宴
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「いつの話してんだよ……ナマエはあの時まだガキだったんだ。ガキが純粋にオレに好意を持っての発言だ。善悪の判断も、物事の選択も出来る歳になったコイツの選んだ道を――オレ達に止める資格はねェんだよ。解ったらすっこんでろ。ここは祝の席だ。諍いを起こす場所じゃねェ。どうしても認めたくねェってんなら、オレ等【鬼】を相手に喧嘩売ることになんだぞ?それでもいいのか?」
「くそッ……それでも…………それでもワタシは認めないぞ!!」
「止めぬか、【刑部】。見苦しい。【神子】は自らの意思でこの男を選んだのじゃ。我等にそれを止める権利なぞない」
言い争いに嫌気が差した【白夜】が口を挟んだ。
「【空狐(クウコ)】殿まで賛成なのか?!あんなに大事に育ててきた【神子】殿を……【人間】に渡しちまって良いのかよ!?」
「良いも何も……【娘】が選んだ道じゃ。【親】として見守るのは当然の事じゃろう?それに、我等はこの男を見定めてきた。その上でこの男を【娘】の伴侶として認めたのじゃ」
【白夜】の言葉に、一部のモノ達が更にざわついた。
「ああ、彼は言う『もうやめればいい、何も変わらないよ』と
ああ、彼女は言う『始めてみなきゃわからない』と
人と交わり合っていく中で
言葉一つで浮き沈み変わる
十人十色 ぶつかって心すり減らしていく
まるで終わりの無いシーソーゲーム
もがけばもがくほどもつれてく
勝敗なんてつかないレースまた始める
言葉だけじゃ全て伝わらない
でも黙ってても何も変わらない
時には感情のままぶつけていいさ
火花を散らせ♪」
突然立ち上がったと思ったら、ナマエは口ずさんでいた。
それは聞いたこともない唄だった。
その場にいたモノ全てが、その唄声に聴き入っていた。
「【刑部】……私は…………私は皆に理解して貰おうと思ってない。だから――貴方も見定めて。私が選んだ道を。私が選んだ男を」
「くッ……」
ナマエに真っ直ぐ見つめられる事に耐えられなくなった【刑部】は、ヒソカを睨みつけてその場から姿を消した。
「さて……反対するモノは【刑部】の様に出て行くが良い。此処は祝の席だ。憎しみも反感も要らん。今なら見逃してやろう。この2人を祝福出来んモノは出て行くのが賢明だ」
不敵に笑いながら、【桜希】は広間にいるモノ達を見回した。
それからポツリポツリと宴から抜けていくモノ達がいたが、大多数は残り賑やかな酒宴となった場を楽しんでいた。
「さっきのはなんだったんだい?」
「さっきのって?」
「キミの歌った唄だよ♦妙に耳に残る、不思議な唄声だった♠」
「あぁ……アレね…………」
「なんじゃ?ヒソカは聴いた事がなかったのかえ?」
相変わらずヒソカに酌をしている【白夜】は、不思議そうに首を傾げた。
「ナマエの唄声はソレ自体が【言霊】でな。聴いたモノの意志を揺らがせる事が出来る」
「意志を揺らがせる?」
【桜希】の言葉に対し、ヒソカの謎はますます深まった。
「そうだ。即興とはいえ、ナマエは汝に対する“想い”を唄った。【刑部】を始めとする、汝を認めぬモノ達に牽制をしたのだ。“汝を傷つけるモノは許さない”、とな」
「そうなのかい?」
「えっと……」
「いい加減諦めろ。お前ェは嘘が下手なんだからよ」
焦るナマエを、【杜樹】は笑いながら見ていた。
「くそッ……それでも…………それでもワタシは認めないぞ!!」
「止めぬか、【刑部】。見苦しい。【神子】は自らの意思でこの男を選んだのじゃ。我等にそれを止める権利なぞない」
言い争いに嫌気が差した【白夜】が口を挟んだ。
「【空狐(クウコ)】殿まで賛成なのか?!あんなに大事に育ててきた【神子】殿を……【人間】に渡しちまって良いのかよ!?」
「良いも何も……【娘】が選んだ道じゃ。【親】として見守るのは当然の事じゃろう?それに、我等はこの男を見定めてきた。その上でこの男を【娘】の伴侶として認めたのじゃ」
【白夜】の言葉に、一部のモノ達が更にざわついた。
「ああ、彼は言う『もうやめればいい、何も変わらないよ』と
ああ、彼女は言う『始めてみなきゃわからない』と
人と交わり合っていく中で
言葉一つで浮き沈み変わる
十人十色 ぶつかって心すり減らしていく
まるで終わりの無いシーソーゲーム
もがけばもがくほどもつれてく
勝敗なんてつかないレースまた始める
言葉だけじゃ全て伝わらない
でも黙ってても何も変わらない
時には感情のままぶつけていいさ
火花を散らせ♪」
突然立ち上がったと思ったら、ナマエは口ずさんでいた。
それは聞いたこともない唄だった。
その場にいたモノ全てが、その唄声に聴き入っていた。
「【刑部】……私は…………私は皆に理解して貰おうと思ってない。だから――貴方も見定めて。私が選んだ道を。私が選んだ男を」
「くッ……」
ナマエに真っ直ぐ見つめられる事に耐えられなくなった【刑部】は、ヒソカを睨みつけてその場から姿を消した。
「さて……反対するモノは【刑部】の様に出て行くが良い。此処は祝の席だ。憎しみも反感も要らん。今なら見逃してやろう。この2人を祝福出来んモノは出て行くのが賢明だ」
不敵に笑いながら、【桜希】は広間にいるモノ達を見回した。
それからポツリポツリと宴から抜けていくモノ達がいたが、大多数は残り賑やかな酒宴となった場を楽しんでいた。
「さっきのはなんだったんだい?」
「さっきのって?」
「キミの歌った唄だよ♦妙に耳に残る、不思議な唄声だった♠」
「あぁ……アレね…………」
「なんじゃ?ヒソカは聴いた事がなかったのかえ?」
相変わらずヒソカに酌をしている【白夜】は、不思議そうに首を傾げた。
「ナマエの唄声はソレ自体が【言霊】でな。聴いたモノの意志を揺らがせる事が出来る」
「意志を揺らがせる?」
【桜希】の言葉に対し、ヒソカの謎はますます深まった。
「そうだ。即興とはいえ、ナマエは汝に対する“想い”を唄った。【刑部】を始めとする、汝を認めぬモノ達に牽制をしたのだ。“汝を傷つけるモノは許さない”、とな」
「そうなのかい?」
「えっと……」
「いい加減諦めろ。お前ェは嘘が下手なんだからよ」
焦るナマエを、【杜樹】は笑いながら見ていた。