知りたい事
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「その理由が知りたいだけ。何で自分が捨てられたのか?何で自分は【十夜(トオヤ)】に拾われたのか?それが解らないから、知りたい。それだけだよ」
『別に大したことじゃないでしょ?』と続けながらも、ナマエの瞳には薄っすらと膜が張っていた。
「ナマエ、おいで♥」
「ん」
ヒソカが両手を広げ、ナマエを呼んだ。
【白夜】がいるからと言って遠慮する事もなく、ナマエはゆっくりとヒソカの腕の中に収まった。
「ナマエにとっては大事な事なんだろう?それをボクが兎や角言う必要はない♣むしろ、ボクにも協力させて欲しい♦」
まだ乾ききっていない髪を優しく梳きながら、ヒソカは呟いていた。
「何があってもボクはキミを尊重すると約束する♠だから独りで抱え込まないで、もっとボクを頼って欲しい♦」
ヒソカの言葉に、ナマエは俯いていた顔を上げた。
まさかヒソカからそんな言葉を貰えるとは思っていなかったからだ。
「重くないの?」
「どこがだい?」
「こんな厄介な悩み事を抱えているのが彼女なんてさ……」
「そんな事か♣ボクの愛の方が、ナマエの悩みより重いと思ってるんだけどな♠」
苦笑しながら言うヒソカに、ナマエは思わず笑みを零していた。
「そう♦ナマエはいつもそうやって笑ってればいいんだよ♥」
そう言いながらヒソカはナマエの額にキスをした。
「んっ……擽ったい」
「そうかい?なら……こっちにする?」
親指でナマエの唇をなぞりながら、ヒソカは妖艶に微笑んだ。
「仲良くするのは良いのじゃが、我がいる事を忘れるでないぞ」
「キミ、少しは空気読んだら?」
半ば呆れながら、ヒソカは【白夜】に言い放った。
それを見て、ナマエはクスクスと小さく笑う。
「【白夜】、もう解ったでしょ?私達はこれが普通になってるの。この時間を大切にしたいし、私はヒソカの事を本気で想ってる。だからヒソカには危険な目に遭って欲しくないし、ヒソカの希望はなるべく叶えてあげたい。その為に、【白夜】にお願いしてるの」
「我がお主の願いを聞き届けなければ、どうするつもりかえ?」
「どうもしないよ。【契約】はそのまま死ぬまで続くんだし、私は自分の生き方を曲げるつもりもない。だから……【式鬼】無しで【魔物退治】を続けるだけ」
ナマエの目には強い意志が宿っていた。
【白夜】にも、その言葉に偽りが無い事は手に取るように解っている。
【白夜】は降参とでも言う様に、その頭を振った。
「あい判った。では、若造に【世界の理】を教えるが良かろう。ただし、我が危険と判断した時点で小僧の命は無いモノと思うがええ」
「【白夜】?それって――」
「若造を認める、と申しておるのじゃ」
「!?」
ヒソカの腕の中から飛び出す様にして、ナマエは【白夜】を抱き締めた。
「苦しいわ、ナマエ」
「有難う!【白夜】!!」
心底嬉しそうにするナマエを見て、【白夜】は安堵した。今まで傍で見てきた中で、一番良い笑顔を見せるナマエ。
そんな彼女の心境からは、これまでで一番幸せだというモノが込み上げてきているのを【白夜】は感じていた。
「若造」
「何だい?」
「ナマエを悲しませてみろ。その時は我等の力をもって、お主を滅してくれるわ」
「何だ、そんな事か♣ボクはナマエを悲しませるつもりはないし、この笑顔を守りたいと思ってる♠だから安心しなよ♥」
ヒソカの表情からは嘘をついている素振りは見えなかった。
その事に安心し、【白夜】は還る事を決断した。
「ナマエよ、我はもう還る。これ以上お主に負担を掛けたくない故な」
「うん……ごめんね、我儘言って」
「……我が子の我儘なぞ、親ならば聞いてやるモノなのだろう?それが【人】だとアズマから聞いた」
「ちょっと違うと思うけど……まぁいいか」
そうして【白夜】は姿を消した。
『別に大したことじゃないでしょ?』と続けながらも、ナマエの瞳には薄っすらと膜が張っていた。
「ナマエ、おいで♥」
「ん」
ヒソカが両手を広げ、ナマエを呼んだ。
【白夜】がいるからと言って遠慮する事もなく、ナマエはゆっくりとヒソカの腕の中に収まった。
「ナマエにとっては大事な事なんだろう?それをボクが兎や角言う必要はない♣むしろ、ボクにも協力させて欲しい♦」
まだ乾ききっていない髪を優しく梳きながら、ヒソカは呟いていた。
「何があってもボクはキミを尊重すると約束する♠だから独りで抱え込まないで、もっとボクを頼って欲しい♦」
ヒソカの言葉に、ナマエは俯いていた顔を上げた。
まさかヒソカからそんな言葉を貰えるとは思っていなかったからだ。
「重くないの?」
「どこがだい?」
「こんな厄介な悩み事を抱えているのが彼女なんてさ……」
「そんな事か♣ボクの愛の方が、ナマエの悩みより重いと思ってるんだけどな♠」
苦笑しながら言うヒソカに、ナマエは思わず笑みを零していた。
「そう♦ナマエはいつもそうやって笑ってればいいんだよ♥」
そう言いながらヒソカはナマエの額にキスをした。
「んっ……擽ったい」
「そうかい?なら……こっちにする?」
親指でナマエの唇をなぞりながら、ヒソカは妖艶に微笑んだ。
「仲良くするのは良いのじゃが、我がいる事を忘れるでないぞ」
「キミ、少しは空気読んだら?」
半ば呆れながら、ヒソカは【白夜】に言い放った。
それを見て、ナマエはクスクスと小さく笑う。
「【白夜】、もう解ったでしょ?私達はこれが普通になってるの。この時間を大切にしたいし、私はヒソカの事を本気で想ってる。だからヒソカには危険な目に遭って欲しくないし、ヒソカの希望はなるべく叶えてあげたい。その為に、【白夜】にお願いしてるの」
「我がお主の願いを聞き届けなければ、どうするつもりかえ?」
「どうもしないよ。【契約】はそのまま死ぬまで続くんだし、私は自分の生き方を曲げるつもりもない。だから……【式鬼】無しで【魔物退治】を続けるだけ」
ナマエの目には強い意志が宿っていた。
【白夜】にも、その言葉に偽りが無い事は手に取るように解っている。
【白夜】は降参とでも言う様に、その頭を振った。
「あい判った。では、若造に【世界の理】を教えるが良かろう。ただし、我が危険と判断した時点で小僧の命は無いモノと思うがええ」
「【白夜】?それって――」
「若造を認める、と申しておるのじゃ」
「!?」
ヒソカの腕の中から飛び出す様にして、ナマエは【白夜】を抱き締めた。
「苦しいわ、ナマエ」
「有難う!【白夜】!!」
心底嬉しそうにするナマエを見て、【白夜】は安堵した。今まで傍で見てきた中で、一番良い笑顔を見せるナマエ。
そんな彼女の心境からは、これまでで一番幸せだというモノが込み上げてきているのを【白夜】は感じていた。
「若造」
「何だい?」
「ナマエを悲しませてみろ。その時は我等の力をもって、お主を滅してくれるわ」
「何だ、そんな事か♣ボクはナマエを悲しませるつもりはないし、この笑顔を守りたいと思ってる♠だから安心しなよ♥」
ヒソカの表情からは嘘をついている素振りは見えなかった。
その事に安心し、【白夜】は還る事を決断した。
「ナマエよ、我はもう還る。これ以上お主に負担を掛けたくない故な」
「うん……ごめんね、我儘言って」
「……我が子の我儘なぞ、親ならば聞いてやるモノなのだろう?それが【人】だとアズマから聞いた」
「ちょっと違うと思うけど……まぁいいか」
そうして【白夜】は姿を消した。