第二十五章 十二時の鐘が鳴る
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「はい! シンデレラチームBの皆さん、全員の確認が出来ましたのでこれで終了となります。お疲れ様でした~!」
やっとの思いで郡司と合流してから20分ほどで陸たちはゴール地点である体育館倉庫へと辿り着いた。他のメンバーが早々に揃っていたもののメイン2人を見つけられずにいたらしい。
「順位は29位だって。まあまあってとこだな」
「悪いな、俺らがもっと早く集まれてたら上位の賞品も狙えたんだろ?」
「全然大丈夫ですよ! ワースト10位内にならなければ何でも」
「3か月の雑用奉仕券かトイレ掃除1年間だっけ? 絶対御免だわ」
「ほっとしましたー。皆さんありがとうございました」
「じゃ、解散な!」
「はあ。やっと終わった……」
幸いにも魔女や継母、姉役の人たちはみな優しく、合流してからはすんなりとゴールまで来ることが出来た。もしも陸が光晴の花嫁だということを考慮しての人選だったのならあとでお礼を言わないと、と陸は思う。
「ありがとうね、郡司。気を張ってて疲れたでしょ」
「いや、そこじゃなくて。服が気持ち悪ぃんだよ」
体育館の隅――比較的人の少ないところへ移動してから、郡司は首元のスカーフを煩わしそうに取り払い、シャツのボタンも2つ開けた。
「それなら、そんなにきっちり着なくても良かったんじゃない?」
「……着崩したら王子に見えないだろ」
「こんな無愛想な王子いないと思うけど」
「随分口の悪いシンデレラだな?」
「む。……どうせ、キャラ違うのは私も同じですよー」
ふい、と陸は顔をそむける。
「口は悪いが、変とは言ってない。陸は似合ってる」
「え」
「ちゃんと、姫に見えるよ」
「っ!」
じわじわと、顔が赤くなるのが自分でもわかる。
「あ、ありがとう……」
「おう」
(郡司がこんなストレートな褒め言葉言うなんて珍しい。雰囲気に酔ったのかな?)
(王子の時間ももう終わる。なら、これくらい言ったっていいだろ)