真実
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「ちょっと待って……頭がこんがらがって来たんだけど…………」
今まで【家族】だと思って接してきた【白夜】達に試されていたと言われ、ナマエは困惑した。
「この場で理解せずとも良い。我等を責めるも良し。だが、これだけは変わらぬ。我等【神獣】はお主を――ナマエを生涯唯一の主として認めたのじゃ」
膝をついたまま、【白夜】は凛とした表情でナマエを見上げて言い切った。
「じゃあ……今まで【家族】として接してきたのは――嘘だったの?」
「嘘なんかじゃない!俺達はナマエを本当の【娘】だと思って育ててきた!しかし、それ以上に今の俺達にとっては――【家族】以上に尊い存在になったんだ!!」
「【神子】ってなァ、数百年から数千年に1人しか現れねェんだ。【人間】に比べて格段に寿命の長いオレ達にとって、本当の意味で【契】を交わすに値するかどうか見極めなきゃなんねェ。その為に色々と無茶振りをしてきたってこった」
「以前キミが言っていたのは、キミ達それぞれがナマエと何らかの代償を以って契約しているって話だったはずだよね?」
【杜樹】への問いに答えたのは、意外にも【十夜】だった。
「あぁ。それが【杜樹】が言った無茶振りだ。俺達はナマエが【神子】としてどんな代償を支払って【式鬼】と契約するのか、【式鬼】の力を何に使うのかを見極めていたに過ぎぬ」
「本来の【契約】とは【神子】の“魂”とするもの。契約の【証】がない者に、【神獣】達は気まぐれで手を貸すのみ。余がいい例だな」
【桜希】は笑いながらも続けた。
「余は【神獣】の長として、【神子】を迎え入れ見極めるのが役目。それ故に他の【神獣】に命を下し、【神子】として相応しいか試練を与えた。ナマエはその試練に合格したというわけだ」
「……そんな大事な事、なんで今まで教えてくれなかったの?」
ナマエは【白夜】を不安気な瞳で見つめながら訊いた。
「教えたら意味がないじゃろう?」
「そりゃそうだけどさ……」
「騙すつもりは無かった。だが、俺達はお前なら何も言わずとも乗り越えられると信じていた」
「まァ、実際【黄龍】のお眼鏡に適ったんだからいいじゃねェか」
おもむろに立ち上がった【杜樹】はそのままナマエに近寄ると、その大きな手でナマエの頭を乱暴に撫でた。
「お前ェは細かい事を気にする必要はねェ。オレ達との関係が変わるわけじゃねェんだからな」
「【杜樹】……」
「我等はいつ何時でも汝と共にある」
「【家族】であり【従者】でもある。それが我等とお主との新たな関係じゃ」
「【従者】?」
【白夜】の言葉に、ナマエはピクリと反応した。
「そう、我等は正式にお主の【従者】となったのじゃ」
「私はそんな関係望んでない!」
「悪いが、【神子】の意思は関係ない」
キッパリと言い放つ【桜希】に、ナマエは困惑した。
「【神霊】である余が認めた。それ故に汝に拒否権はない」
「そんなの納得出来ない!!」
「納得なぞせんで良い。これは既に決まった事。古より続く理なのだ」
「理?それがなんだって言うの?!私には関係ないじゃない!!」
「そう喚くでない。【神子】の本質を解っていないのは、汝も【エインガナ】と一緒だな……」
呆れた様に溜息を吐きながら、【桜希】は続けた。
「【神子】とは【神獣】を束ねる【神霊】が認めて初めて成り立つ者。故に正式な【神子】とはなかなか現れぬ。一定の条件を満たし、尚且つ【神霊】が【神獣】に命を下し試練を与え、それを乗り越えた者のみが正式な【神子】となる。今までの汝はただの候補にすぎなかったわけだな」
「一定の条件とは何だい?」
「【神霊】によりこの世に“連れて来られし者”の事だ」
「この世?という事は――ナマエはこの世界の人間じゃないのか??」
「左様。余がこの世界に“呼び寄せた”のだ」
「“呼び寄せた”?私を?」
「そうだ。そして、余が汝を【十夜】に預けた」
真剣な表情で【桜希】はナマエを見つめていた。
その隣で、【十夜】はバツが悪そうに顔を顰めている。
今まで【家族】だと思って接してきた【白夜】達に試されていたと言われ、ナマエは困惑した。
「この場で理解せずとも良い。我等を責めるも良し。だが、これだけは変わらぬ。我等【神獣】はお主を――ナマエを生涯唯一の主として認めたのじゃ」
膝をついたまま、【白夜】は凛とした表情でナマエを見上げて言い切った。
「じゃあ……今まで【家族】として接してきたのは――嘘だったの?」
「嘘なんかじゃない!俺達はナマエを本当の【娘】だと思って育ててきた!しかし、それ以上に今の俺達にとっては――【家族】以上に尊い存在になったんだ!!」
「【神子】ってなァ、数百年から数千年に1人しか現れねェんだ。【人間】に比べて格段に寿命の長いオレ達にとって、本当の意味で【契】を交わすに値するかどうか見極めなきゃなんねェ。その為に色々と無茶振りをしてきたってこった」
「以前キミが言っていたのは、キミ達それぞれがナマエと何らかの代償を以って契約しているって話だったはずだよね?」
【杜樹】への問いに答えたのは、意外にも【十夜】だった。
「あぁ。それが【杜樹】が言った無茶振りだ。俺達はナマエが【神子】としてどんな代償を支払って【式鬼】と契約するのか、【式鬼】の力を何に使うのかを見極めていたに過ぎぬ」
「本来の【契約】とは【神子】の“魂”とするもの。契約の【証】がない者に、【神獣】達は気まぐれで手を貸すのみ。余がいい例だな」
【桜希】は笑いながらも続けた。
「余は【神獣】の長として、【神子】を迎え入れ見極めるのが役目。それ故に他の【神獣】に命を下し、【神子】として相応しいか試練を与えた。ナマエはその試練に合格したというわけだ」
「……そんな大事な事、なんで今まで教えてくれなかったの?」
ナマエは【白夜】を不安気な瞳で見つめながら訊いた。
「教えたら意味がないじゃろう?」
「そりゃそうだけどさ……」
「騙すつもりは無かった。だが、俺達はお前なら何も言わずとも乗り越えられると信じていた」
「まァ、実際【黄龍】のお眼鏡に適ったんだからいいじゃねェか」
おもむろに立ち上がった【杜樹】はそのままナマエに近寄ると、その大きな手でナマエの頭を乱暴に撫でた。
「お前ェは細かい事を気にする必要はねェ。オレ達との関係が変わるわけじゃねェんだからな」
「【杜樹】……」
「我等はいつ何時でも汝と共にある」
「【家族】であり【従者】でもある。それが我等とお主との新たな関係じゃ」
「【従者】?」
【白夜】の言葉に、ナマエはピクリと反応した。
「そう、我等は正式にお主の【従者】となったのじゃ」
「私はそんな関係望んでない!」
「悪いが、【神子】の意思は関係ない」
キッパリと言い放つ【桜希】に、ナマエは困惑した。
「【神霊】である余が認めた。それ故に汝に拒否権はない」
「そんなの納得出来ない!!」
「納得なぞせんで良い。これは既に決まった事。古より続く理なのだ」
「理?それがなんだって言うの?!私には関係ないじゃない!!」
「そう喚くでない。【神子】の本質を解っていないのは、汝も【エインガナ】と一緒だな……」
呆れた様に溜息を吐きながら、【桜希】は続けた。
「【神子】とは【神獣】を束ねる【神霊】が認めて初めて成り立つ者。故に正式な【神子】とはなかなか現れぬ。一定の条件を満たし、尚且つ【神霊】が【神獣】に命を下し試練を与え、それを乗り越えた者のみが正式な【神子】となる。今までの汝はただの候補にすぎなかったわけだな」
「一定の条件とは何だい?」
「【神霊】によりこの世に“連れて来られし者”の事だ」
「この世?という事は――ナマエはこの世界の人間じゃないのか??」
「左様。余がこの世界に“呼び寄せた”のだ」
「“呼び寄せた”?私を?」
「そうだ。そして、余が汝を【十夜】に預けた」
真剣な表情で【桜希】はナマエを見つめていた。
その隣で、【十夜】はバツが悪そうに顔を顰めている。