宴
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「【桜希】」
「なんだ?」
「……一発殴らせて」
言うと同時に、ナマエは【桜希】の腹を思いっきり殴った。
しかし殴られた【桜希】は、何も無かったかの様にその場に立っていた。
「気が済んだか?ナマエ」
「少しはね……でも、どうせなら吹っ飛んで欲しかったな」
「くくくっ。余はそんなに軟弱ではないのでな。汝の力程度では微動だにしないわ。さぁ、婚儀の続きといこうぞ」
【桜希】が手を叩くと、何処からともなく和楽器が現れ独りでに音を奏で始めた。
優美な音に合わせ、宴席の中央に出た【桜希】は扇片手に優雅に舞う。
ひどく幻想的なその光景に、その場にいたモノ達は酔いしれていた。
「この舞って……」
「お前ェが最も得意とする“神子舞”だな」
「【黄龍】様が“神子舞”を舞うとはな」
「?」
ナマエと【杜樹】達の会話について行けず、ヒソカは黙って首を傾げた。
「“神子舞”とは【神】に捧げる舞の事じゃ。それを【神】である【黄龍】様が舞っている。本来ならナマエが舞うモノなのじゃがな」
「それだけ【黄龍】様は嬉しいのですな。いやぁ、めでたいめでたい。どれ、ワシも交ざろうかのぉ」
【太郎坊】は立ち上がると、懐から羽扇を取り出して【桜希】に合わせて舞い始めた。
まるで予め合わせ稽古していたかの様に、2人の息はピッタリと合っていた。
やがて賑やかな宴も終わり、【桜希】を始めとする【式鬼】とナマエ達2人だけが屋敷に残っていた。
「なんだか、いまだに信じられない」
「何がだい?」
「いきなり結婚式させられた事だよ」
「いい加減腹ァくくれ」
「いやいや、コレを信じろってのが無理あるでしょ……」
黒無垢から浴衣に着替えたナマエは、【杜樹】に反論した。
「だいたい何でこんなに急に結婚させられなきゃいけないの?!私の意思は関係ないわけ??」
「そんなに理由が欲しいか?」
「当たり前でしょうが、【桜希】」
「ナマエはボクと結婚したくなかったのかい?」
「そういう問題じゃないの!」
ふむ、と考えこんだ【桜希】。
そんな彼女は一拍置いて口を開いた。
「理由か……そうだな、我等と違い【人間】の寿命は短い」
「だから何なの?」
「ナマエが生きていられる時間の中で、【人間】で汝と渡り合える男がいるのであればそれが一番良いと思っていた」
「かと言って、オレの嫁にはならねェだろ?」
「当たり前でしょ!何で【杜樹】と結婚しなきゃなんないのさ」
「余はヒソカ以上に汝に似合いの男を見つけることが出来ないと思ってな。それが理由では駄目か?」
目を細めながら【桜希】はナマエを見据えた。
「ボクはナマエを愛してるし、ナマエもボクを愛してくれてる♥それでいいじゃないか♥」
畳み掛けるようにヒソカが追い打ちを掛けたことによって、ナマエは悔しそうに表情を歪めた。
「もし……」
「ん?」
「もしヒソカが浮気したら……」
「したら?」
「【太郎坊】に貰ったこの懐刀を抜くからね?」
「なんだい?そのいいオーラを放ってるのは……」
「イペタム――妖刀だよ」
イペタムと呼んだ懐刀の鞘を撫でながら、ナマエは続けた。
「一度抜いたら、血を吸うまで鞘には収まらない。私でも制御出来ないんだよね。だから――浮気したら真っ先に抜くからね?」
「クククッ♣」
真面目な顔で話すナマエに対し、ヒソカはさも可笑しそうに笑った。
「……冗談だと思ってるんでしょ?」
「まさか♦その反対だよ♠」
なおもクツクツと笑うヒソカを見て、ナマエはこの場でイペタムを抜こうかと本気で思い始めていた。
「なんだ?」
「……一発殴らせて」
言うと同時に、ナマエは【桜希】の腹を思いっきり殴った。
しかし殴られた【桜希】は、何も無かったかの様にその場に立っていた。
「気が済んだか?ナマエ」
「少しはね……でも、どうせなら吹っ飛んで欲しかったな」
「くくくっ。余はそんなに軟弱ではないのでな。汝の力程度では微動だにしないわ。さぁ、婚儀の続きといこうぞ」
【桜希】が手を叩くと、何処からともなく和楽器が現れ独りでに音を奏で始めた。
優美な音に合わせ、宴席の中央に出た【桜希】は扇片手に優雅に舞う。
ひどく幻想的なその光景に、その場にいたモノ達は酔いしれていた。
「この舞って……」
「お前ェが最も得意とする“神子舞”だな」
「【黄龍】様が“神子舞”を舞うとはな」
「?」
ナマエと【杜樹】達の会話について行けず、ヒソカは黙って首を傾げた。
「“神子舞”とは【神】に捧げる舞の事じゃ。それを【神】である【黄龍】様が舞っている。本来ならナマエが舞うモノなのじゃがな」
「それだけ【黄龍】様は嬉しいのですな。いやぁ、めでたいめでたい。どれ、ワシも交ざろうかのぉ」
【太郎坊】は立ち上がると、懐から羽扇を取り出して【桜希】に合わせて舞い始めた。
まるで予め合わせ稽古していたかの様に、2人の息はピッタリと合っていた。
やがて賑やかな宴も終わり、【桜希】を始めとする【式鬼】とナマエ達2人だけが屋敷に残っていた。
「なんだか、いまだに信じられない」
「何がだい?」
「いきなり結婚式させられた事だよ」
「いい加減腹ァくくれ」
「いやいや、コレを信じろってのが無理あるでしょ……」
黒無垢から浴衣に着替えたナマエは、【杜樹】に反論した。
「だいたい何でこんなに急に結婚させられなきゃいけないの?!私の意思は関係ないわけ??」
「そんなに理由が欲しいか?」
「当たり前でしょうが、【桜希】」
「ナマエはボクと結婚したくなかったのかい?」
「そういう問題じゃないの!」
ふむ、と考えこんだ【桜希】。
そんな彼女は一拍置いて口を開いた。
「理由か……そうだな、我等と違い【人間】の寿命は短い」
「だから何なの?」
「ナマエが生きていられる時間の中で、【人間】で汝と渡り合える男がいるのであればそれが一番良いと思っていた」
「かと言って、オレの嫁にはならねェだろ?」
「当たり前でしょ!何で【杜樹】と結婚しなきゃなんないのさ」
「余はヒソカ以上に汝に似合いの男を見つけることが出来ないと思ってな。それが理由では駄目か?」
目を細めながら【桜希】はナマエを見据えた。
「ボクはナマエを愛してるし、ナマエもボクを愛してくれてる♥それでいいじゃないか♥」
畳み掛けるようにヒソカが追い打ちを掛けたことによって、ナマエは悔しそうに表情を歪めた。
「もし……」
「ん?」
「もしヒソカが浮気したら……」
「したら?」
「【太郎坊】に貰ったこの懐刀を抜くからね?」
「なんだい?そのいいオーラを放ってるのは……」
「イペタム――妖刀だよ」
イペタムと呼んだ懐刀の鞘を撫でながら、ナマエは続けた。
「一度抜いたら、血を吸うまで鞘には収まらない。私でも制御出来ないんだよね。だから――浮気したら真っ先に抜くからね?」
「クククッ♣」
真面目な顔で話すナマエに対し、ヒソカはさも可笑しそうに笑った。
「……冗談だと思ってるんでしょ?」
「まさか♦その反対だよ♠」
なおもクツクツと笑うヒソカを見て、ナマエはこの場でイペタムを抜こうかと本気で思い始めていた。