第二十一章 疑惑のデート
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「クソッ……!」
苛立ちを隠さずに投げつけた携帯が、近くにあったクッションに沈む。
「なんであんなこと、光晴に言われなきゃならないんだよ」
本当は、背中を押すみたいなこと言うつもりじゃなかった。
文化祭をすごく楽しみにしてたクセに、当日になってみれば二人の気配は一ヶ所からずっと動かなくて。行ってみれば光晴は眠りこけてるし、陸は大人しく隣にいるし。
「……これ、なに?」
「あ、透。実は――」
事情を聞いたとき、陸は不満ひとつ言わなかった。二人の絆をまざまざと見せつけられた気分だった。
だから光晴をからかって、騙されてくれればよかったのに――彼が焦ったのはたったの一瞬で、半ばやけくそで最後に負け惜しみをひとつ。
あんなんで騙せるなんて思ってない。……こんな状態で、
「云えるわけないだろ……!」
(云ったって陸が、困るだけだ――)