新しい力
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「んー……5歳位だったかな。まぁ、育ちが育ちだけに、【杜樹】と会っても違和感無かったし。興味本位で近付いたら、文字通り殺されかけて【白夜(ビャクヤ)】に物凄い勢いで説教されたなぁ」
ナマエは懐かしそうに当時の事を話し始めた。
「殺されかけた?」
「うん。今思うと、【杜樹】に対してかなり失礼な事したからね。子どもだから出来た事だよ。今は怖くてあんな事出来ないな……」
ナマエの顔が恐怖で歪んだ。一体何をしたんだ?とヒソカが表情で促せば、それを読み取ったナマエが続きを話し出した。
「【杜樹】のね、髪を切っちゃったんだ。アイツ等にとって生命線とも言える力の源を奪ったんだから、それはもう凄い怒りようだった。当時は【世界の理】も知らなかったからね。怖いもの知らずって言うのかな?興味のある事は何でも、好奇心のままに動いてたんだよ。叱ってくれるのも、教えてくれるのも全部【白夜】と【十夜(トオヤ)】だけだったから。師匠の所に預けられるまで、私には【白夜】達しか物事を教えてくれる存在がいなかったのね。でも、子どもには難しい……小難しい言葉でしか【白夜】達は話せないんだよ。大昔から生きてるけど、子どもの相手はした事無かったって言ってたしさ」
いつの間にか、話は【杜樹】ではなく思い出話になっていた。
それでも、ヒソカは話を中断させる事無く最後まで話させる事に決めた。
ナマエの過去を知りたい。その一心だった。
ナマエは【式鬼】を名前でしか呼ばない。その事にどんな意味があるのかも、ヒソカには興味があった。
「だから、師匠と暮らす様になるまでは言葉遣いが異様に幼かったんだ。読み書きも師匠に教えて貰った。そんなんだから、いわゆる常識も無いって言えるかもね」
飛行船の窓から見える空は、既に明るさを失い漆黒の闇が広がっていた。
その窓を眺めながら、ナマエは一旦話す事を止めた。
「ごめん。こんな話、つまらないよね……」
「いや♦ボクにとっては興味深いよ♠もっと聞かせて欲しいな♥」
「そう?」
「うん♣ナマエの過去、ボクは訊きたい事だらけだ♠」
「うーん……私はヒソカの過去を訊きたいけどなぁ」
「ボクのかい?」
「うん!」
「残念だけど、ボクは自分の過去に興味が無いから覚えてないんだ♦」
「あはは、ヒソカらしいね」
その後もナマエの思い出話をヒソカは聞き出そうとしたが、ナマエはこれ以上は話してくれなかった。
数日後。飛行船はジャポンにある、ナマエの住んでいる町近くの飛行場へと到着した。
「久々のジャポンだ―!」
飛行場を出た途端にはしゃぐナマエ。ヒソカはそんなナマエを微笑ましく思いながら、手を引いて歩き出した。
「師匠には連絡しなくていいのかい?」
「もうメールしてあるから大丈夫だよ。元々、一人暮らしする前から必要以上の干渉はしない関係だったし」
「そう♣」
「それより、早く荷物置いて森に行きたい!」
「ナマエは本当にあの森が好きなんだね♠」
「うん!あの森が実家だからね~」
笑顔でそう答えるナマエの顔を見て、ヒソカの表情も自然と緩んでいた。
飛行場から電車に乗り、ナマエの家がある町まで移動する。
移動中、ヒソカは片手にナマエの荷物を持ち、もう片方の手は常にナマエと繋いでいた。
「別に今更逃げようと思わないって」
「ボクがしたいからしてるんだよ♦」
繋げている手をギュッと握られ、ナマエは恥ずかしくなった。何しろ、今一緒にいるのは奇術師メイクをしていない素のヒソカだったからだ。
「そういう恥ずかしい事言わないでよ……」
「何か言ったかい?」
「何でもありませーん」
小さく呟いたはずだったのに、ヒソカにはその声が聞こえていた様だ。気恥ずかしさにナマエは黙って前を向く事にした。
家に到着したナマエは、早速動き易い服に着替えた。ヒソカが訊けば、『今から森に行く』との事。ナマエはヒソカにもいつもの格好になる様促した。
「あ、ヒソカにお願いがあったんだ!」
突然思い出した様に声を上げたナマエ。ヒソカは不思議そうに首を傾げた。
ナマエは懐かしそうに当時の事を話し始めた。
「殺されかけた?」
「うん。今思うと、【杜樹】に対してかなり失礼な事したからね。子どもだから出来た事だよ。今は怖くてあんな事出来ないな……」
ナマエの顔が恐怖で歪んだ。一体何をしたんだ?とヒソカが表情で促せば、それを読み取ったナマエが続きを話し出した。
「【杜樹】のね、髪を切っちゃったんだ。アイツ等にとって生命線とも言える力の源を奪ったんだから、それはもう凄い怒りようだった。当時は【世界の理】も知らなかったからね。怖いもの知らずって言うのかな?興味のある事は何でも、好奇心のままに動いてたんだよ。叱ってくれるのも、教えてくれるのも全部【白夜】と【十夜(トオヤ)】だけだったから。師匠の所に預けられるまで、私には【白夜】達しか物事を教えてくれる存在がいなかったのね。でも、子どもには難しい……小難しい言葉でしか【白夜】達は話せないんだよ。大昔から生きてるけど、子どもの相手はした事無かったって言ってたしさ」
いつの間にか、話は【杜樹】ではなく思い出話になっていた。
それでも、ヒソカは話を中断させる事無く最後まで話させる事に決めた。
ナマエの過去を知りたい。その一心だった。
ナマエは【式鬼】を名前でしか呼ばない。その事にどんな意味があるのかも、ヒソカには興味があった。
「だから、師匠と暮らす様になるまでは言葉遣いが異様に幼かったんだ。読み書きも師匠に教えて貰った。そんなんだから、いわゆる常識も無いって言えるかもね」
飛行船の窓から見える空は、既に明るさを失い漆黒の闇が広がっていた。
その窓を眺めながら、ナマエは一旦話す事を止めた。
「ごめん。こんな話、つまらないよね……」
「いや♦ボクにとっては興味深いよ♠もっと聞かせて欲しいな♥」
「そう?」
「うん♣ナマエの過去、ボクは訊きたい事だらけだ♠」
「うーん……私はヒソカの過去を訊きたいけどなぁ」
「ボクのかい?」
「うん!」
「残念だけど、ボクは自分の過去に興味が無いから覚えてないんだ♦」
「あはは、ヒソカらしいね」
その後もナマエの思い出話をヒソカは聞き出そうとしたが、ナマエはこれ以上は話してくれなかった。
数日後。飛行船はジャポンにある、ナマエの住んでいる町近くの飛行場へと到着した。
「久々のジャポンだ―!」
飛行場を出た途端にはしゃぐナマエ。ヒソカはそんなナマエを微笑ましく思いながら、手を引いて歩き出した。
「師匠には連絡しなくていいのかい?」
「もうメールしてあるから大丈夫だよ。元々、一人暮らしする前から必要以上の干渉はしない関係だったし」
「そう♣」
「それより、早く荷物置いて森に行きたい!」
「ナマエは本当にあの森が好きなんだね♠」
「うん!あの森が実家だからね~」
笑顔でそう答えるナマエの顔を見て、ヒソカの表情も自然と緩んでいた。
飛行場から電車に乗り、ナマエの家がある町まで移動する。
移動中、ヒソカは片手にナマエの荷物を持ち、もう片方の手は常にナマエと繋いでいた。
「別に今更逃げようと思わないって」
「ボクがしたいからしてるんだよ♦」
繋げている手をギュッと握られ、ナマエは恥ずかしくなった。何しろ、今一緒にいるのは奇術師メイクをしていない素のヒソカだったからだ。
「そういう恥ずかしい事言わないでよ……」
「何か言ったかい?」
「何でもありませーん」
小さく呟いたはずだったのに、ヒソカにはその声が聞こえていた様だ。気恥ずかしさにナマエは黙って前を向く事にした。
家に到着したナマエは、早速動き易い服に着替えた。ヒソカが訊けば、『今から森に行く』との事。ナマエはヒソカにもいつもの格好になる様促した。
「あ、ヒソカにお願いがあったんだ!」
突然思い出した様に声を上げたナマエ。ヒソカは不思議そうに首を傾げた。