宴
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「ヒソカ様も、お久しゅうございます」
「久しぶりだね♠今日はあの時みたいに攻撃して来ないのかい?」
「ナマエ様の大事な御方に攻撃なんて、とんでも御座いません。その節はとんでもない事をしてしまい、本当に申し訳御座いませんでした」
そのまま地面に額が付きそうな程深く頭を下げた【天廻】。
「そんな事する必要はないよ♦ボクは気にしてないし、ナマエも気にしてないさ♣それよりも、この状況を説明してくれないかい?」
ヒソカの言葉に漸く顔を上げ、【天廻】は正座したまま言葉を紡いだ。
「ここは【黄龍】様のお創りになった【神域】に繋がる空間に御座います」
「【聖域】とは違うのかい?」
「違います。【聖域】とは一定の“力”を持った【神獣】が創りだす空間に御座います。それに比べ、【神域】とは【神霊】が創り出した空間で御座います」
「だから空気が違うのか♠」
「いい加減、立ってよ【天廻】……」
「妾の様な下賤のモノが【神子(ミコ)】様と対等な――」
「いいから立って」
「しかし……」
「【天廻】、【杜樹】から聞いてないの?私は貴女達とこういう関係になりたい訳じゃない。あくまでも――対等な立場でいたい」
【天廻】を真っ直ぐに見据えながら、ナマエは膝を折って目線を合わせた。
「私が望むのは……貴女達との対等な関係だよ?」
「ナマエ様……」
「その口調は止めて。貴女の柄じゃないでしょ?それと、“様”付けも止めて」
「……分かったわよ。ったく、これでいいんでしょ?」
ナマエに手を引かれ立ち上がった【天廻】は、服に着いた土埃をはたき落とした。
「アンタは昔から我が侭だったわね、ナマエ」
「そうだよ。私は我が侭。だからこそ、貴女達と対等でいたいの」
自身よりも背の高い【天廻】を見上げながら、ナマエははにかんだ。
「さぁ、こっちよ」
【天廻】の先導で、ナマエとヒソカは【聖域】の奥へと進んでいった。
十数分経った頃であろうか。提灯で照らされた薄明かりの中に、屋根が付いた朱色の太鼓橋が見えてきた。
「橋?」
「この橋の先は【神域】。橋は真ん中じゃなく、端を歩く事。真ん中は【黄龍】様の通り道だから、決して歩かないでよ」
太鼓橋の前で、【天廻】はヒソカに向かって念を押すように説明した。
「キミ達の文化かい?」
「そうねェ……文化と言うよりは決まり事かしら」
「決まり事?」
「えぇ、決まり事よ。さァ、渡るわよ」
【天廻】に促され太鼓橋を渡ると、眼前に1軒の屋敷が浮かび上がった。
見た目は町にある屋敷と変わらず、どこにでもありそうな家だった。
「こんな所に家が……?」
「【黄龍(コウリュウ)】様の家よ」
「え?」
「アンタが小さい頃に住んでたこの家は、【空狐(クウコ)】じゃなく【黄龍】様の家だったのよ」
そういうと、【天廻】はそのまま屋敷の玄関を開けた。
「お久しゅうございますな、ナマエ殿」
開け放たれた玄関の中からは、聞いたことのない声がした。
「【太郎坊】!」
ナマエが【太郎坊】と呼び抱きついたその相手は、和服を着た大柄な老人だった。
「久しぶり!元気だった?変わりない??」
「ほっほっほ。見ての通り、元気じゃよ。それより……そちらの御仁が噂の御方ですかな?」
細めた目でヒソカを見やる【太郎坊】。
そんな彼の視線から逃れること無く、ヒソカはその目を見つめ返していた。
「良い目をしなさる御仁じゃ。【黄龍】様が認めただけの事が御座いますな、ナマエ殿」
「ナマエ、誰だい?この爺さんは……♠」
【太郎坊】を不思議そうに見ながら、ヒソカはナマエに訊いた。
「あぁ、私のおじいちゃんみたいなもんだよ。【太郎坊】、この人がヒソカ」
「ヒソカ殿か……ナマエ殿に相応しい、良いオーラを持たれておるではないか」
好々爺然りといった顔でヒソカの纏うオーラを見定めながら、【太郎坊】は続けた。
「久しぶりだね♠今日はあの時みたいに攻撃して来ないのかい?」
「ナマエ様の大事な御方に攻撃なんて、とんでも御座いません。その節はとんでもない事をしてしまい、本当に申し訳御座いませんでした」
そのまま地面に額が付きそうな程深く頭を下げた【天廻】。
「そんな事する必要はないよ♦ボクは気にしてないし、ナマエも気にしてないさ♣それよりも、この状況を説明してくれないかい?」
ヒソカの言葉に漸く顔を上げ、【天廻】は正座したまま言葉を紡いだ。
「ここは【黄龍】様のお創りになった【神域】に繋がる空間に御座います」
「【聖域】とは違うのかい?」
「違います。【聖域】とは一定の“力”を持った【神獣】が創りだす空間に御座います。それに比べ、【神域】とは【神霊】が創り出した空間で御座います」
「だから空気が違うのか♠」
「いい加減、立ってよ【天廻】……」
「妾の様な下賤のモノが【神子(ミコ)】様と対等な――」
「いいから立って」
「しかし……」
「【天廻】、【杜樹】から聞いてないの?私は貴女達とこういう関係になりたい訳じゃない。あくまでも――対等な立場でいたい」
【天廻】を真っ直ぐに見据えながら、ナマエは膝を折って目線を合わせた。
「私が望むのは……貴女達との対等な関係だよ?」
「ナマエ様……」
「その口調は止めて。貴女の柄じゃないでしょ?それと、“様”付けも止めて」
「……分かったわよ。ったく、これでいいんでしょ?」
ナマエに手を引かれ立ち上がった【天廻】は、服に着いた土埃をはたき落とした。
「アンタは昔から我が侭だったわね、ナマエ」
「そうだよ。私は我が侭。だからこそ、貴女達と対等でいたいの」
自身よりも背の高い【天廻】を見上げながら、ナマエははにかんだ。
「さぁ、こっちよ」
【天廻】の先導で、ナマエとヒソカは【聖域】の奥へと進んでいった。
十数分経った頃であろうか。提灯で照らされた薄明かりの中に、屋根が付いた朱色の太鼓橋が見えてきた。
「橋?」
「この橋の先は【神域】。橋は真ん中じゃなく、端を歩く事。真ん中は【黄龍】様の通り道だから、決して歩かないでよ」
太鼓橋の前で、【天廻】はヒソカに向かって念を押すように説明した。
「キミ達の文化かい?」
「そうねェ……文化と言うよりは決まり事かしら」
「決まり事?」
「えぇ、決まり事よ。さァ、渡るわよ」
【天廻】に促され太鼓橋を渡ると、眼前に1軒の屋敷が浮かび上がった。
見た目は町にある屋敷と変わらず、どこにでもありそうな家だった。
「こんな所に家が……?」
「【黄龍(コウリュウ)】様の家よ」
「え?」
「アンタが小さい頃に住んでたこの家は、【空狐(クウコ)】じゃなく【黄龍】様の家だったのよ」
そういうと、【天廻】はそのまま屋敷の玄関を開けた。
「お久しゅうございますな、ナマエ殿」
開け放たれた玄関の中からは、聞いたことのない声がした。
「【太郎坊】!」
ナマエが【太郎坊】と呼び抱きついたその相手は、和服を着た大柄な老人だった。
「久しぶり!元気だった?変わりない??」
「ほっほっほ。見ての通り、元気じゃよ。それより……そちらの御仁が噂の御方ですかな?」
細めた目でヒソカを見やる【太郎坊】。
そんな彼の視線から逃れること無く、ヒソカはその目を見つめ返していた。
「良い目をしなさる御仁じゃ。【黄龍】様が認めただけの事が御座いますな、ナマエ殿」
「ナマエ、誰だい?この爺さんは……♠」
【太郎坊】を不思議そうに見ながら、ヒソカはナマエに訊いた。
「あぁ、私のおじいちゃんみたいなもんだよ。【太郎坊】、この人がヒソカ」
「ヒソカ殿か……ナマエ殿に相応しい、良いオーラを持たれておるではないか」
好々爺然りといった顔でヒソカの纏うオーラを見定めながら、【太郎坊】は続けた。