三次試験
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ナマエは自身の鼻先を、アズマのソレとくっつけ、にへらと笑った。そんなナマエにつられて、アズマも笑みを称える。
「ナマエよ、お前はこれからアズマと暮らすんだ」
「むー……なんでー?」
「アズマから【人】の世で生きる術を学ぶんだ」
「お前が【人】として生きる事を、俺達は望んでいるんだ」
「……」
ナマエは俯き、大粒の涙を流していた。
「みんな、ナマエの事がキライになったの?」
「そうじゃない!本当は俺だって離れたくないんだ!!だが、俺は【犬神】でお前は【人】だ……このままの生活を続けてちゃ駄目なんだ。解ってくれ、ナマエ」
【十夜】がさも悔しそうに唸った。
「【とおや】なかないで?」
アズマの元から【十夜】の元へと駆け戻り、その首元に抱きつくナマエ。まだ幼いナマエは、何故自分が【白夜】達と別れなければならないのか理解出来ていない。ただ解るのは、今日でこの心優しい【家族】と引き離されるという事だけ。
「さあ、ナマエちゃん。こっちにおいで」
アズマに促され、【十夜】から渋々離れるナマエ。その顔は悲嘆に暮れていた。
「またあえるよね?」
「ああ。我等は常にナマエの傍におる。その事を努々忘れるで無いぞ」
そう言い残し、【白夜】は【十夜】を連れて森の奥深くに向かって走り去った。
「【びゃくや】ー!【とおや】ー!!」
泣き叫び、今にも後を追いそうなナマエを、アズマは抱きとめる。
「駄目だよ。君はもう此処にはいちゃいけないんだ……今日からは僕が君の【家族】だ」
諭す様に優しく語り掛けるアズマに反抗する様に、ナマエは身体全体で拒絶を表した。
「やー!おいてかないでー!!ナマエ、いいこにするからー!!!」
顔をぐしゃぐしゃにしながら、ナマエは泣き叫んだ。
「嫌だ……置いてかないで…………!!」
ナマエは叫びながら飛び起きた。身体中に不快な汗がこびりついている。
肩で息をしながら手で顔を覆っていると、隣に座っていたヒソカが心配そうにその顔を覗きこんできた。
「ナマエ?!大丈夫かい?」
「ヒソカ……うん、ごめん…………大丈夫」
「魘されていたし、顔色が悪いよ♦」
「ちょっと昔の事が夢に出てね……」
「昔の事……それは訊いてもいいかい?」
控えめにヒソカは確認した。
多分、以前【白夜】が言っていた事に関係があるのだろう。
知りたい。そんな思いを隠しきれずに、ナマエに訊いてみた。
「ん……ちょっと待って…………落ち着いたら話すから」
息を整えようとしているナマエだが、全身がカタカタ震えている。
そんな様子を見て、ヒソカの体は自然と動いていた。
ヒソカ自身、気づいたらナマエを抱き締めていた。今までの様に意図的に抱き締めたのではなく、本能的に抱き締めていた。
「大丈夫♣ボクがついてるから♠」
「ん……有難う」
ナマエは縋りつくかの様に、ヒソカの背に腕を回した。
ヒソカに抱き締められていた正確な時間は判らない。だけど、酷く安心したのだけは確かだった。久々に味わう安心感。幼い頃に感じた、【白夜】達と過ごした時の安心感に似ていた。
師匠であるアズマとの生活は確かに【人】の世を渡り歩くには役に立っているが、こういった安心感は無く、常に緊張していたのだ。
「もう大丈夫」
「本当に?」
「うん」
「じゃあ、話してくれるかい?」
「……良いよ」
それからナマエは、夢で見ていた内容をヒソカに語りだした。【白夜】と【十夜】との突然の別れ。その時、自分は捨てられたんだと思ってしまっていた事。アズマとの慣れない【人】としての生活。その全てが今でも心に引っ掛かっている事。
「そう♠ナマエにとっては辛い体験だったんだね♣」
「うん……でも、【白夜】達と師匠には感謝もしてる。今の私が在るのも、【式鬼】の力を得られたのも、全部この体験があったからだしね」
眉根を下げながら何処か悲しそうに話すナマエを、ヒソカは愛おしそうに抱き締め直した。
「どうしたの?」
「ボクはキミが好きだ♦」
「知ってる」
「とても愛おしいと思っている♣」
「ナマエよ、お前はこれからアズマと暮らすんだ」
「むー……なんでー?」
「アズマから【人】の世で生きる術を学ぶんだ」
「お前が【人】として生きる事を、俺達は望んでいるんだ」
「……」
ナマエは俯き、大粒の涙を流していた。
「みんな、ナマエの事がキライになったの?」
「そうじゃない!本当は俺だって離れたくないんだ!!だが、俺は【犬神】でお前は【人】だ……このままの生活を続けてちゃ駄目なんだ。解ってくれ、ナマエ」
【十夜】がさも悔しそうに唸った。
「【とおや】なかないで?」
アズマの元から【十夜】の元へと駆け戻り、その首元に抱きつくナマエ。まだ幼いナマエは、何故自分が【白夜】達と別れなければならないのか理解出来ていない。ただ解るのは、今日でこの心優しい【家族】と引き離されるという事だけ。
「さあ、ナマエちゃん。こっちにおいで」
アズマに促され、【十夜】から渋々離れるナマエ。その顔は悲嘆に暮れていた。
「またあえるよね?」
「ああ。我等は常にナマエの傍におる。その事を努々忘れるで無いぞ」
そう言い残し、【白夜】は【十夜】を連れて森の奥深くに向かって走り去った。
「【びゃくや】ー!【とおや】ー!!」
泣き叫び、今にも後を追いそうなナマエを、アズマは抱きとめる。
「駄目だよ。君はもう此処にはいちゃいけないんだ……今日からは僕が君の【家族】だ」
諭す様に優しく語り掛けるアズマに反抗する様に、ナマエは身体全体で拒絶を表した。
「やー!おいてかないでー!!ナマエ、いいこにするからー!!!」
顔をぐしゃぐしゃにしながら、ナマエは泣き叫んだ。
「嫌だ……置いてかないで…………!!」
ナマエは叫びながら飛び起きた。身体中に不快な汗がこびりついている。
肩で息をしながら手で顔を覆っていると、隣に座っていたヒソカが心配そうにその顔を覗きこんできた。
「ナマエ?!大丈夫かい?」
「ヒソカ……うん、ごめん…………大丈夫」
「魘されていたし、顔色が悪いよ♦」
「ちょっと昔の事が夢に出てね……」
「昔の事……それは訊いてもいいかい?」
控えめにヒソカは確認した。
多分、以前【白夜】が言っていた事に関係があるのだろう。
知りたい。そんな思いを隠しきれずに、ナマエに訊いてみた。
「ん……ちょっと待って…………落ち着いたら話すから」
息を整えようとしているナマエだが、全身がカタカタ震えている。
そんな様子を見て、ヒソカの体は自然と動いていた。
ヒソカ自身、気づいたらナマエを抱き締めていた。今までの様に意図的に抱き締めたのではなく、本能的に抱き締めていた。
「大丈夫♣ボクがついてるから♠」
「ん……有難う」
ナマエは縋りつくかの様に、ヒソカの背に腕を回した。
ヒソカに抱き締められていた正確な時間は判らない。だけど、酷く安心したのだけは確かだった。久々に味わう安心感。幼い頃に感じた、【白夜】達と過ごした時の安心感に似ていた。
師匠であるアズマとの生活は確かに【人】の世を渡り歩くには役に立っているが、こういった安心感は無く、常に緊張していたのだ。
「もう大丈夫」
「本当に?」
「うん」
「じゃあ、話してくれるかい?」
「……良いよ」
それからナマエは、夢で見ていた内容をヒソカに語りだした。【白夜】と【十夜】との突然の別れ。その時、自分は捨てられたんだと思ってしまっていた事。アズマとの慣れない【人】としての生活。その全てが今でも心に引っ掛かっている事。
「そう♠ナマエにとっては辛い体験だったんだね♣」
「うん……でも、【白夜】達と師匠には感謝もしてる。今の私が在るのも、【式鬼】の力を得られたのも、全部この体験があったからだしね」
眉根を下げながら何処か悲しそうに話すナマエを、ヒソカは愛おしそうに抱き締め直した。
「どうしたの?」
「ボクはキミが好きだ♦」
「知ってる」
「とても愛おしいと思っている♣」