宴
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「う~……」
「ナマエ♣」
「……分かったよ…………認めれば良いんでしょ?!私は確かに彼等に牽制したよ!!ヒソカが大事だって!!!」
「有難う♥」
隣で恥ずかしそうに叫んだナマエを抱き寄せ、ヒソカは髪に口付けた。
「コイツは昔からそうだった。自分の声が【言霊】になるって知るまでは、よく唄ってたモンだ」
「ナマエには【魔物退治】以外にも生業がある。それが先程の様に宴席で唄う事。いつもは決まった歌しか唄わない。先程の様に誰かを想って唄うのは初めての事だ。それだけ貴様を想ってるんだ、俺の【娘】は」
【杜樹】と【十夜】の言葉に、ヒソカは目を細めた。
それだけ自分の事を想ってくれているナマエに、今まで以上に愛おしさがこみ上げてきていた。
「ねェ、ナマエ♦」
「な……何?」
「ボクにも聴かせてよ♠いつも歌っている唄♥」
「へ?!」
「是非とも聴きたいなァ、ナマエがいつも唄うもう一つの仕事の唄♥」
「……」
「駄目かい?」
俯いているナマエの顔を覗き込みながら、ヒソカはにこやかに笑っていた。
「駄目じゃないけど……」
「けど?」
「そんな大したものじゃないよ?」
「ボクが聴きたいんだ♥」
「ハァ……」
溜息を零し、ナマエは顔を上げた。
「アナタと出逢えて良かった ワタシに勇気をくれた
争う事無く 生きる希望をくれた
絶望の淵に立たされようとも アナタがいればそれでいい
そんな風に思えるのも アナタと出逢えたおかげ
見通しの悪い世界 それでもワタシには光が見える
夢なんかじゃない これは現実(リアル)
漆黒の闇の中でも照らしてくれる 希望の光
そう……これは現実なんだ アナタと共に生きれる
ワタシには 希望が見える
どんな困難でも アナタと一緒なら歩いて行ける♪」
ナマエの唄声は、その場にいたモノ達を釘付けにした。
「いつ聴いても良い唄声ですなぁ」
一瞬の静寂の後、最初に口を開いたのは【太郎坊】だった。
「今のは“祝福の唄”という、主に【人間】達の婚儀の際に唄われている唄じゃ」
「へェ♠」
「祝い事の席で舞いながら唄うのが通例なのだが……まぁ、その姿じゃいつもの様に舞う事も難しいからな」
「ナマエは踊りながら唄うのかい?」
「あァ。半狐面(ハンコメン)ってェ面をつけて舞うんだよ、ナマエは」
「“半狐面”?」
「顔の上半分を隠す狐の面ですな」
「ナマエは人前で唄い踊ることが苦手なんだ。だが、ナマエに“祝福の唄”を送られた【人間】は幸せになれるんだ、色んな意味でな」
初めて顔を綻ばせながら、【十夜】はヒソカに向かって言った。
「キミが笑うなんて……明日は天気が崩れそうだ♣」
「フンッ……俺だって笑うこと位あるわ。【娘】が幸せそうにしているのを見て笑わぬ【親】がいるか?俺はナマエに幸せになって欲しいだけだ。ただの【人間】にナマエを幸せにする事は出来ん。だからこそ、俺は今までナマエに近づく【人間】の男を尽く遠ざけてきたんだ。だが、お前は違った。俺がどんなに邪魔をしようと、ナマエから離れようとしなかった【人間】の男はお前が初めてだ」
「キミが他の男達にどんな事をしてきたのかは知らないけど、ボクはあの程度でナマエを手放したりしないさ♣」
真剣な眼差しで【十夜】を見つめ、ヒソカは言い切った。
「ナマエ♣」
「……分かったよ…………認めれば良いんでしょ?!私は確かに彼等に牽制したよ!!ヒソカが大事だって!!!」
「有難う♥」
隣で恥ずかしそうに叫んだナマエを抱き寄せ、ヒソカは髪に口付けた。
「コイツは昔からそうだった。自分の声が【言霊】になるって知るまでは、よく唄ってたモンだ」
「ナマエには【魔物退治】以外にも生業がある。それが先程の様に宴席で唄う事。いつもは決まった歌しか唄わない。先程の様に誰かを想って唄うのは初めての事だ。それだけ貴様を想ってるんだ、俺の【娘】は」
【杜樹】と【十夜】の言葉に、ヒソカは目を細めた。
それだけ自分の事を想ってくれているナマエに、今まで以上に愛おしさがこみ上げてきていた。
「ねェ、ナマエ♦」
「な……何?」
「ボクにも聴かせてよ♠いつも歌っている唄♥」
「へ?!」
「是非とも聴きたいなァ、ナマエがいつも唄うもう一つの仕事の唄♥」
「……」
「駄目かい?」
俯いているナマエの顔を覗き込みながら、ヒソカはにこやかに笑っていた。
「駄目じゃないけど……」
「けど?」
「そんな大したものじゃないよ?」
「ボクが聴きたいんだ♥」
「ハァ……」
溜息を零し、ナマエは顔を上げた。
「アナタと出逢えて良かった ワタシに勇気をくれた
争う事無く 生きる希望をくれた
絶望の淵に立たされようとも アナタがいればそれでいい
そんな風に思えるのも アナタと出逢えたおかげ
見通しの悪い世界 それでもワタシには光が見える
夢なんかじゃない これは現実(リアル)
漆黒の闇の中でも照らしてくれる 希望の光
そう……これは現実なんだ アナタと共に生きれる
ワタシには 希望が見える
どんな困難でも アナタと一緒なら歩いて行ける♪」
ナマエの唄声は、その場にいたモノ達を釘付けにした。
「いつ聴いても良い唄声ですなぁ」
一瞬の静寂の後、最初に口を開いたのは【太郎坊】だった。
「今のは“祝福の唄”という、主に【人間】達の婚儀の際に唄われている唄じゃ」
「へェ♠」
「祝い事の席で舞いながら唄うのが通例なのだが……まぁ、その姿じゃいつもの様に舞う事も難しいからな」
「ナマエは踊りながら唄うのかい?」
「あァ。半狐面(ハンコメン)ってェ面をつけて舞うんだよ、ナマエは」
「“半狐面”?」
「顔の上半分を隠す狐の面ですな」
「ナマエは人前で唄い踊ることが苦手なんだ。だが、ナマエに“祝福の唄”を送られた【人間】は幸せになれるんだ、色んな意味でな」
初めて顔を綻ばせながら、【十夜】はヒソカに向かって言った。
「キミが笑うなんて……明日は天気が崩れそうだ♣」
「フンッ……俺だって笑うこと位あるわ。【娘】が幸せそうにしているのを見て笑わぬ【親】がいるか?俺はナマエに幸せになって欲しいだけだ。ただの【人間】にナマエを幸せにする事は出来ん。だからこそ、俺は今までナマエに近づく【人間】の男を尽く遠ざけてきたんだ。だが、お前は違った。俺がどんなに邪魔をしようと、ナマエから離れようとしなかった【人間】の男はお前が初めてだ」
「キミが他の男達にどんな事をしてきたのかは知らないけど、ボクはあの程度でナマエを手放したりしないさ♣」
真剣な眼差しで【十夜】を見つめ、ヒソカは言い切った。