こうか?」
「ああ、うん。士都麻先輩のコスプレ姿見たいもんね?」
「神無ちゃんと水羽も保健室に集まるはずだから!」
にやりと笑う杏に背を向けて、陸は歩き出す。
(耳赤い。素直じゃないなあ)
(……そりゃ見たいけど。やっぱり杏は魔女だ!)
「失礼しまーす。麗二先せ……なんですかそれ」
保健室の扉を開けて、一番に陸たちの目に飛び込んできたのは、きらびやかな“老婆”。
「経緯はみなさんと同じですよ。参加することに異議はありませんが、せめて性別くらい合わせてほしいものですねえ」
ずず、とお茶をすすりながらそう零す麗二の姿は、いつもの雰囲気と違いすぎて苦笑するほかない。
「このおばあさんじゃなくてよかったね、杏?」
さっきのお返しとばかりに笑って陸は横に立つ杏を見やる。
「うん……。さすがの高槻先生でも、これはちょっと」
「――ところで、いつまでそこで固まってるつもりですか? 光晴さん」
「「え?」」