知りたい事
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その後、ヒソカは自身の欲望を抑える日々を送っていた。あくまでもナマエの考え重視の生活。決して苦ではないが、それでも稀にナマエにこの欲望をぶつけたいと思う事もあった。
「ハァ……♦」
知らず知らずのうちに、ヒソカの口からは重い溜息が零れ落ちている。
「若造、我が鬱陶しいかえ?」
「そりゃあね♣」
ナマエの側を離れない【白夜】に対し、僅かながら殺意が芽生えてくるヒソカ。
【白夜】がいない隙を狙おうと思っても、それこそヒソカの思考を読み取っているのかナマエの側から決して離れる事がない。
「そこまでベッタリくっつく必要は無いんじゃないかい?」
呆れ半分で言うヒソカに対し、【白夜】は鼻で笑って返した。
「我がおらなんだら、若造は羽目を外すじゃろう?ナマエは我に力の大半を使っておる。そんな状態で若造が羽目を外したら、ナマエは倒れてしまうからの」
【白夜】の言う事は至極真っ当だった。
確かに【白夜】がいなければ、ヒソカはナマエとの溝を埋める為にも、その身を持ってナマエを愛していた事だろう。
「……1つ、気になる事がある♠」
「何じゃ?」
「何故ナマエはキミ達の事を名前でしか呼ばないのかな?」
「……名はナマエにとって、とても重要なモノだからじゃろうな」
「重要なモノ?」
「そうじゃ……ナマエにとっては単なる記号じゃない。個々の【存在】を認める大切な言霊なのだろうな。我が名付けるまで、まともに名を呼ばれた事がない。その分、名に対する執着が激しいのじゃ」
『初めて【杜樹】にあった時も、ガキ呼ばわりされて泣いておったわ』と懐かしそうに【白夜】は目を細めた。
「そう……♣」
「だからこそ、認めた相手の事は極力名でしか呼ばぬ。それがナマエの決めた決まり事にもなっておる」
「だからか……あの時拗ねた様な態度を取ったのは♦」
「若造はナマエの事を何も知らずに『大事』だと言っておったのか?それで良くナマエが受け入れたわ……」
「ナマエは過去を語らないボクを受け入れてくれた♦だから、ボクも過去をあまり語らないナマエを受け入れている♠それじゃ駄目なのかい?」
真摯な眼差しで【白夜】を見つめていると、そこにシャワーを浴びに行っていたナマエが戻ってきた。
「何?また険悪な状態作ってるの?」
「違うよ、ナマエ♣」
「昔話をしていただけじゃ」
「昔話?また余計な事言ってないよね?【白夜】」
「何……お主の名に対する執着さを話していただけじゃ」
決して悪怯れる事も無く、【白夜】は告げた。
そんな【白夜】を見て、ナマエは項垂れた。
何故ヒソカは自分に訊いてくれないのか?そんな思いもナマエの中には芽生えていた。
「そんなに気になってたなら、私に直接訊いてよヒソカ」
「……訊いたら教えてくれてたかい?」
「ヒソカに隠し事はしてないよ。訊かれないから言わないだけ」
乱雑に髪を拭きながら、ナマエはしれっと答えた。
「訊きたい事があるなら、はっきりそう言ってよ。【式鬼】と違って、人間の考えは読めないから解らないんだし」
「なら訊くよ♠キミの『知りたい事』って何だい?」
「いきなりソレを訊いてくるか……」
ナマエはチラッと横目で【白夜】を見て、小さく息を吐いた。
「言いたくないかい?」
「そういう訳じゃない。前にも言ったでしょ?私は捨てられたんだって」
「ああ♦」
「ハァ……♦」
知らず知らずのうちに、ヒソカの口からは重い溜息が零れ落ちている。
「若造、我が鬱陶しいかえ?」
「そりゃあね♣」
ナマエの側を離れない【白夜】に対し、僅かながら殺意が芽生えてくるヒソカ。
【白夜】がいない隙を狙おうと思っても、それこそヒソカの思考を読み取っているのかナマエの側から決して離れる事がない。
「そこまでベッタリくっつく必要は無いんじゃないかい?」
呆れ半分で言うヒソカに対し、【白夜】は鼻で笑って返した。
「我がおらなんだら、若造は羽目を外すじゃろう?ナマエは我に力の大半を使っておる。そんな状態で若造が羽目を外したら、ナマエは倒れてしまうからの」
【白夜】の言う事は至極真っ当だった。
確かに【白夜】がいなければ、ヒソカはナマエとの溝を埋める為にも、その身を持ってナマエを愛していた事だろう。
「……1つ、気になる事がある♠」
「何じゃ?」
「何故ナマエはキミ達の事を名前でしか呼ばないのかな?」
「……名はナマエにとって、とても重要なモノだからじゃろうな」
「重要なモノ?」
「そうじゃ……ナマエにとっては単なる記号じゃない。個々の【存在】を認める大切な言霊なのだろうな。我が名付けるまで、まともに名を呼ばれた事がない。その分、名に対する執着が激しいのじゃ」
『初めて【杜樹】にあった時も、ガキ呼ばわりされて泣いておったわ』と懐かしそうに【白夜】は目を細めた。
「そう……♣」
「だからこそ、認めた相手の事は極力名でしか呼ばぬ。それがナマエの決めた決まり事にもなっておる」
「だからか……あの時拗ねた様な態度を取ったのは♦」
「若造はナマエの事を何も知らずに『大事』だと言っておったのか?それで良くナマエが受け入れたわ……」
「ナマエは過去を語らないボクを受け入れてくれた♦だから、ボクも過去をあまり語らないナマエを受け入れている♠それじゃ駄目なのかい?」
真摯な眼差しで【白夜】を見つめていると、そこにシャワーを浴びに行っていたナマエが戻ってきた。
「何?また険悪な状態作ってるの?」
「違うよ、ナマエ♣」
「昔話をしていただけじゃ」
「昔話?また余計な事言ってないよね?【白夜】」
「何……お主の名に対する執着さを話していただけじゃ」
決して悪怯れる事も無く、【白夜】は告げた。
そんな【白夜】を見て、ナマエは項垂れた。
何故ヒソカは自分に訊いてくれないのか?そんな思いもナマエの中には芽生えていた。
「そんなに気になってたなら、私に直接訊いてよヒソカ」
「……訊いたら教えてくれてたかい?」
「ヒソカに隠し事はしてないよ。訊かれないから言わないだけ」
乱雑に髪を拭きながら、ナマエはしれっと答えた。
「訊きたい事があるなら、はっきりそう言ってよ。【式鬼】と違って、人間の考えは読めないから解らないんだし」
「なら訊くよ♠キミの『知りたい事』って何だい?」
「いきなりソレを訊いてくるか……」
ナマエはチラッと横目で【白夜】を見て、小さく息を吐いた。
「言いたくないかい?」
「そういう訳じゃない。前にも言ったでしょ?私は捨てられたんだって」
「ああ♦」