第十五章 複雑な心境
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おめでとうございます」
下校してしばらく経った頃、光晴に呼び出されて向かった共同の食事用のスペース。食卓に並ぶいつも以上に豪勢な料理の数々を見て神無は呆気にとられる。そんな神無の前に置かれたのは赤飯の盛られた茶碗。
冒頭のもえぎの言葉と赤飯の意味を理解した神無は顔を真っ赤に染めた。
「……っ!」
「必要なものは寝室の右奥にあるクローゼットに用意してありますから。他にいるものがあったら遠慮なくおっしゃってくださいね」
「もちろん、私のところに来てもいいからね。神無ちゃん」
こそこそと神無の耳元で囁き合う嬉しそうな女性陣の様子を見て、男性陣は心が和む思いがした。
「さて――そろそろ食事にしましょうか」
「もえぎさん、すみません。私、こっちでは……華鬼のご飯の支度を……」
「え。木籐帰って来てるの?」
「はい」
「木籐が、自分の家に……」
(神無ちゃん、木籐のこと気になるって言ってたし……生家で転機があったんだ)
陸がそう考えていると、華鬼のことを気にして落ち着かない神無の気持ちを察したもえぎがタッパーを用意して頷き、神無は目の前の料理をそれに詰めていく。
それが済んでからも、自分のために用意してもらった料理に口を付けずに席を立つことに罪悪感があり神無は席についた。
「早い方がいいですよ」
「でも、」
すすめられて立ち上がった神無だが、やはり後ろめたいようで退出を躊躇っているようだった。見かねた陸と光晴が立ち上がる。
「神無ちゃん……」
「神無ちゃん、手え出してみ?」
「?」
下校してしばらく経った頃、光晴に呼び出されて向かった共同の食事用のスペース。食卓に並ぶいつも以上に豪勢な料理の数々を見て神無は呆気にとられる。そんな神無の前に置かれたのは赤飯の盛られた茶碗。
冒頭のもえぎの言葉と赤飯の意味を理解した神無は顔を真っ赤に染めた。
「……っ!」
「必要なものは寝室の右奥にあるクローゼットに用意してありますから。他にいるものがあったら遠慮なくおっしゃってくださいね」
「もちろん、私のところに来てもいいからね。神無ちゃん」
こそこそと神無の耳元で囁き合う嬉しそうな女性陣の様子を見て、男性陣は心が和む思いがした。
「さて――そろそろ食事にしましょうか」
「もえぎさん、すみません。私、こっちでは……華鬼のご飯の支度を……」
「え。木籐帰って来てるの?」
「はい」
「木籐が、自分の家に……」
(神無ちゃん、木籐のこと気になるって言ってたし……生家で転機があったんだ)
陸がそう考えていると、華鬼のことを気にして落ち着かない神無の気持ちを察したもえぎがタッパーを用意して頷き、神無は目の前の料理をそれに詰めていく。
それが済んでからも、自分のために用意してもらった料理に口を付けずに席を立つことに罪悪感があり神無は席についた。
「早い方がいいですよ」
「でも、」
すすめられて立ち上がった神無だが、やはり後ろめたいようで退出を躊躇っているようだった。見かねた陸と光晴が立ち上がる。
「神無ちゃん……」
「神無ちゃん、手え出してみ?」
「?」