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抱き寄せる腕に力を込めながら、【十夜】は続けた。
「俺達【式鬼】にはお前を本当の意味で幸せにしてやる事は出来ない。だからこそ、ナマエに不幸を齎すと判っている相手は悉く遠ざけてきた。今回とて例外ではない」
「ナマエも同じ意見なのかい?」
「?」
「キミも、彼と同じ意見なのか訊いているんだ」
「逆に訊くけど……ヒソカは私が黙って【十夜】達の意見に従うと思ってるの?」
眉根を下げながら、ナマエはヒソカの顔を見た。ヒソカの双眼は不安に揺れていた。
「思いたくはない。が、さっきのキミの行動はボクに何らかの落ち度があっての事だとは思う。理由を教えてくれ」
「……少しは自分で考えたら?」
「考えたさ。それでも思い当たるフシがないから、こうして理由を訊いているんだ。何がキミをそこまで怒らせてしまったんだい?」
「…………」
「言ってやれ、ナマエ」
【十夜】はナマエに先ほど自身に打ち明けた胸の内を、ヒソカにも言う様に促した。
ナマエは不安そうに【十夜】の顔を覗き見るも、【十夜】は真剣な表情で再度『教えてやれ』と言った。
「……ヒソカにとって、私って何?」
「大事な恋人だよ」
「本当に?」
「ああ」
「なら、どうしていつも無茶な戦い方をするの?」
「無茶な戦い方?」
「昨日もそうだったけど、闘技場の時みたいな思いをするのはもう嫌なの……」
「…………悪かった」
「今更謝られても、過去の行動は覆せないよ?」
「分かってる。もうキミに心配掛ける様な戦い方はしない」
「それだけじゃない。私といる事で、ヒソカがヒソカじゃなくなってきている気がするの……私にはそれが耐えられない」
「ボクはボクだ。それ以外の何者でもない」
「でも、ヒソカは変わったよ?良い意味でも悪い意味でも変わっちゃった」
「悪い意味?」
「私に対して、過保護になりすぎてる。昔みたいに、少しは信用して欲しい」
泣きたいのを堪えながら、ナマエは続けた。
「私はヒソカが思ってる程弱くない。護ってくれるのは嬉しいけど、過保護にされたいワケじゃないの。私だって闘える。それだけは解って」
「…………解った。ボクの行動がキミを追い詰めてるとは思わなかった。ゴメン」
「本当に解ってくれたの?」
「ああ。ボクが全面的に悪かった。反省しているよ」
「そう……なら、仲直りしよっか」
言いながら、ナマエはヒソカに向かって右手を差し出した。
ヒソカが恐る恐るその手に触れると、ナマエは力強くヒソカの手を握った。
「もうこんな思いをするのは懲り懲りだからね?」
そう言うナマエの表情は、晴れ晴れとしていた。
「さて……仲直りも済んだようだし、俺は還らせて貰うとしよう。小僧、今度ナマエにこんな思いをさせてみろ。その時は容赦なく貴様を殺してやる」
【十夜】は真剣な面持ちでそう言い残し、風と共に消えた。
「ところで……」
「ん?」
「何で彼とデートしてたんだい?」
「デートじゃないよ。人生相談してただけ」
「人生相談?彼にかい?」
「そう。ヒソカとどう向き合えばいいのか解んなくなっちゃったら、【十夜】が勝手に出てきたの」
「そうだったのか……♣でも、次からはちゃんとボクに言ってくれないかい?言ってくれないと分からない事だって、さすがのボクにでもある♣」
それだけ言うと、ヒソカは握られている手に漸く力を込めた。
「さあ、帰ろうか♦」
ヒソカに手を引かれ立ち上がると、2人は並んで歩き出した。
ゆっくりと町の中を歩く2人は、カフェを出てから『帰る』と言ったもののまっすぐ宿に帰る気になれず、あてもなく町並みを眺めながら歩いていた。
「のどかな町だね」
「そうだね♠」
「老後はこういう町に落ち着くのも良いかもしれない」
「随分と気が早い話だね♣」
「そう?人間の寿命なんてあっという間だよ?」
カラカラと笑うナマエの手を、ヒソカはより一層力を込めて握った。
「どうしたの?」
「こうしていないと、キミが何処か遠くに行きそうな気がしてね♣」
「俺達【式鬼】にはお前を本当の意味で幸せにしてやる事は出来ない。だからこそ、ナマエに不幸を齎すと判っている相手は悉く遠ざけてきた。今回とて例外ではない」
「ナマエも同じ意見なのかい?」
「?」
「キミも、彼と同じ意見なのか訊いているんだ」
「逆に訊くけど……ヒソカは私が黙って【十夜】達の意見に従うと思ってるの?」
眉根を下げながら、ナマエはヒソカの顔を見た。ヒソカの双眼は不安に揺れていた。
「思いたくはない。が、さっきのキミの行動はボクに何らかの落ち度があっての事だとは思う。理由を教えてくれ」
「……少しは自分で考えたら?」
「考えたさ。それでも思い当たるフシがないから、こうして理由を訊いているんだ。何がキミをそこまで怒らせてしまったんだい?」
「…………」
「言ってやれ、ナマエ」
【十夜】はナマエに先ほど自身に打ち明けた胸の内を、ヒソカにも言う様に促した。
ナマエは不安そうに【十夜】の顔を覗き見るも、【十夜】は真剣な表情で再度『教えてやれ』と言った。
「……ヒソカにとって、私って何?」
「大事な恋人だよ」
「本当に?」
「ああ」
「なら、どうしていつも無茶な戦い方をするの?」
「無茶な戦い方?」
「昨日もそうだったけど、闘技場の時みたいな思いをするのはもう嫌なの……」
「…………悪かった」
「今更謝られても、過去の行動は覆せないよ?」
「分かってる。もうキミに心配掛ける様な戦い方はしない」
「それだけじゃない。私といる事で、ヒソカがヒソカじゃなくなってきている気がするの……私にはそれが耐えられない」
「ボクはボクだ。それ以外の何者でもない」
「でも、ヒソカは変わったよ?良い意味でも悪い意味でも変わっちゃった」
「悪い意味?」
「私に対して、過保護になりすぎてる。昔みたいに、少しは信用して欲しい」
泣きたいのを堪えながら、ナマエは続けた。
「私はヒソカが思ってる程弱くない。護ってくれるのは嬉しいけど、過保護にされたいワケじゃないの。私だって闘える。それだけは解って」
「…………解った。ボクの行動がキミを追い詰めてるとは思わなかった。ゴメン」
「本当に解ってくれたの?」
「ああ。ボクが全面的に悪かった。反省しているよ」
「そう……なら、仲直りしよっか」
言いながら、ナマエはヒソカに向かって右手を差し出した。
ヒソカが恐る恐るその手に触れると、ナマエは力強くヒソカの手を握った。
「もうこんな思いをするのは懲り懲りだからね?」
そう言うナマエの表情は、晴れ晴れとしていた。
「さて……仲直りも済んだようだし、俺は還らせて貰うとしよう。小僧、今度ナマエにこんな思いをさせてみろ。その時は容赦なく貴様を殺してやる」
【十夜】は真剣な面持ちでそう言い残し、風と共に消えた。
「ところで……」
「ん?」
「何で彼とデートしてたんだい?」
「デートじゃないよ。人生相談してただけ」
「人生相談?彼にかい?」
「そう。ヒソカとどう向き合えばいいのか解んなくなっちゃったら、【十夜】が勝手に出てきたの」
「そうだったのか……♣でも、次からはちゃんとボクに言ってくれないかい?言ってくれないと分からない事だって、さすがのボクにでもある♣」
それだけ言うと、ヒソカは握られている手に漸く力を込めた。
「さあ、帰ろうか♦」
ヒソカに手を引かれ立ち上がると、2人は並んで歩き出した。
ゆっくりと町の中を歩く2人は、カフェを出てから『帰る』と言ったもののまっすぐ宿に帰る気になれず、あてもなく町並みを眺めながら歩いていた。
「のどかな町だね」
「そうだね♠」
「老後はこういう町に落ち着くのも良いかもしれない」
「随分と気が早い話だね♣」
「そう?人間の寿命なんてあっという間だよ?」
カラカラと笑うナマエの手を、ヒソカはより一層力を込めて握った。
「どうしたの?」
「こうしていないと、キミが何処か遠くに行きそうな気がしてね♣」