第二十二章 華鬼の行(ゆき)先
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「今年の終業式は12月12日でしたっけ? 光晴さん」
「せや。鬼ヶ里の冬はごっつ寒いし、雪も深くなるからな」
「そうそう、神無ちゃん。ここの終業式の日取りはね、光晴たち執行部が勝手に決めちゃうんだよ。1か月以上休みになるから旅行とか……帰省するひとも多いんだ」
「そうなんですね。陸さんは、なにか予定はあるんですか?」
神無にそう問われ、しばし考える仕草をする。
「うーん、今のところないかな。旅行行くとしたらちゃんと予定立てとかないと。光晴、すぐ行き先ズレるから」
「う゛っ」
じとりと睨まれて、光晴は気まずさから視線を逸らした。
「さすが根無し草!」
「黙っとれ水羽!!」
「事実でしょ。そんなことより神無、明日から部活に入るんだったよね?」
「そんなことよりって……! え、神無ちゃん部活入るん?」
光晴を適当にあしらった水羽は何気なく神無に話を振り、神無はそれに頷いた。
「へぇ、何部?」
「放送部です」
「土佐塚と一緒に入部するんだよ。……僕が迎えに行くまで部室で待っててね」
「あかん! 俺は反対!! 放送部じゃどうしたって隙ができる。それやったら執行部の方がマシじゃ」
猛然と抗議をする光晴の腕を陸がぎゅっとつねる。
「いッ?!」
「執行部がマシなわけないでしょ。神無ちゃんが馴染めるとは思えない」
「……つねらなくてもええやん」
「光晴が馬鹿みたいなこと言うからでしょ?」
「……ハイ」
向けられた黒い笑みを見て、光晴は二の句が継げなくなる。
「麗二は? 反対する?」
「いえ。鬼ヶ里の1年生は部活に入る決まりですし、どの部でも心配には変わりありません。放送部の部長は……まあ問題ないと思いますけどねえ」
麗二の了解を得たことに神無はほっと息をつく。