宴
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ヒソカの声に戸惑いつつも、ナマエはゆっくりと顔を上げた。
「その着物もお化粧も、すごく似合ってるよ」
「ワタクシ達がお召し替えさせて頂いたのですから、お美しくなって当然で御座います!」
「【姑獲鳥】、恥ずかしいからそういう事言わないでよ……」
「でも……なんでその色なんだい?確かに白い肌が良く映える色だけど…………」
「くくくっ。ヒソカ、コレはな――“お前に染まってる”って意味があんだよ」
「ボクに?」
「そうだ。何色にも染まらない。お前以外には目もくれないって所だな」
「へェ……それで“黒”なのか」
改めて花嫁姿のナマエを目を細めながら見つめるヒソカ。
その視線の先には、黒無垢を身に纏って顔を赤くしているナマエがいた。
黒無垢の裏地は朱色となっており、より一層肌の白さを際立たせていた。
「元々は白無垢だったんだが、ナマエの婚儀の際は黒の方が良いと思って染めさせたのだ。ナマエが心底惚れ込んだ相手以外は、我等も迎え入れる気は無かったしな」
そう言うと、【桜希】は目を細めて2人を見た。
「我々は【神子】であるナマエに苦労を掛ける事になる。だからこそ【白夜】と【十夜】には相手の男を見定めさせ、余が認められる男を探してきた。まぁ、認められる【人間】が現れなければ【杜樹】の嫁にさせるつもりでいたがな」
「は?!」
「前から言ってただろ?オレの女になれってよ」
「そういう事だったの?!つか、【杜樹】のお嫁さんになるつもりは全く無かったんだけど??」
「【人間】に【神子】の仕事は理解出来ねェだろ?オレなら理解してるし、手助けも出来る。だからお前に相応しい男が現れなかったらオレに嫁がせる気だったんだよ、【黄龍】はな」
「どういうつもりなの!?【桜希】!!」
【杜樹】の言葉に、ナマエは一気に怒りを露わにした。
「どういうつもりも何も――【童子】の言った言葉のままだ。【人間】で相手が見つからなければ、一番【人間】に近い格好をしている【童子】が適任だと思っていたからな」
「は?そんな理由で私を【杜樹】と結婚させようと思ってたの?!」
「角がなければ、そこらにいる【人間】の男と大して変わらんだろう?」
何がおかしいのかとでも言いたげに、【桜希】は首を傾げて言葉を続けた。
「“強さ”も申し分ない。他に【童子】以外に思いつく相手もいなかったしな。【神子】と【童子】との子であれば、次世代の【神子】が出来るも同然。そうなれば、【人間】でなくとも問題ない」
「それってさ、私の結婚相手は始めから【杜樹】以外考えてなかったって事なんでしょ?」
「そうとも言えるな。なにせ、汝の理解者を【人間】に求めるのは困難だったからな。しかし、我等の思惑は外れた。まさか【人間】で汝の伴侶が務まる男が現れたのだからな」
「結果的にはヒソカとくっつけるんだから、いいじゃねェか。オレもお前ェの決めた事に口出ししたくねェしな」
「だからって……」
「ナマエ♣」
「あんまりじゃないのさ……」
「ボクは気にしていない♦だから、ナマエもそんな顔しないで♠」
今にも泣きそうな顔になっているナマエを宥めながら、ヒソカは【桜希】に視線を移した。
「キミ達の考えは解った♠だけど、これ以上ナマエを悲しませるような話はしないでれ♣」
「そうじゃな。せっかくの祝の席じゃ。ナマエ、その様な顔をせずに笑え。お主に悲しい思いをさせたいわけではない」
「泣いたらせっかく【姑獲鳥】が施した化粧が崩れるぞ。俺達の事を【親】だと思ってくれているのなら、笑っていてくれ」
困った様に笑いながら、【十夜】はナマエの頭を優しく撫でた。
「その着物もお化粧も、すごく似合ってるよ」
「ワタクシ達がお召し替えさせて頂いたのですから、お美しくなって当然で御座います!」
「【姑獲鳥】、恥ずかしいからそういう事言わないでよ……」
「でも……なんでその色なんだい?確かに白い肌が良く映える色だけど…………」
「くくくっ。ヒソカ、コレはな――“お前に染まってる”って意味があんだよ」
「ボクに?」
「そうだ。何色にも染まらない。お前以外には目もくれないって所だな」
「へェ……それで“黒”なのか」
改めて花嫁姿のナマエを目を細めながら見つめるヒソカ。
その視線の先には、黒無垢を身に纏って顔を赤くしているナマエがいた。
黒無垢の裏地は朱色となっており、より一層肌の白さを際立たせていた。
「元々は白無垢だったんだが、ナマエの婚儀の際は黒の方が良いと思って染めさせたのだ。ナマエが心底惚れ込んだ相手以外は、我等も迎え入れる気は無かったしな」
そう言うと、【桜希】は目を細めて2人を見た。
「我々は【神子】であるナマエに苦労を掛ける事になる。だからこそ【白夜】と【十夜】には相手の男を見定めさせ、余が認められる男を探してきた。まぁ、認められる【人間】が現れなければ【杜樹】の嫁にさせるつもりでいたがな」
「は?!」
「前から言ってただろ?オレの女になれってよ」
「そういう事だったの?!つか、【杜樹】のお嫁さんになるつもりは全く無かったんだけど??」
「【人間】に【神子】の仕事は理解出来ねェだろ?オレなら理解してるし、手助けも出来る。だからお前に相応しい男が現れなかったらオレに嫁がせる気だったんだよ、【黄龍】はな」
「どういうつもりなの!?【桜希】!!」
【杜樹】の言葉に、ナマエは一気に怒りを露わにした。
「どういうつもりも何も――【童子】の言った言葉のままだ。【人間】で相手が見つからなければ、一番【人間】に近い格好をしている【童子】が適任だと思っていたからな」
「は?そんな理由で私を【杜樹】と結婚させようと思ってたの?!」
「角がなければ、そこらにいる【人間】の男と大して変わらんだろう?」
何がおかしいのかとでも言いたげに、【桜希】は首を傾げて言葉を続けた。
「“強さ”も申し分ない。他に【童子】以外に思いつく相手もいなかったしな。【神子】と【童子】との子であれば、次世代の【神子】が出来るも同然。そうなれば、【人間】でなくとも問題ない」
「それってさ、私の結婚相手は始めから【杜樹】以外考えてなかったって事なんでしょ?」
「そうとも言えるな。なにせ、汝の理解者を【人間】に求めるのは困難だったからな。しかし、我等の思惑は外れた。まさか【人間】で汝の伴侶が務まる男が現れたのだからな」
「結果的にはヒソカとくっつけるんだから、いいじゃねェか。オレもお前ェの決めた事に口出ししたくねェしな」
「だからって……」
「ナマエ♣」
「あんまりじゃないのさ……」
「ボクは気にしていない♦だから、ナマエもそんな顔しないで♠」
今にも泣きそうな顔になっているナマエを宥めながら、ヒソカは【桜希】に視線を移した。
「キミ達の考えは解った♠だけど、これ以上ナマエを悲しませるような話はしないでれ♣」
「そうじゃな。せっかくの祝の席じゃ。ナマエ、その様な顔をせずに笑え。お主に悲しい思いをさせたいわけではない」
「泣いたらせっかく【姑獲鳥】が施した化粧が崩れるぞ。俺達の事を【親】だと思ってくれているのなら、笑っていてくれ」
困った様に笑いながら、【十夜】はナマエの頭を優しく撫でた。