新しい力
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「今日は【犬神(イヌガミ)】を使わねェのか?」
「ふん……お前なんかに使うかよ」
そう言うと、【杜樹】の瓢を躱しながら肉弾戦に持ち込もうとするナマエ。
しかし、相手は人間のナリをしていても中身は異形のモノ。普通に戦って勝てる相手ではないと、ヒソカも気づいていた。
助けに入ろうかと思ったが、先程ナマエから出された指示を思い出し踏み止まる。この【世界の理】を知らぬ自分が手出しをする事により、ナマエの身にもしもの事があったら――そう考えると、動きたくても動けなかった。
瓢を躱し切れなかったナマエは、その身を木に打ち付けられていた。
「くっ……」
「お前ェの身体にあまり傷は付けたくねェが……死なない程度に可愛がってやるわ!」
「下衆が……」
吐き捨てる様に言うナマエの口からは、血が流れ出ていた。
その後もナマエは一方的に【杜樹】により傷を付けられていく。
「もう諦めろ。お前ェが連れて来た小僧は、お前ェがこんなに傷ついているのに突っ立てるだけだぞ?大人しくオレを選べ」
「嫌だ、と言っただろ」
身体中から血を流しているナマエ。
そんな姿を見て、ヒソカはナマエの指示を破ろうとした。が、その時周囲を囲んでいる空気が変わった。
「準備完了。もうお仕舞いだ、【杜樹】」
「何を言ってんだ?」
ナマエの立っている場所には、血溜まりが出来ていた。その血溜まりがギラリと光ったと思った次の瞬間、ナマエは叫んだ。
「喰らえ!【十夜(トオヤ)】!!」
その声に応えるかの様に、ナマエの血溜まりからその血に塗れた【十夜】が出てきた。
【十夜】はそのまま低く唸ると【杜樹】の首筋目掛けて飛び掛かった。
「【十六夜(イザヨイ)】!」
名を呼ぶと、ナマエの手に和弓が現れる。
「屠れ!!」
そのまま【十夜】ごと射抜くつもりでナマエは矢を放った。
「小賢しい!!」
【杜樹】は瓢でナマエが放った矢を振り落とすが、その腕を【十夜】に噛まれる。
「ぐっ……」
「武器は最後まで隠しとくもんだぞ?【杜樹】」
ナマエは勝ち誇ったように笑みを浮かべた。
「な……このオレが【犬神】如きに傷を付けられただと!?」
「今の【十夜】は誰にも止められない。怒り狂った【十夜】の牙に傷つけられぬモノは無い」
【十夜】は【杜樹】の急所を目掛けて何度も攻撃を繰り出す。
その姿はヒソカが見た事のある【十夜】とはかけ離れていた。全身の毛を逆立て、牙を剥いている。
「最後の【お願い】だ、【杜樹】。私に手を貸せ」
「はっ……巫山戯るんじゃねェ!」
「そうか……残念だな――乱れ咲け!雪月花!!」
ナマエの言葉を合図に、今まで【天廻】の相手をしていた【白夜】とその手に握っていた【十六夜】が【十夜】に続けとばかりに【杜樹】に向かって行く。
【杜樹】の血が飛び散り、それを避けるかの様に【十夜】達が飛び回る。鬱蒼と茂る森の中で鮮やかに飛び散る朱。ヒソカにはその様が酷く幻想的に見えた。
「――オレの負けだ」
「【童子】!?」
火傷で全身がボロボロになった【天廻】が、血に塗れた【杜樹】に駆け寄る。
「しっかりして!【童子】!!よくも……よくも妾の主を!!!」
「退け、【天廻】。オレはナマエに敗けたんだ。お前ェに止める権利はねェ」
【杜樹】が【天廻】を睨みつけると、【天廻】はすごすごと引き下がった。
「お前ェの望みは何だ?ナマエ」
「【杜樹】、私に力を貸せ」
「それは――オレを【使役】してェって事か?」
「違う。私の【家族】になって欲しいだけだ」
「くっ……はははは!こりゃ一本取られたな!!【鬼】を【家族】に迎えてェって言うのか?!」
「そうだ。お前も今から私の【家族】だ」
ナマエは傷付き倒れている【杜樹】に手を差し伸べると、【杜樹】は迷う事無くその手を握った。
その瞬間【杜樹】の身体は光を放ち、身の丈はヒソカとそう変わらないが、人間にしては美しすぎる青年へと変わった。
「ふん……お前なんかに使うかよ」
そう言うと、【杜樹】の瓢を躱しながら肉弾戦に持ち込もうとするナマエ。
しかし、相手は人間のナリをしていても中身は異形のモノ。普通に戦って勝てる相手ではないと、ヒソカも気づいていた。
助けに入ろうかと思ったが、先程ナマエから出された指示を思い出し踏み止まる。この【世界の理】を知らぬ自分が手出しをする事により、ナマエの身にもしもの事があったら――そう考えると、動きたくても動けなかった。
瓢を躱し切れなかったナマエは、その身を木に打ち付けられていた。
「くっ……」
「お前ェの身体にあまり傷は付けたくねェが……死なない程度に可愛がってやるわ!」
「下衆が……」
吐き捨てる様に言うナマエの口からは、血が流れ出ていた。
その後もナマエは一方的に【杜樹】により傷を付けられていく。
「もう諦めろ。お前ェが連れて来た小僧は、お前ェがこんなに傷ついているのに突っ立てるだけだぞ?大人しくオレを選べ」
「嫌だ、と言っただろ」
身体中から血を流しているナマエ。
そんな姿を見て、ヒソカはナマエの指示を破ろうとした。が、その時周囲を囲んでいる空気が変わった。
「準備完了。もうお仕舞いだ、【杜樹】」
「何を言ってんだ?」
ナマエの立っている場所には、血溜まりが出来ていた。その血溜まりがギラリと光ったと思った次の瞬間、ナマエは叫んだ。
「喰らえ!【十夜(トオヤ)】!!」
その声に応えるかの様に、ナマエの血溜まりからその血に塗れた【十夜】が出てきた。
【十夜】はそのまま低く唸ると【杜樹】の首筋目掛けて飛び掛かった。
「【十六夜(イザヨイ)】!」
名を呼ぶと、ナマエの手に和弓が現れる。
「屠れ!!」
そのまま【十夜】ごと射抜くつもりでナマエは矢を放った。
「小賢しい!!」
【杜樹】は瓢でナマエが放った矢を振り落とすが、その腕を【十夜】に噛まれる。
「ぐっ……」
「武器は最後まで隠しとくもんだぞ?【杜樹】」
ナマエは勝ち誇ったように笑みを浮かべた。
「な……このオレが【犬神】如きに傷を付けられただと!?」
「今の【十夜】は誰にも止められない。怒り狂った【十夜】の牙に傷つけられぬモノは無い」
【十夜】は【杜樹】の急所を目掛けて何度も攻撃を繰り出す。
その姿はヒソカが見た事のある【十夜】とはかけ離れていた。全身の毛を逆立て、牙を剥いている。
「最後の【お願い】だ、【杜樹】。私に手を貸せ」
「はっ……巫山戯るんじゃねェ!」
「そうか……残念だな――乱れ咲け!雪月花!!」
ナマエの言葉を合図に、今まで【天廻】の相手をしていた【白夜】とその手に握っていた【十六夜】が【十夜】に続けとばかりに【杜樹】に向かって行く。
【杜樹】の血が飛び散り、それを避けるかの様に【十夜】達が飛び回る。鬱蒼と茂る森の中で鮮やかに飛び散る朱。ヒソカにはその様が酷く幻想的に見えた。
「――オレの負けだ」
「【童子】!?」
火傷で全身がボロボロになった【天廻】が、血に塗れた【杜樹】に駆け寄る。
「しっかりして!【童子】!!よくも……よくも妾の主を!!!」
「退け、【天廻】。オレはナマエに敗けたんだ。お前ェに止める権利はねェ」
【杜樹】が【天廻】を睨みつけると、【天廻】はすごすごと引き下がった。
「お前ェの望みは何だ?ナマエ」
「【杜樹】、私に力を貸せ」
「それは――オレを【使役】してェって事か?」
「違う。私の【家族】になって欲しいだけだ」
「くっ……はははは!こりゃ一本取られたな!!【鬼】を【家族】に迎えてェって言うのか?!」
「そうだ。お前も今から私の【家族】だ」
ナマエは傷付き倒れている【杜樹】に手を差し伸べると、【杜樹】は迷う事無くその手を握った。
その瞬間【杜樹】の身体は光を放ち、身の丈はヒソカとそう変わらないが、人間にしては美しすぎる青年へと変わった。