第二十一章 疑惑のデート
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後夜祭も終了し、職棟へと帰って来た光晴と陸は廊下で水羽と鉢合わせる。すると水羽は「ちょうどよかった」と言って神無が三翼を避けていた理由を話した。
神無の危機にすぐ駆け付けられなかったことは悔いたが、自分の行動に非があったわけではなかったのだと光晴は一息ついた。
自室に戻り、もう寝る準備も万端というときに光晴は頭を抱えた。
「あかん。ぜんっぜん眠くないわ」
「……まあ、昼間あれだけ寝たもんね」
「なぁ、陸。ものは相談やけど、もうちょっと起きてたりとか」
「しないよ。私眠いし」
「ですよね……」
「それじゃあ、私は――
「そういえば、俺が寝とる間ってどうしてたん?」
不意に問われたことに、陸の体が一瞬強張った。
「え……っと、そう! 本読んだり、杏とメールしたり、だよ」
「部室じゃ大したモンなくて暇やったやろ?」
「そんなことないよ。じゃ、おやすみっ!」
焦ったように会話を終わらせ、陸は布団の中へ潜った。
「おやすみ……?」
「…………」
陸が布団に入ってから数分。どうしたものかと考えていたところで、彼の携帯が鳴り出した。光晴は電話の相手を確認し、ベッドから抜け出て窓際へ向かいつつ通話ボタンを押した。
「もしもし。こんな時間に電話してくるなんて珍しいな、透」
「<まあね。光晴、陸寝た?>」
「は? 陸なら、ついさっき。なんや、陸に用でもあったんか?」
「<用があるのは光晴。今日のお礼をしようと思ってね。……陸が起きてると面倒だから>」
「“今日のお礼”? 何の話じゃ」
今日、光晴はお礼を言われるどころか透と会ってすらいない。身に覚えがないそれにただ首を傾げた。
「<何の話って、陸から聞いてないんだ?――今日、陸とデートさせてもらったお礼に決まってるだろ>」