第十三章 格好いいひと
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陸が鬼ヶ里に帰ってきて一夜明けた。
もえぎの話を聞いた後は2階の自室へ戻り、自問自答を繰り返して過ごしていた。
「はあ……」
(私はどうしたいんだろう。もしも神無ちゃんが光晴を選ぶって言ったら、私は光晴を諦めるのかな。諦められるのかな)
繰り返す問いに、答えはない。
考えれば考えるほど、陸は自分に自信がないことに気付いてしまう。
「……こんなんじゃ、捨てられても仕方ないのかもね……」
すると、部屋に備え付けの電話が鳴り出した。
「はい、もしもし。もえぎさん?」
「<陸さん? つい先程、杏さんが職棟にいらしたんですが、無断でお通しするわけにはいかないので帰っていただきましたが……よろしかったですか?>」
「え、杏……? あんず……」
ここで初めて、親友への連絡を怠っていたことに気がついた。
「――あああっ!!!」
(やばいっ、すっかり忘れてた……!)
「すみませんもえぎさん、ありがとうございます! 杏には私から、すぐに連絡しますから!」
「<そうしてあげてください。杏さん、すごく心配してましたから>」
電話越しに、もえぎが小さく笑っているのがわかる。陸はそれに構わず通話を切り、――ここ数日、すっかり存在を忘れていた携帯電話を探し出す。
「――あった! って、電源落ちてるし。もー、充電器充電器……」
充電器に接続して電源を入れた陸が見たものは。
「着信20件、メール15件……発信者、全部杏……」
携帯を頻繁に使わない陸にとって、怖さを感じるほどの通知。しかしこれは、杏が陸を心配しているという何よりの証拠。
(そうだ。森園くんたちと保健室行くって言ってからばたばたと生家まで行って……。杏に何も伝えてなかったもんね)
もえぎの話を聞いた後は2階の自室へ戻り、自問自答を繰り返して過ごしていた。
「はあ……」
(私はどうしたいんだろう。もしも神無ちゃんが光晴を選ぶって言ったら、私は光晴を諦めるのかな。諦められるのかな)
繰り返す問いに、答えはない。
考えれば考えるほど、陸は自分に自信がないことに気付いてしまう。
「……こんなんじゃ、捨てられても仕方ないのかもね……」
すると、部屋に備え付けの電話が鳴り出した。
「はい、もしもし。もえぎさん?」
「<陸さん? つい先程、杏さんが職棟にいらしたんですが、無断でお通しするわけにはいかないので帰っていただきましたが……よろしかったですか?>」
「え、杏……? あんず……」
ここで初めて、親友への連絡を怠っていたことに気がついた。
「――あああっ!!!」
(やばいっ、すっかり忘れてた……!)
「すみませんもえぎさん、ありがとうございます! 杏には私から、すぐに連絡しますから!」
「<そうしてあげてください。杏さん、すごく心配してましたから>」
電話越しに、もえぎが小さく笑っているのがわかる。陸はそれに構わず通話を切り、――ここ数日、すっかり存在を忘れていた携帯電話を探し出す。
「――あった! って、電源落ちてるし。もー、充電器充電器……」
充電器に接続して電源を入れた陸が見たものは。
「着信20件、メール15件……発信者、全部杏……」
携帯を頻繁に使わない陸にとって、怖さを感じるほどの通知。しかしこれは、杏が陸を心配しているという何よりの証拠。
(そうだ。森園くんたちと保健室行くって言ってからばたばたと生家まで行って……。杏に何も伝えてなかったもんね)