真実
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《たかが【式鬼】の癖に……何故だ?何故我が遅れを取らねばならぬのだ!?》
ナマエの力を吸収した【式鬼】達相手に、【エインガナ】はその身を血まみれにしてのたうち回っていた。
「【式鬼】になったからこそ、今まで以上の力を出せる。主を護る忠誠心こそが我等【式鬼】の存在意義。主を護るためであれば、朽ち果てるも良し。我等の想いに主が応えた。 さすれば如何に同じ【神】であれど、余に敵うモノは存在しない。それが定義というもの」
【桜希】は憐れむように【エインガナ】を見据えて対峙した。
「さぁ、【封滅】の時間だ。主よ」
《小癪な……【人間】如きに成り下がった【神子】に我を滅ぼすことなど…………》
「貴方は【神子】という存在の理由を理解していない。だから――【封滅】させて貰う!【桜希】!!」
ナマエがその名を呼ぶと同時に、【桜希】は一振りの薙刀へと姿を変えた。
そこへようやくアベンガネを避難させた【十夜】が戻って来た。
「これで終わりにしよう――さようなら、哀れな【エインガナ】……【神に捧ぐ鎮魂歌(ワールドブレイク)】」
【絶】状態のナマエが呟くと、全ての【式鬼】が光輝き薙刀へと吸収されていった。
それを確認すると、ナマエは躊躇うことなく【エインガナ】の首目掛けて薙刀を振るう 。
ナマエが薙刀を振るうのと同時に、【エインガナ】はナマエを飲み込もうと大きく口を開けて襲いかかった。
それは一瞬の事だった。
空気が振動し、辺り一面を真紅の炎が包み込む。
「ナマエ!?」
ナマエの安否を確認しようと、ヒソカは炎の中へ身を投じようとしたがクロロに制されてしまう。
「待てヒソカ。アイツを信じてやれ」
真っ直ぐに炎の中心を見据えるクロロ。
その視線の先には、燃え盛る炎があるのみ。
ヒソカが歯がゆい思いをしながら炎を見つめていると、ポツリポツリと雫が落ちてきた。
「?」
不思議そうに空を見上げると、その雫は次第に量と勢いを増していき、ものの数分で大雨へと変わっていった。
辺りが白み始めた頃、その雨により炎は沈静化し、辺りからは木が燻っている煙が立ち込め始めた。
僅かに残っている炎の中から、こちらへと向かってくる黒い影。
【エインガナ】の放つ禍々しいオーラは感じられないものの、ヒソカとクロロは緊張感に支配されていた。
影の主が動くたび、炎はまるで道を開けるかのように蠢く。
段々と近づいてくるソレに冷や汗を流し始めた。
「お前は……」
「ナマエは?!ナマエは無事なのかい!?」
影の主は【桜希】を筆頭とした【式鬼】達だった。
「無事に決まっておろう」
「気を失っておるだけじゃ」
【桜希】と【白夜】の回答に、ヒソカは安堵した。
「まったく……俺の【娘】ながら無茶をする」
「くくッ……こうでなくちゃ、オレが寵愛する意味がねェじゃねェか」
呆れ返りながらナマエを抱きかかえる【十夜】と、喉奥で楽しそうに笑う【杜樹】。
「……」
【十六夜】はそんな2人の後ろから早足で現れた。
【十夜】の腕の中でグッタリとしているナマエに、ヒソカは今度こそ駆け寄った。
「ナマエ!?」
「うるせェな……ちっとは寝かせてやろうって優しさはねェのかよ」
声を張り上げるヒソカを鬱陶しそうに、【杜樹】は頭を掻いた。
「さっき【白夜】殿が仰っただろう。 ナマエは気を失っているだけだ」
腕の中にいるナマエを見ながら、【十夜】は問題ないとヒソカに告げる。
それでもヒソカの心配は拭いきれるわけがなかった。
そんなヒソカの不安が少しでも消えるのであれば、と【十夜】はナマエをヒソカへ抱き渡した。
「ナマエ……」
自らの腕の中で確かに呼吸をしているナマエに、ヒソカはようやく安堵した。
「ヒソカ、コイツ等は――ナマエは一体何者なんだ?」
ナマエを抱きかかえるヒソカの背中に、クロロは疑問を投げかけた。
ナマエの力を吸収した【式鬼】達相手に、【エインガナ】はその身を血まみれにしてのたうち回っていた。
「【式鬼】になったからこそ、今まで以上の力を出せる。主を護る忠誠心こそが我等【式鬼】の存在意義。主を護るためであれば、朽ち果てるも良し。我等の想いに主が応えた。 さすれば如何に同じ【神】であれど、余に敵うモノは存在しない。それが定義というもの」
【桜希】は憐れむように【エインガナ】を見据えて対峙した。
「さぁ、【封滅】の時間だ。主よ」
《小癪な……【人間】如きに成り下がった【神子】に我を滅ぼすことなど…………》
「貴方は【神子】という存在の理由を理解していない。だから――【封滅】させて貰う!【桜希】!!」
ナマエがその名を呼ぶと同時に、【桜希】は一振りの薙刀へと姿を変えた。
そこへようやくアベンガネを避難させた【十夜】が戻って来た。
「これで終わりにしよう――さようなら、哀れな【エインガナ】……【神に捧ぐ鎮魂歌(ワールドブレイク)】」
【絶】状態のナマエが呟くと、全ての【式鬼】が光輝き薙刀へと吸収されていった。
それを確認すると、ナマエは躊躇うことなく【エインガナ】の首目掛けて薙刀を振るう 。
ナマエが薙刀を振るうのと同時に、【エインガナ】はナマエを飲み込もうと大きく口を開けて襲いかかった。
それは一瞬の事だった。
空気が振動し、辺り一面を真紅の炎が包み込む。
「ナマエ!?」
ナマエの安否を確認しようと、ヒソカは炎の中へ身を投じようとしたがクロロに制されてしまう。
「待てヒソカ。アイツを信じてやれ」
真っ直ぐに炎の中心を見据えるクロロ。
その視線の先には、燃え盛る炎があるのみ。
ヒソカが歯がゆい思いをしながら炎を見つめていると、ポツリポツリと雫が落ちてきた。
「?」
不思議そうに空を見上げると、その雫は次第に量と勢いを増していき、ものの数分で大雨へと変わっていった。
辺りが白み始めた頃、その雨により炎は沈静化し、辺りからは木が燻っている煙が立ち込め始めた。
僅かに残っている炎の中から、こちらへと向かってくる黒い影。
【エインガナ】の放つ禍々しいオーラは感じられないものの、ヒソカとクロロは緊張感に支配されていた。
影の主が動くたび、炎はまるで道を開けるかのように蠢く。
段々と近づいてくるソレに冷や汗を流し始めた。
「お前は……」
「ナマエは?!ナマエは無事なのかい!?」
影の主は【桜希】を筆頭とした【式鬼】達だった。
「無事に決まっておろう」
「気を失っておるだけじゃ」
【桜希】と【白夜】の回答に、ヒソカは安堵した。
「まったく……俺の【娘】ながら無茶をする」
「くくッ……こうでなくちゃ、オレが寵愛する意味がねェじゃねェか」
呆れ返りながらナマエを抱きかかえる【十夜】と、喉奥で楽しそうに笑う【杜樹】。
「……」
【十六夜】はそんな2人の後ろから早足で現れた。
【十夜】の腕の中でグッタリとしているナマエに、ヒソカは今度こそ駆け寄った。
「ナマエ!?」
「うるせェな……ちっとは寝かせてやろうって優しさはねェのかよ」
声を張り上げるヒソカを鬱陶しそうに、【杜樹】は頭を掻いた。
「さっき【白夜】殿が仰っただろう。 ナマエは気を失っているだけだ」
腕の中にいるナマエを見ながら、【十夜】は問題ないとヒソカに告げる。
それでもヒソカの心配は拭いきれるわけがなかった。
そんなヒソカの不安が少しでも消えるのであれば、と【十夜】はナマエをヒソカへ抱き渡した。
「ナマエ……」
自らの腕の中で確かに呼吸をしているナマエに、ヒソカはようやく安堵した。
「ヒソカ、コイツ等は――ナマエは一体何者なんだ?」
ナマエを抱きかかえるヒソカの背中に、クロロは疑問を投げかけた。