第十四章 咲いた妖花
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陸が郡司に付き添われて鬼ヶ里に戻ってから2日が経ち、神無と三翼が帰ってきた。
時間帯としてはちょうど夕食が済んだ頃であったが、もえぎは麗二から事前に聞いていたのか、すぐに調理に取りかかっていた。
「もえぎさん。私、部屋に戻りますね」
「はい、わかりました」
「――っ陸!」
「!」
背後から名前を呼ばれて、振り返らないまま足を止めた。
「陸……俺は」
「ごめん」
「っ……」
一言だけ告げて、光晴の顔を見ることなく陸は部屋を出て行った。ふたりのやりとりを見ていたもえぎは光晴に歩み寄り声をかける。
「光晴さん」
「ん……?」
「陸さんのこと、もう少し待ってあげてくださいね」
光晴は気まずそうに頭を掻いた。
「“待つ”っちゅーより多分、俺次第やな……」
今の会話に疑問を持った神無は遠慮がちに口を開く。
「あ、あの……!『陸さんのこと待つ』って、どういうことですか?」
「ああ、神無ちゃんには言うてなかったな。実は、陸も生家に来てたんやけど……ちょっとあってな、先に帰ってたんじゃ」
「先に……って、」
神無の脳裏によぎったのは、光晴に告白された夜のこと。それを陸が知って、二人の関係に何かあったんだとしたら――
「私、陸さんの部屋に行ってきます」
「え? ちょ、神無ちゃん?!」
「失礼します」
足早に神無は部屋を後にする。光晴はその背を呆然と見つめるだけ。
「え、あれ……今の、ホンマに神無ちゃん?」
「なんか変わったよね。ちょっと積極的になってる」
「いい傾向ですねえ」
時間帯としてはちょうど夕食が済んだ頃であったが、もえぎは麗二から事前に聞いていたのか、すぐに調理に取りかかっていた。
「もえぎさん。私、部屋に戻りますね」
「はい、わかりました」
「――っ陸!」
「!」
背後から名前を呼ばれて、振り返らないまま足を止めた。
「陸……俺は」
「ごめん」
「っ……」
一言だけ告げて、光晴の顔を見ることなく陸は部屋を出て行った。ふたりのやりとりを見ていたもえぎは光晴に歩み寄り声をかける。
「光晴さん」
「ん……?」
「陸さんのこと、もう少し待ってあげてくださいね」
光晴は気まずそうに頭を掻いた。
「“待つ”っちゅーより多分、俺次第やな……」
今の会話に疑問を持った神無は遠慮がちに口を開く。
「あ、あの……!『陸さんのこと待つ』って、どういうことですか?」
「ああ、神無ちゃんには言うてなかったな。実は、陸も生家に来てたんやけど……ちょっとあってな、先に帰ってたんじゃ」
「先に……って、」
神無の脳裏によぎったのは、光晴に告白された夜のこと。それを陸が知って、二人の関係に何かあったんだとしたら――
「私、陸さんの部屋に行ってきます」
「え? ちょ、神無ちゃん?!」
「失礼します」
足早に神無は部屋を後にする。光晴はその背を呆然と見つめるだけ。
「え、あれ……今の、ホンマに神無ちゃん?」
「なんか変わったよね。ちょっと積極的になってる」
「いい傾向ですねえ」