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「ヒソカには――」
「ボクには言えない事?」
「言えないんじゃない。言いたくないだけ」
「それは聞き捨てならないね♦」
『ボクの気持ちを知ってて、そんな事言うのかい?』とヒソカは抱き締める腕を緩めずに懇願する様に囁いた。
ヒソカは狡い。自分は隠し事をする癖に、ナマエにはそれを許さない。
ヒソカは卑怯だ。自分は見せないのに、ナマエには弱い所を見せろと言う。
ヒソカは狡猾だ。自分の事は話さないのに、ナマエの事は巧みに聞き出そうとする。
それでも、根本的に嫌いになれないでいる。そんな自分にナマエは嫌気が差してきた。
「ヒソカには……ヒソカには解かんないよ、私の気持ちなんて」
「ナマエの気持ち?どういう意味だい?」
ヒソカはその目を更に細め、ナマエに先を促した。
「私とヒソカは生きている世界が――違い過ぎる」
「確かに違うね♣でも、それだけが理由じゃないんだろう?」
「…………」
「ナマエはボクにとって、眩しい世界の住人だ。両親を始めとする、色んな人に愛されて生きてきたんだろう?」
「いないよ……」
「え?」
「両親なんていない。あえて言うなら……【白夜(ビャクヤ)】と【十夜(トオヤ)】が両親だ」
「どういう――」
「私に【人間】の両親なんかいない!捨てられたんだよ!!」
ヒソカの言葉に被せて言うと、ナマエは大きな瞳を伏せ、大粒の涙を零していた。
ヒソカはその涙を唇で掬い取ると、優しく語りかけた。
「詳しく……訊いてもいいかい?」
「そのまんまだよ……赤ん坊の頃に、森で【十夜】に拾われた。最初は【十夜】が1人で育てようとしてたけど――結局上手くいかなくて【白夜】に泣きついたんだって。それからは【白夜】と【十夜】が私の両親。【十六夜】とは姉弟なんだ……師匠に預けられるまでは、私はずっと森で暮らしてたし」
「そう♣」
「だから、本音を言うと【人間】全般がまだ怖い。特に、ヒソカみたいに欲求に忠実に生きてる【人間】は怖い。本能的に危険を感じる」
「♦」
「それなのに……怖いと思っているのに、嫌いになれない。それが私の頭では理解出来ない」
「無理に理解しなくていいよ♦」
まるで赤子をあやす様に、ヒソカはナマエの頭を撫でてやる。
「ボクは確かに自分の欲求に対して正直に生きている♠だけど、ナマエに対しては違う♣それは理解出来ているんだろう?」
ヒソカの問い掛けに、ナマエは黙って頷いた。
「なら、それで良いじゃないか♦ボクはボクで、ナマエはナマエだ♠生き方に違いはあれど、同じ【人間】に変わりはない♦」
『違うかい?』と言いながらヒソカはナマエの瞼にキスを贈った。
擽ったいとナマエは身を捩るが、ヒソカは止めなかった。
瞼の次に鼻、頬、首筋、そして掌へとキスを落としていく。
「擽ったいって……」
「くく♦なら、この前みたいなキスにするかい?」
喉の奥で笑うヒソカは、奇術師のメイクをしているのにひどく魅惑的だった。
「流されそうで怖いから、遠慮しとく」
伏目がちにそう言うと、ヒソカはナマエの顎をすくった。ナマエは何かを言おうとしたが、ヒソカの唇に塞がれそれは叶わなかった。
「ちょっ……ヒソ…………」
「少し……黙ってて♣」
ひどく穏やかな声音で言われ、ナマエはただヒソカの服を掴むしか出来なくなっていた。
どの位の時間そうしていたのかは分からない。ただ、ヒソカから贈られる啄むようなキスにナマエは溺れていた。
やがて満足したのか、ヒソカが離れていった。
少しの寂しさを感じたナマエは、ヒソカの瞳を見つめる。
「くくくっ♣そんな瞳で見つめるなよ♠欲情しちゃうじゃないか♥」
「すれば?それがヒソカだって言うなら、受け止めるよ」
ナマエの意外な応えに、ヒソカは一瞬目を瞠った。
ナマエの意図は解らない。けれども、自分を受け入れると言ってくれた事が何よりも嬉しかった。
「嬉しい誤算だけど……今は我慢するよ♦ボクのせいで最終試験に落ちた、なんて言われたくないからね♠」
『でも、試験が終わったら覚悟してね♥』と綺麗な笑みで言うヒソカ。
ナマエはそれに対し、黙って頷いて見せた。
「ボクには言えない事?」
「言えないんじゃない。言いたくないだけ」
「それは聞き捨てならないね♦」
『ボクの気持ちを知ってて、そんな事言うのかい?』とヒソカは抱き締める腕を緩めずに懇願する様に囁いた。
ヒソカは狡い。自分は隠し事をする癖に、ナマエにはそれを許さない。
ヒソカは卑怯だ。自分は見せないのに、ナマエには弱い所を見せろと言う。
ヒソカは狡猾だ。自分の事は話さないのに、ナマエの事は巧みに聞き出そうとする。
それでも、根本的に嫌いになれないでいる。そんな自分にナマエは嫌気が差してきた。
「ヒソカには……ヒソカには解かんないよ、私の気持ちなんて」
「ナマエの気持ち?どういう意味だい?」
ヒソカはその目を更に細め、ナマエに先を促した。
「私とヒソカは生きている世界が――違い過ぎる」
「確かに違うね♣でも、それだけが理由じゃないんだろう?」
「…………」
「ナマエはボクにとって、眩しい世界の住人だ。両親を始めとする、色んな人に愛されて生きてきたんだろう?」
「いないよ……」
「え?」
「両親なんていない。あえて言うなら……【白夜(ビャクヤ)】と【十夜(トオヤ)】が両親だ」
「どういう――」
「私に【人間】の両親なんかいない!捨てられたんだよ!!」
ヒソカの言葉に被せて言うと、ナマエは大きな瞳を伏せ、大粒の涙を零していた。
ヒソカはその涙を唇で掬い取ると、優しく語りかけた。
「詳しく……訊いてもいいかい?」
「そのまんまだよ……赤ん坊の頃に、森で【十夜】に拾われた。最初は【十夜】が1人で育てようとしてたけど――結局上手くいかなくて【白夜】に泣きついたんだって。それからは【白夜】と【十夜】が私の両親。【十六夜】とは姉弟なんだ……師匠に預けられるまでは、私はずっと森で暮らしてたし」
「そう♣」
「だから、本音を言うと【人間】全般がまだ怖い。特に、ヒソカみたいに欲求に忠実に生きてる【人間】は怖い。本能的に危険を感じる」
「♦」
「それなのに……怖いと思っているのに、嫌いになれない。それが私の頭では理解出来ない」
「無理に理解しなくていいよ♦」
まるで赤子をあやす様に、ヒソカはナマエの頭を撫でてやる。
「ボクは確かに自分の欲求に対して正直に生きている♠だけど、ナマエに対しては違う♣それは理解出来ているんだろう?」
ヒソカの問い掛けに、ナマエは黙って頷いた。
「なら、それで良いじゃないか♦ボクはボクで、ナマエはナマエだ♠生き方に違いはあれど、同じ【人間】に変わりはない♦」
『違うかい?』と言いながらヒソカはナマエの瞼にキスを贈った。
擽ったいとナマエは身を捩るが、ヒソカは止めなかった。
瞼の次に鼻、頬、首筋、そして掌へとキスを落としていく。
「擽ったいって……」
「くく♦なら、この前みたいなキスにするかい?」
喉の奥で笑うヒソカは、奇術師のメイクをしているのにひどく魅惑的だった。
「流されそうで怖いから、遠慮しとく」
伏目がちにそう言うと、ヒソカはナマエの顎をすくった。ナマエは何かを言おうとしたが、ヒソカの唇に塞がれそれは叶わなかった。
「ちょっ……ヒソ…………」
「少し……黙ってて♣」
ひどく穏やかな声音で言われ、ナマエはただヒソカの服を掴むしか出来なくなっていた。
どの位の時間そうしていたのかは分からない。ただ、ヒソカから贈られる啄むようなキスにナマエは溺れていた。
やがて満足したのか、ヒソカが離れていった。
少しの寂しさを感じたナマエは、ヒソカの瞳を見つめる。
「くくくっ♣そんな瞳で見つめるなよ♠欲情しちゃうじゃないか♥」
「すれば?それがヒソカだって言うなら、受け止めるよ」
ナマエの意外な応えに、ヒソカは一瞬目を瞠った。
ナマエの意図は解らない。けれども、自分を受け入れると言ってくれた事が何よりも嬉しかった。
「嬉しい誤算だけど……今は我慢するよ♦ボクのせいで最終試験に落ちた、なんて言われたくないからね♠」
『でも、試験が終わったら覚悟してね♥』と綺麗な笑みで言うヒソカ。
ナマエはそれに対し、黙って頷いて見せた。