真実
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「ミガームラ、サミンガードゥラ、インテラミンガ、ゼンベラルブラ。森の【精霊】よ、クロロに取り憑きし不浄の【念】を取り去り給え 」
唱え終わると用意していた木の枝を人形に振りかざし、その枝を数本抜き取ると人形に巻きつけるアベンガネ。
全ての動作が終わりあらかじめ焚いてあった 火の中に人形を放り込む。
すると、火の中からなんとも言えない憎悪の塊となった【念獣】が姿を現した。が、その 瞬間【念獣】は一瞬にして姿を消した。
《我が森に不浄をなすモノ、許すまじ……》
【念獣】は、ナマエ達の近くで焚き火ごと奇妙な音を立ててその姿を消していった。
《我が森に不浄を持込し者、許すまじ……》
まるで地の底から湧き上がるような低い声に構えていると、【念獣】が消えた方向から巨大な蛇が現れた。
《何故我が森を穢した……何故不浄を持ち込んだ……》
眼を細めながら、蛇はナマエだけを見据えた。
《【神子(ミコ)】よ、答えよ……何故我が森を穢す ?》
「穢しに来た訳じゃない……でも、結果的にそう思わせてしまったのは謝る。ごめんなさい」
《【神子】が来た事は喜ばしい事だ 。しかし――不浄を齎しに来たのであれば容赦せぬ!》
蛇は細めていた眼をこれでもかと言わんばかりに見開き、真っ赤な口を最大限に開いて威嚇してきた。
「【虹蛇(ニジヘビ)】か……厄介なモノが棲み居る森を選んだものじゃな、ナマエよ」
モソリ、とナマエの影が揺れるとそこから【白夜(ビャクヤ)】が顔を出した。
「なっ……【魔獣】が……!?」
「アベンガネさん、【白夜】は私の【家族】ですから怖がらなくて大丈夫です。ですが――この蛇は違う!!」
【白夜】が【虹蛇】と呼んだ蛇は、鋭い牙を剥き出しにしたまま鎌首をもたげた。
「祝福を受けていない森の主……面倒な輩を喚んでしもうたな」
「どうにかならないの?【白夜】」
あくまでも【虹蛇】から目を離さずに、 ナマエは【白夜】に訊いた。
「ならん事もないが……あまりやりたくやらせたくないわ」
「どういう意味?」
「……【黄龍(コウリュウ)】様を喚び、力ずくで捩じ伏せる。それしか我には思いつかなんだ」
眉間に皺を寄せ、心底嫌そうに【白夜】は呟 いた。
「【虹蛇】は水・動物・人間の母と言われておる。それに対峙するには、森羅万象の長である【黄龍】様の力を持って対抗するしかなかろう……しかし、【黄龍】様は我らと違う 。お主と【契約】している訳ではないのじゃ 。あくまでも【神子】であるからお主に力を貸しているに過ぎぬ。それ故、召喚する度に代償を支払わねばならん。我はこれ以上【娘】に代償を支払わせたくなどない」
「…………分かった。それでもここにいる皆を護れるのなら――私は【黄龍】を喚ぶ!」
意を決したナマエが右手を【虹蛇】に翳し 、【黄龍】を喚び出そうとしたその時だった。今まで黙っていたヒソカがその口を開いた。
「賛成出来ないね♣」
「ヒソカは黙ってて」
「嫌だ♦ボクは前のようにキミが何らかの代償を支払ってまで、守られたいとは思わない♠」
トランプを取り出したヒソカを止めたのは、ナマエではなく【白夜】だった。
「若造、ナマエを止めるでない。【黄龍】様の力を借りねば、この場にいる者だけではなく【人間】そのものが滅んでしまのじゃぞ 」
「ボクがあの蛇をヤれば済む話だろ?」
「馬鹿を抜かすでない!たかが【念】を使えるだけの【人間】風情が【神】に勝てると思うてか!?」
「ヤってみなけりゃ判らないだろ?」
「……ヒソカは下がってて」
トランプを構え一歩前に踏み出したヒソカを 、ナマエは声だけで制した。
「ナマエ?」
「ここは私に任せてくれないかな?」
「?」
「何をする気だ?」
「こんな禍々しい【魔獣】相手に――勝てるわけがない!逃げよう!!」
唱え終わると用意していた木の枝を人形に振りかざし、その枝を数本抜き取ると人形に巻きつけるアベンガネ。
全ての動作が終わりあらかじめ焚いてあった 火の中に人形を放り込む。
すると、火の中からなんとも言えない憎悪の塊となった【念獣】が姿を現した。が、その 瞬間【念獣】は一瞬にして姿を消した。
《我が森に不浄をなすモノ、許すまじ……》
【念獣】は、ナマエ達の近くで焚き火ごと奇妙な音を立ててその姿を消していった。
《我が森に不浄を持込し者、許すまじ……》
まるで地の底から湧き上がるような低い声に構えていると、【念獣】が消えた方向から巨大な蛇が現れた。
《何故我が森を穢した……何故不浄を持ち込んだ……》
眼を細めながら、蛇はナマエだけを見据えた。
《【神子(ミコ)】よ、答えよ……何故我が森を穢す ?》
「穢しに来た訳じゃない……でも、結果的にそう思わせてしまったのは謝る。ごめんなさい」
《【神子】が来た事は喜ばしい事だ 。しかし――不浄を齎しに来たのであれば容赦せぬ!》
蛇は細めていた眼をこれでもかと言わんばかりに見開き、真っ赤な口を最大限に開いて威嚇してきた。
「【虹蛇(ニジヘビ)】か……厄介なモノが棲み居る森を選んだものじゃな、ナマエよ」
モソリ、とナマエの影が揺れるとそこから【白夜(ビャクヤ)】が顔を出した。
「なっ……【魔獣】が……!?」
「アベンガネさん、【白夜】は私の【家族】ですから怖がらなくて大丈夫です。ですが――この蛇は違う!!」
【白夜】が【虹蛇】と呼んだ蛇は、鋭い牙を剥き出しにしたまま鎌首をもたげた。
「祝福を受けていない森の主……面倒な輩を喚んでしもうたな」
「どうにかならないの?【白夜】」
あくまでも【虹蛇】から目を離さずに、 ナマエは【白夜】に訊いた。
「ならん事もないが……あまりやりたくやらせたくないわ」
「どういう意味?」
「……【黄龍(コウリュウ)】様を喚び、力ずくで捩じ伏せる。それしか我には思いつかなんだ」
眉間に皺を寄せ、心底嫌そうに【白夜】は呟 いた。
「【虹蛇】は水・動物・人間の母と言われておる。それに対峙するには、森羅万象の長である【黄龍】様の力を持って対抗するしかなかろう……しかし、【黄龍】様は我らと違う 。お主と【契約】している訳ではないのじゃ 。あくまでも【神子】であるからお主に力を貸しているに過ぎぬ。それ故、召喚する度に代償を支払わねばならん。我はこれ以上【娘】に代償を支払わせたくなどない」
「…………分かった。それでもここにいる皆を護れるのなら――私は【黄龍】を喚ぶ!」
意を決したナマエが右手を【虹蛇】に翳し 、【黄龍】を喚び出そうとしたその時だった。今まで黙っていたヒソカがその口を開いた。
「賛成出来ないね♣」
「ヒソカは黙ってて」
「嫌だ♦ボクは前のようにキミが何らかの代償を支払ってまで、守られたいとは思わない♠」
トランプを取り出したヒソカを止めたのは、ナマエではなく【白夜】だった。
「若造、ナマエを止めるでない。【黄龍】様の力を借りねば、この場にいる者だけではなく【人間】そのものが滅んでしまのじゃぞ 」
「ボクがあの蛇をヤれば済む話だろ?」
「馬鹿を抜かすでない!たかが【念】を使えるだけの【人間】風情が【神】に勝てると思うてか!?」
「ヤってみなけりゃ判らないだろ?」
「……ヒソカは下がってて」
トランプを構え一歩前に踏み出したヒソカを 、ナマエは声だけで制した。
「ナマエ?」
「ここは私に任せてくれないかな?」
「?」
「何をする気だ?」
「こんな禍々しい【魔獣】相手に――勝てるわけがない!逃げよう!!」