第九章 奇妙な家
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「なんっで俺が運転手なんじゃ……」
「ま、まあまあ……」
――――時を遡ること数時間前。
全員が一度部屋に戻り、支度を整えていざ出発!となったとき、車の運転を誰がするかという話になった。
「僕、子どもだし」
「私は年寄りらしいですし」
「え?!……私は、免許ないし……」
「…………俺?」
――そして、冒頭に戻る。
体よく運転を断った二人は現在、後部座席で仮眠中。陸は光晴の話し相手として助手席に座っている。
「ごめんね、私が運転出来たらよかったんだけど」
「いや。陸には怒っとらんし、もし免許あってもさせん。問題は麗ちゃんと水羽や」
「あとで、交代してくれないか聞いてみるつもりなんだけど……」
「ま、期待せんで待っとくわ」
陸の提案は非常に有り難かったが、了承されることはないだろう、と光晴は予測していた。そして提案した陸自身も可能性は限りなく低いだろうな、と思っていた。
「――さて、休んでいる暇はありませんよ。光晴さん」
「ほら、光晴のぶんの双眼鏡。早くいくよ。あ、こっちは陸のね」
「うん……」
先を歩く二人を見てから陸は後ろを振り返る。視線の先には、結局ひとりで運転をし続けた光晴の姿がある。予測通り、麗二と水羽が運転を交代することはなかった。
「……どうせこうなるとは思っとったけど、もうちょいなんかないんか、あの二人は……っ」
「あはは……」
光晴の嘆きに、陸は苦笑するしかなかった。