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それでも、ヒソカは心配だった。流れとはいえ、ナマエと正式に付き合える事にはなった。しかし、恋人という肩書は出来たが、今までと何ら変わらない関係。
性急に事を進めたい訳ではない。ただ、ナマエの口から自身の事をどう思っているのかをはっきりと聞いた事がなかったからだ。
飲み物を持って戻って来たナマエは、ヒソカが何も言わずとも隣に腰を掛けてくれた。付き合う前はヒソカが言っても、酔った時位しか隣には座ってくれなかった。しかし、今は少しずつではあるがナマエは自分に心を許してくれている気がしていた。
「ナマエ♦」
「何?」
「ボクの事、どう思ってる?」
意を決して、ヒソカはナマエに訊いてみる事にした。
少し考えてから、ナマエはその答えを出した。
「変態?」
「……仮にも恋人にそれは無いんじゃないかい?」
「んー……別に今は嫌いじゃないよ。好きかどうかはまだ実感ないから判んないけど」
「そう♣でも、唇へのキスは相変わらず嫌がるよね♠」
持って来た飲み物を口に含みながら、ナマエは改めて考えた。言われてみれば、そうだった。故意にそうしている訳ではない。しかし、心の何処かでそれを良しとしない自分がいる。そう思い、素直にその事をヒソカへ伝えた。
「でも、一緒に寝るのは抵抗しなくなったよね♠」
「ヒソカが何もして来ないって判ったからね。もし無理矢理何かしようもんなら、その場で【十夜(トオヤ)】をけしかける」
「そういう事か♦なら、ナマエをその気にさせればいいんだね♥」
目の前の男は、何を思ったのかニンマリと笑った。
それから数日後、2人を乗せた飛行船は無事にザバン市の空港へと到着した。
空港からは目的地までのんびり歩いて行く事となり、ナマエはヒソカに手を引かれながらゆっくりと歩いていた。
「ツバシ町の2-5-10、か♣こっちだね♦」
「ヒソカ、道分かってるの?」
「うん♠地図あるし、奇術師に不可能はないから安心しなよ♥」
「そ。師匠からは住所と合言葉しか聞いてないから、後は任せた」
「うん♥」
空港を出て1時間も歩かない内に、目的地近くへと着いた。
「住所だと、此処だね♦」
地図を見ていたヒソカが顔を上げて指差した。その指先にあったのは、美味しそうな匂いを漂わせている1軒の定食屋だった。
「本当に此処で間違いないの?」
「うん♣ほら、見てみなよ♠」
ヒソカに促され地図を覗きこむと。本当に目の前の定食屋が聞いていた住所と一致していた。
「とりあえず入ろうか♦」
ヒソカに促され、一緒に定食屋:ゴハンへと入ってみる事にしたナマエ。
店内はそれなりに混み合っていた。
「いらっしぇーい!!ご注文はー?」
「えと……ステーキ定食」
ナマエの言葉に、店主が反応を示した。
「焼き方は?」
「弱火でじっくりお願いします」
「あいよー」
「お客さん、奥の部屋へどうぞー」
店員に案内されてヒソカと共に部屋に入ると、そこには既にステーキ定食が用意されていた。
「これ、マジでアタリなのかな?」
「さあね♦ハズレだったら、また来年受ければ良いさ♠」
怪訝な顔をするナマエを余所に、ヒソカは用意されている席へと着いた。ナマエもそれに倣うが、座るなり【十六夜(イザヨイ)】を喚び出した。
「こんな所で喚び出して、どうするんだい?」
「お目付け役みたいなもんだよ。【十六夜】なら見た目が鷲だし喋らないから、怪しまれる心配が無いでしょ?」
「確かに喋らないね。無口なのかい?」
「無口なんじゃなく、正確には喋れないだけ。まだ若いから、人語を話せないんだよ」
「若い?」
「うん。まだ500年位しか生きてないから無理なんだって」
そう答えると、ナマエは目の前のステーキを切り分け【十六夜】に分け与え始めた。
【十六夜】は熱さに苦戦しながらも、美味しそうに食べている。
その姿を微笑ましく眺めながら、ナマエも自分の分を食べ始めた。
気づいたら、部屋が微かな振動音をさせながら動いていた。どうやら、地下へと降りて行っている様だ。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか……」
「どっちでも、ナマエの事はボクが守るよ♥」
「はいはい」
「♣」
ヒソカの言葉を受け流していると、チンという音がなり、扉の上に【B100】の文字が浮かび上がった。その直後、扉が開き多数の殺気を当てられた。
「どうやら、アタリだったみたいだね♥」
「うわっ……敵意満々だよ…………【十六夜】、私から離れないようにね」
ナマエの呼び掛けに、【十六夜】は小さく鳴いて応えた。
性急に事を進めたい訳ではない。ただ、ナマエの口から自身の事をどう思っているのかをはっきりと聞いた事がなかったからだ。
飲み物を持って戻って来たナマエは、ヒソカが何も言わずとも隣に腰を掛けてくれた。付き合う前はヒソカが言っても、酔った時位しか隣には座ってくれなかった。しかし、今は少しずつではあるがナマエは自分に心を許してくれている気がしていた。
「ナマエ♦」
「何?」
「ボクの事、どう思ってる?」
意を決して、ヒソカはナマエに訊いてみる事にした。
少し考えてから、ナマエはその答えを出した。
「変態?」
「……仮にも恋人にそれは無いんじゃないかい?」
「んー……別に今は嫌いじゃないよ。好きかどうかはまだ実感ないから判んないけど」
「そう♣でも、唇へのキスは相変わらず嫌がるよね♠」
持って来た飲み物を口に含みながら、ナマエは改めて考えた。言われてみれば、そうだった。故意にそうしている訳ではない。しかし、心の何処かでそれを良しとしない自分がいる。そう思い、素直にその事をヒソカへ伝えた。
「でも、一緒に寝るのは抵抗しなくなったよね♠」
「ヒソカが何もして来ないって判ったからね。もし無理矢理何かしようもんなら、その場で【十夜(トオヤ)】をけしかける」
「そういう事か♦なら、ナマエをその気にさせればいいんだね♥」
目の前の男は、何を思ったのかニンマリと笑った。
それから数日後、2人を乗せた飛行船は無事にザバン市の空港へと到着した。
空港からは目的地までのんびり歩いて行く事となり、ナマエはヒソカに手を引かれながらゆっくりと歩いていた。
「ツバシ町の2-5-10、か♣こっちだね♦」
「ヒソカ、道分かってるの?」
「うん♠地図あるし、奇術師に不可能はないから安心しなよ♥」
「そ。師匠からは住所と合言葉しか聞いてないから、後は任せた」
「うん♥」
空港を出て1時間も歩かない内に、目的地近くへと着いた。
「住所だと、此処だね♦」
地図を見ていたヒソカが顔を上げて指差した。その指先にあったのは、美味しそうな匂いを漂わせている1軒の定食屋だった。
「本当に此処で間違いないの?」
「うん♣ほら、見てみなよ♠」
ヒソカに促され地図を覗きこむと。本当に目の前の定食屋が聞いていた住所と一致していた。
「とりあえず入ろうか♦」
ヒソカに促され、一緒に定食屋:ゴハンへと入ってみる事にしたナマエ。
店内はそれなりに混み合っていた。
「いらっしぇーい!!ご注文はー?」
「えと……ステーキ定食」
ナマエの言葉に、店主が反応を示した。
「焼き方は?」
「弱火でじっくりお願いします」
「あいよー」
「お客さん、奥の部屋へどうぞー」
店員に案内されてヒソカと共に部屋に入ると、そこには既にステーキ定食が用意されていた。
「これ、マジでアタリなのかな?」
「さあね♦ハズレだったら、また来年受ければ良いさ♠」
怪訝な顔をするナマエを余所に、ヒソカは用意されている席へと着いた。ナマエもそれに倣うが、座るなり【十六夜(イザヨイ)】を喚び出した。
「こんな所で喚び出して、どうするんだい?」
「お目付け役みたいなもんだよ。【十六夜】なら見た目が鷲だし喋らないから、怪しまれる心配が無いでしょ?」
「確かに喋らないね。無口なのかい?」
「無口なんじゃなく、正確には喋れないだけ。まだ若いから、人語を話せないんだよ」
「若い?」
「うん。まだ500年位しか生きてないから無理なんだって」
そう答えると、ナマエは目の前のステーキを切り分け【十六夜】に分け与え始めた。
【十六夜】は熱さに苦戦しながらも、美味しそうに食べている。
その姿を微笑ましく眺めながら、ナマエも自分の分を食べ始めた。
気づいたら、部屋が微かな振動音をさせながら動いていた。どうやら、地下へと降りて行っている様だ。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか……」
「どっちでも、ナマエの事はボクが守るよ♥」
「はいはい」
「♣」
ヒソカの言葉を受け流していると、チンという音がなり、扉の上に【B100】の文字が浮かび上がった。その直後、扉が開き多数の殺気を当てられた。
「どうやら、アタリだったみたいだね♥」
「うわっ……敵意満々だよ…………【十六夜】、私から離れないようにね」
ナマエの呼び掛けに、【十六夜】は小さく鳴いて応えた。