宴
夢小説設定
「もうっ……皆なんなの?!」
「いい加減覚悟を決めるのじゃ、ナマエ」
「いきなり過ぎるって言ってるの!心の準備も何もないじゃないのさ、こんなのって!!」
「そんなものは必要なかろう?」
「【桜希】!?」
開け放たれた襖に凭れ掛かりながら、【桜希】はクツクツと笑っていた。
「さて、どれにしようか?」
【桜希】が部屋に入ると、音も立てずに独りでに襖が閉まった。
「なんか楽しんでない??」
「楽しんで何が悪い?主の晴れの舞台なのだぞ??」
心底解らないという顔で【桜希】はナマエを見つめた。
「……仕組んだでしょ?」
「何故そう思う?」
「こんなに用意周到なんだから、普通に考えてそう思うでしょ!」
色とりどりの着物に囲まれ、ナマエは頬が引きずりこめかみを微かに震わせた。
「そう怒るな。あの若造……ヒソカの為に着飾ってやれ」
「【白夜】まで……恨むからね?」
「これしきの事で恨まれても、痛くも痒くもないわ。さっさと選ぶのじゃ」
「くそッ……なんなんだよ、皆して!あーもうっ!!分かったよ!!!選べば良いんでしょ!?選べば!」
ナマエは苛つきながらも用意されていた着物を見回した。
「……これって…………」
「ほぅ……それにするのか」
「ナマエが幼い頃に着たがっていた物じゃな」
「まだあったんだ……昔見た時と全く変わってない…………」
1枚の着物を手にし、ナマエの動きが止まった。
「ナマエらしいと言えば、ナマエらしい選択じゃな」
「それは汝の為に【女郎蜘蛛】に拵えさせた物だからな。そう簡単には変わらぬ」
「そっか……うん…………コレにする!」
「そうと決まれば、【神子】様!早速お召し替えを!!」
ナマエが【姑獲鳥】と呼んでいた女が、手早く浴衣を脱がせにかかった。
「【姑獲鳥】!自分で着れるから!!」
「いえいえ、こういう事はワタクシ達にお任せ下さいませ!今以上に美しくしてご覧にいれますれば!!」
「いやいやいや……」
「大人しくしておけ、ナマエよ。皆嬉しいのだ。【神子】の誕生と祝言が一度に行われるのだからな」
人一倍嬉しそうに目を細めながら、【桜希】は【姑獲鳥】達に取り囲まれているナマエを見ていた。
「まぁ!これは見事な花嫁姿で御座いますこと!!」
「ほんに美しゅうございます、【神子】様」
疲れてぐったりしているナマエを見ながら、【姑獲鳥】と共にナマエを取り囲んでいたモノ達からは歓喜の声が上がった。
「つ……疲れた…………」
「ほぅ……これはまた化けたな、ナマエ」
【白夜】は花嫁衣装に着替えさせられたナマエを見て、感嘆の声を出した。
「さぁ、汝が伴侶の元へ行こうか」
【桜希】に手を引かれ、ナマエは息つく暇もなく部屋を後にした。
【桜希】に連れられ先程までいた広間の前まで来ると、またしても襖が音もなく開いた。
「顔を上げるのじゃ、ナマエよ。ヒソカに化けた姿をきちんと見せてやれ」
後ろに控えていた【白夜】に促され恐る恐る顔を上げると、視線の先には直垂(ヒタタレ)に着替えたヒソカの姿があった。
「孫にも衣装じゃねェか!」
「これはこれは……美しゅうなりましたな、ナマエ殿」
「やはりソレを選んだか。ナマエらしいな」
広間へ一歩入るなり、【杜樹】達から声が上がった。
無言で隣へと座ったナマエを見ながら、ヒソカは息を吐いた。
「やっぱ似合わないよね……」
俯き苦笑しながら呟くナマエに、ヒソカは今までで一番優しい声で話し掛けた。
「そんな事はないよ♥すごく綺麗だ♥もっとちゃんと顔を見せてくれないかい?」
「いい加減覚悟を決めるのじゃ、ナマエ」
「いきなり過ぎるって言ってるの!心の準備も何もないじゃないのさ、こんなのって!!」
「そんなものは必要なかろう?」
「【桜希】!?」
開け放たれた襖に凭れ掛かりながら、【桜希】はクツクツと笑っていた。
「さて、どれにしようか?」
【桜希】が部屋に入ると、音も立てずに独りでに襖が閉まった。
「なんか楽しんでない??」
「楽しんで何が悪い?主の晴れの舞台なのだぞ??」
心底解らないという顔で【桜希】はナマエを見つめた。
「……仕組んだでしょ?」
「何故そう思う?」
「こんなに用意周到なんだから、普通に考えてそう思うでしょ!」
色とりどりの着物に囲まれ、ナマエは頬が引きずりこめかみを微かに震わせた。
「そう怒るな。あの若造……ヒソカの為に着飾ってやれ」
「【白夜】まで……恨むからね?」
「これしきの事で恨まれても、痛くも痒くもないわ。さっさと選ぶのじゃ」
「くそッ……なんなんだよ、皆して!あーもうっ!!分かったよ!!!選べば良いんでしょ!?選べば!」
ナマエは苛つきながらも用意されていた着物を見回した。
「……これって…………」
「ほぅ……それにするのか」
「ナマエが幼い頃に着たがっていた物じゃな」
「まだあったんだ……昔見た時と全く変わってない…………」
1枚の着物を手にし、ナマエの動きが止まった。
「ナマエらしいと言えば、ナマエらしい選択じゃな」
「それは汝の為に【女郎蜘蛛】に拵えさせた物だからな。そう簡単には変わらぬ」
「そっか……うん…………コレにする!」
「そうと決まれば、【神子】様!早速お召し替えを!!」
ナマエが【姑獲鳥】と呼んでいた女が、手早く浴衣を脱がせにかかった。
「【姑獲鳥】!自分で着れるから!!」
「いえいえ、こういう事はワタクシ達にお任せ下さいませ!今以上に美しくしてご覧にいれますれば!!」
「いやいやいや……」
「大人しくしておけ、ナマエよ。皆嬉しいのだ。【神子】の誕生と祝言が一度に行われるのだからな」
人一倍嬉しそうに目を細めながら、【桜希】は【姑獲鳥】達に取り囲まれているナマエを見ていた。
「まぁ!これは見事な花嫁姿で御座いますこと!!」
「ほんに美しゅうございます、【神子】様」
疲れてぐったりしているナマエを見ながら、【姑獲鳥】と共にナマエを取り囲んでいたモノ達からは歓喜の声が上がった。
「つ……疲れた…………」
「ほぅ……これはまた化けたな、ナマエ」
【白夜】は花嫁衣装に着替えさせられたナマエを見て、感嘆の声を出した。
「さぁ、汝が伴侶の元へ行こうか」
【桜希】に手を引かれ、ナマエは息つく暇もなく部屋を後にした。
【桜希】に連れられ先程までいた広間の前まで来ると、またしても襖が音もなく開いた。
「顔を上げるのじゃ、ナマエよ。ヒソカに化けた姿をきちんと見せてやれ」
後ろに控えていた【白夜】に促され恐る恐る顔を上げると、視線の先には直垂(ヒタタレ)に着替えたヒソカの姿があった。
「孫にも衣装じゃねェか!」
「これはこれは……美しゅうなりましたな、ナマエ殿」
「やはりソレを選んだか。ナマエらしいな」
広間へ一歩入るなり、【杜樹】達から声が上がった。
無言で隣へと座ったナマエを見ながら、ヒソカは息を吐いた。
「やっぱ似合わないよね……」
俯き苦笑しながら呟くナマエに、ヒソカは今までで一番優しい声で話し掛けた。
「そんな事はないよ♥すごく綺麗だ♥もっとちゃんと顔を見せてくれないかい?」