天空闘技場
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『過去は変えられない』と諦めた様に言うナマエに、ヒソカは大きく溜息を吐いた。
「だから『理解して貰えない』って言ったんだよ。でも、一度交わした【契約】は死ぬまで破棄出来ない。嫌気が差したでしょ?こんな馬鹿が恋人で」
半ば自嘲気味に言うナマエを、ヒソカは窘めた。
「本当に――キミは馬鹿だね、ナマエ。こんな事でキミの事を嫌いになる訳ないだろ。むしろ、何故こんな大事な事を黙ってたんだい?」
「……れると思ったから」
「ん?」
「ヒソカに……嫌われると思ったから」
「小僧、ナマエを責めるなよ?コイツはずっと悩んでいたんだ。お前ェに『嫌われたくねェ』ってよ」
ナマエを守る様に、【杜樹】はナマエの前に立った。【杜樹】の後ろに隠れた状態で、ナマエは声を殺して泣いていた。
「ナマエ」
ヒソカに名前を呼ばれ、ナマエの肩はビクリと反応した。
「おいで」
「…………」
「怒ってないから、おいで」
あくまで優しく、ヒソカはナマエに声を掛けた。それでもナマエは【杜樹】の後ろから動こうとしない。
「私には……ヒソカの側にいる資格が無い」
「それはボクが決める事だ。ボクはキミを必要としている。それじゃあ駄目かい?」
動こうとしないナマエに痺れを切らし、ヒソカはナマエに近付いた。
「おい!小僧!?」
「大丈夫。ナマエを傷つけるつもりはないよ。だから退いてくれないかい?」
ヒソカの真剣な眼差しに、【杜樹】は一瞬迷った末にその場を退いた。
ヒソカがナマエに手を伸ばした瞬間、ナマエは悲痛な声を上げる。
「触らないで……」
「ナマエ?」
「もう同情で優しくされるのはたくさん!これ以上私に……私の心に踏み込まないで!!」
「それは本気で言ってるのかい?」
「冗談で言う訳ないでしょ!」
「そう。なら、ボクも本気で言うよ」
「……何よ」
「ボクは気紛れだけど、冗談で人を好きにならない。キミの事を『好き』だと言っているのは、気紛れでも冗談でもない。本気で言っているんだ」
「…………」
「キミが不安になるなら、何度でも言うよ。ボクはキミの事が好きで、愛してる」
『だからそんなに泣かないで』、そう言いながらヒソカはナマエを優しく抱き寄せた。
ヒソカに抱き締められたナマエは、堰を切った様に声を上げて泣いた。今まで心に溜まっていた澱を吐き出すかの様に泣いた。
やがて泣き疲れたナマエは、ヒソカの腕の中で小さな寝息を立て始める。
「小僧」
「何だい?」
「あまりナマエを泣かせるんじゃねェぞ」
「今のはボクのせいじゃないだろ」
「そういう意味じゃねェよ」
「じゃあ、他にどんな意味があるんだい?」
「悲しい思いをさせるんじゃねェ。そう言ってんだ」
「そんな事か……ボクはナマエを手放す気はない。ナマエがさっきみたいにボクから離れようとしても、離さない」
「なら良い。お前ェが手放したら、オレが遠慮なくナマエを攫う」
「おや……主にそんな感情抱いても良いのかい?」
「オレはナマエの【特別】だからな」
意味有り気に言うと、【杜樹】は煙と共にその場から消えた。
ナマエが目覚めたのは、深夜になろうかという時刻だった。
「ヒソ……カ?」
ナマエの隣では、ヒソカが目を閉じ眠っていた。ナマエはそんなヒソカを起こさない様に拘束している腕をやんわりと外し、ベッドから起き上がろうとした。しかし、身体を起こした所で腕を引かれベッドに倒れ込んでしまう。
「えっ……?」
「何処に行く気だい?」
「ヒ……ソカ?!」
「ボクから逃げる気かい?」
ヒソカは悲嘆に顔を歪めていた。
「……違うよ。シャワー浴びたいだけ」
「そう♦ならボクも一緒に――」
「それは謹んでお断りさせて頂きます!」
「くくく♠それでこそナマエだ♥」
「だから『理解して貰えない』って言ったんだよ。でも、一度交わした【契約】は死ぬまで破棄出来ない。嫌気が差したでしょ?こんな馬鹿が恋人で」
半ば自嘲気味に言うナマエを、ヒソカは窘めた。
「本当に――キミは馬鹿だね、ナマエ。こんな事でキミの事を嫌いになる訳ないだろ。むしろ、何故こんな大事な事を黙ってたんだい?」
「……れると思ったから」
「ん?」
「ヒソカに……嫌われると思ったから」
「小僧、ナマエを責めるなよ?コイツはずっと悩んでいたんだ。お前ェに『嫌われたくねェ』ってよ」
ナマエを守る様に、【杜樹】はナマエの前に立った。【杜樹】の後ろに隠れた状態で、ナマエは声を殺して泣いていた。
「ナマエ」
ヒソカに名前を呼ばれ、ナマエの肩はビクリと反応した。
「おいで」
「…………」
「怒ってないから、おいで」
あくまで優しく、ヒソカはナマエに声を掛けた。それでもナマエは【杜樹】の後ろから動こうとしない。
「私には……ヒソカの側にいる資格が無い」
「それはボクが決める事だ。ボクはキミを必要としている。それじゃあ駄目かい?」
動こうとしないナマエに痺れを切らし、ヒソカはナマエに近付いた。
「おい!小僧!?」
「大丈夫。ナマエを傷つけるつもりはないよ。だから退いてくれないかい?」
ヒソカの真剣な眼差しに、【杜樹】は一瞬迷った末にその場を退いた。
ヒソカがナマエに手を伸ばした瞬間、ナマエは悲痛な声を上げる。
「触らないで……」
「ナマエ?」
「もう同情で優しくされるのはたくさん!これ以上私に……私の心に踏み込まないで!!」
「それは本気で言ってるのかい?」
「冗談で言う訳ないでしょ!」
「そう。なら、ボクも本気で言うよ」
「……何よ」
「ボクは気紛れだけど、冗談で人を好きにならない。キミの事を『好き』だと言っているのは、気紛れでも冗談でもない。本気で言っているんだ」
「…………」
「キミが不安になるなら、何度でも言うよ。ボクはキミの事が好きで、愛してる」
『だからそんなに泣かないで』、そう言いながらヒソカはナマエを優しく抱き寄せた。
ヒソカに抱き締められたナマエは、堰を切った様に声を上げて泣いた。今まで心に溜まっていた澱を吐き出すかの様に泣いた。
やがて泣き疲れたナマエは、ヒソカの腕の中で小さな寝息を立て始める。
「小僧」
「何だい?」
「あまりナマエを泣かせるんじゃねェぞ」
「今のはボクのせいじゃないだろ」
「そういう意味じゃねェよ」
「じゃあ、他にどんな意味があるんだい?」
「悲しい思いをさせるんじゃねェ。そう言ってんだ」
「そんな事か……ボクはナマエを手放す気はない。ナマエがさっきみたいにボクから離れようとしても、離さない」
「なら良い。お前ェが手放したら、オレが遠慮なくナマエを攫う」
「おや……主にそんな感情抱いても良いのかい?」
「オレはナマエの【特別】だからな」
意味有り気に言うと、【杜樹】は煙と共にその場から消えた。
ナマエが目覚めたのは、深夜になろうかという時刻だった。
「ヒソ……カ?」
ナマエの隣では、ヒソカが目を閉じ眠っていた。ナマエはそんなヒソカを起こさない様に拘束している腕をやんわりと外し、ベッドから起き上がろうとした。しかし、身体を起こした所で腕を引かれベッドに倒れ込んでしまう。
「えっ……?」
「何処に行く気だい?」
「ヒ……ソカ?!」
「ボクから逃げる気かい?」
ヒソカは悲嘆に顔を歪めていた。
「……違うよ。シャワー浴びたいだけ」
「そう♦ならボクも一緒に――」
「それは謹んでお断りさせて頂きます!」
「くくく♠それでこそナマエだ♥」