最終試験
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「素直にギブアップしたら?」
ギタラクルの首筋に刃を突き付けながら言い放つナマエの表情には、いつもの優しさは微塵も感じられない。
少しでも力を入れたら、ギタラクルの首を刎ねられる。その状況に、ギタラクルは驚いていた。
まさか自分がこんな女に簡単に背後を取られるとは思っていなかったのだ。
「うん。オレの負けでいいや」
すぅっと薄く切られている首筋から血を流しながら、ギタラクルは負けを宣言した。
「おかえり♥」
「ただいま、ヒソカ」
「どうしたんだい?」
戻って来るなり、ヒソカに抱きついたナマエ。
「癒やし補給中」
「くくっ♠ボクで癒されるなんて、キミは変わってるね♦」
「彼氏に癒やしを求めて何が悪いの?ヒソカが嫌なら、キルア君の所に――」
『行く』と言う前に、ヒソカにキツく抱き留められた。
「ボク以外の男の所に行くなんて、良い度胸しているね♣」
「冗談だよ、冗談」
「笑えない冗談はよしておくれ♦ナマエには、後でお仕置きだね♥」
ヒソカの言葉に、背中を嫌な汗が伝った。
そして第8試合。キルア対ギタラクル戦。
開始の合図と共に、ギタラクルはキルアに向かって『久し振り』と言った。
何の事か解らずにいるキルアの前で、ギタラクルは顔に刺している鋲を次々と抜いていく。四次試験の時に見た、あの顔に変わったギタラクル。
「……兄……貴!!」
キルアはその姿を見て、ギタラクルを兄と呼んだ。
「や」
「キルアの兄貴……!?」
「え?ギタラクルってキルア君のお兄さんだったの?」
ヒソカを見ながら言うと、ヒソカはにんまりと笑った。
「そうだよ♦本名はイルミ=ゾルディック♣」
「ゾルディック……あの暗殺一家の?」
「うん♠」
会場に嫌な空気が充満した。
「母さんとミルキを刺したんだって?」
「まぁね」
「母さん泣いてたよ」
「そりゃそうだろうな。息子にそんなひでー目に遭わされちゃ」
「感激してた。『あのコが立派に成長してくれて嬉しい』ってさ」
イルミの言葉に、レオリオが派手にコケた。一般人には理解出来ない言葉だ。
「『でも、やっぱりまだ外に出すのは心配だから』って、それとなく様子を見て来る様に頼まれたんだけど、奇遇だね。まさかキルがハンターになりたいと思ってたなんてね。実はオレも次の仕事の関係上資格を取りたくてさ」
「別になりたかった訳じゃないよ。ただ何となく受けてみただけさ」
「……そうか。安心したよ。心置きなく忠告出来る。お前はハンターに向かないよ。お前の天職は殺し屋なんだから」
イルミの漆黒の瞳が、キルアを見据えている。
「お前は熱を持たない闇人形だ。自身は何も欲しがらず、何も望まない。陰を糧に動く。お前が唯一歓びを抱くのは、人の死に触れた時。お前は親父とオレにそう育てられた。そんなお前が、何を求めてハンターになると?」
「確かに……ハンターになりたいと思ってる訳じゃない。だけど、オレにだって欲しい物位ある」
「無いね」
「ある!今望んでる事だってある!」
「ふーん。言ってご覧。何が望みか?」
イルミの言葉に、キルアは無言になってしまう。
イルミの威圧感が半端ないのは、ナマエには感じられていた。
「どうした?本当は望みなんてないんだろ?」
「違う!ゴンと……友達になりたい。もう人殺しなんてうんざりだ。普通にゴンと友達になって、普通に遊びたい」
キルアは絞り出した様に叫んだ。
しかし、イルミはその言葉を受け入れなかった。
「無理だね。お前に友達なんて出来っこないよ。お前は人というものを殺せるか殺せないかでしか判断出来ない。そう教えこまれたからね。今のお前にはゴンが眩し過ぎて、測り切れないでいるだけだ。友達になりたい訳じゃない」
「違う……」
「彼の側にいれば、いつかお前は彼を殺したくなるよ。殺せるか殺せないか試したくなる」
キルアは震えている。イルミの言葉を否定したくて、でもそれが出来なくて震えている。
ギタラクルの首筋に刃を突き付けながら言い放つナマエの表情には、いつもの優しさは微塵も感じられない。
少しでも力を入れたら、ギタラクルの首を刎ねられる。その状況に、ギタラクルは驚いていた。
まさか自分がこんな女に簡単に背後を取られるとは思っていなかったのだ。
「うん。オレの負けでいいや」
すぅっと薄く切られている首筋から血を流しながら、ギタラクルは負けを宣言した。
「おかえり♥」
「ただいま、ヒソカ」
「どうしたんだい?」
戻って来るなり、ヒソカに抱きついたナマエ。
「癒やし補給中」
「くくっ♠ボクで癒されるなんて、キミは変わってるね♦」
「彼氏に癒やしを求めて何が悪いの?ヒソカが嫌なら、キルア君の所に――」
『行く』と言う前に、ヒソカにキツく抱き留められた。
「ボク以外の男の所に行くなんて、良い度胸しているね♣」
「冗談だよ、冗談」
「笑えない冗談はよしておくれ♦ナマエには、後でお仕置きだね♥」
ヒソカの言葉に、背中を嫌な汗が伝った。
そして第8試合。キルア対ギタラクル戦。
開始の合図と共に、ギタラクルはキルアに向かって『久し振り』と言った。
何の事か解らずにいるキルアの前で、ギタラクルは顔に刺している鋲を次々と抜いていく。四次試験の時に見た、あの顔に変わったギタラクル。
「……兄……貴!!」
キルアはその姿を見て、ギタラクルを兄と呼んだ。
「や」
「キルアの兄貴……!?」
「え?ギタラクルってキルア君のお兄さんだったの?」
ヒソカを見ながら言うと、ヒソカはにんまりと笑った。
「そうだよ♦本名はイルミ=ゾルディック♣」
「ゾルディック……あの暗殺一家の?」
「うん♠」
会場に嫌な空気が充満した。
「母さんとミルキを刺したんだって?」
「まぁね」
「母さん泣いてたよ」
「そりゃそうだろうな。息子にそんなひでー目に遭わされちゃ」
「感激してた。『あのコが立派に成長してくれて嬉しい』ってさ」
イルミの言葉に、レオリオが派手にコケた。一般人には理解出来ない言葉だ。
「『でも、やっぱりまだ外に出すのは心配だから』って、それとなく様子を見て来る様に頼まれたんだけど、奇遇だね。まさかキルがハンターになりたいと思ってたなんてね。実はオレも次の仕事の関係上資格を取りたくてさ」
「別になりたかった訳じゃないよ。ただ何となく受けてみただけさ」
「……そうか。安心したよ。心置きなく忠告出来る。お前はハンターに向かないよ。お前の天職は殺し屋なんだから」
イルミの漆黒の瞳が、キルアを見据えている。
「お前は熱を持たない闇人形だ。自身は何も欲しがらず、何も望まない。陰を糧に動く。お前が唯一歓びを抱くのは、人の死に触れた時。お前は親父とオレにそう育てられた。そんなお前が、何を求めてハンターになると?」
「確かに……ハンターになりたいと思ってる訳じゃない。だけど、オレにだって欲しい物位ある」
「無いね」
「ある!今望んでる事だってある!」
「ふーん。言ってご覧。何が望みか?」
イルミの言葉に、キルアは無言になってしまう。
イルミの威圧感が半端ないのは、ナマエには感じられていた。
「どうした?本当は望みなんてないんだろ?」
「違う!ゴンと……友達になりたい。もう人殺しなんてうんざりだ。普通にゴンと友達になって、普通に遊びたい」
キルアは絞り出した様に叫んだ。
しかし、イルミはその言葉を受け入れなかった。
「無理だね。お前に友達なんて出来っこないよ。お前は人というものを殺せるか殺せないかでしか判断出来ない。そう教えこまれたからね。今のお前にはゴンが眩し過ぎて、測り切れないでいるだけだ。友達になりたい訳じゃない」
「違う……」
「彼の側にいれば、いつかお前は彼を殺したくなるよ。殺せるか殺せないか試したくなる」
キルアは震えている。イルミの言葉を否定したくて、でもそれが出来なくて震えている。