「オレ達だけでやろうよ。命懸けなんだから、やれる人だけでやろう。こっちは7人でも構わないでしょ？」
「いや、そうはいかないな。8人対決の時は、ちゃんとその人数でやってくれなきゃ。15人仲間を集めさせた意味が無いだろ？」
「そっちは1人じゃないか。巫山戯るなよ！」
「……！」
「ゲームのキャラにこんな事言っても仕方がないけど」
「……」
「仲間だったんだろ？ボポボって人が殺されなきゃいけない程の何をしたって言うんだ！！」
「強盗殺人。強姦殺人。確定してるだけで11件だったかな」
「！？」
「現実だよ、此処は♣」
「え？」
「此処は現実世界のどこかにある。このゲームは現実で行われているんだ」
ツェズゲラの言葉に、多くのメンバーが息を飲んだ。
「これはゲーム内に入ってプレーしていると信じ込んでいる者には聞かせてはいけないタブー。ボポボはそれを破ったから処刑された。あいつ……レイザーはゲームマスター。実在する人間だよ」
「ゲームマスターって…………」
「このゲームを創った奴の1人って事さ」
「え……え？じゃ……え！？」
「ボポボやそこの連中は実際の死刑囚だろう。絶対服従を条件にプロハンターが雇用する事もままある。ボポボは命令違反はおろか、脱走の扇動までやらかした……極刑は当然。むしろ、見逃せば雇用側が罰を受けるケースだ」
「え……え？じゃ……え！？」
「ボポボやそこの連中は実際の死刑囚だろう。絶対服従を条件にプロハンターが雇用する事もままある。ボポボは命令違反はおろか、脱走の扇動までやらかした……極刑は当然。むしろ、見逃せば雇用側が罰を受けるケースだ」
「ここが現実……」
「そういうこと♠ちぇ、ボクが説明したかったのに♠」
「気付かなかった」
「疑いすらしなかったわさ」
ゴン達3人が呆気に取られていると、レイザーがボールを床に叩き付けた。
「ま、本来はどっちでも同じことさ。外界から隔離された空間である事に変わりない」
「えっ……ちょっと待って。現実って事は、じゃあまさかジンもこの中にいるの！？G・Iの中に！！」
「ジン？」
ゴンの言葉に、レイザーが何かを思い出した。
「そうか、お前がゴンか」
「うん！」
ゴンが誰なのか理解したレイザーのオーラ量が、一気に増した。
「お前が来たら手加減するな……と言われてるぜ。お前の親父にな」
「やってられねーよ！！オレは死にたくねェ！！」
「帰るぜ！！絶対にやらねーよ！！」
「あっオイ！！」
「いいよ、行かせろ」
「けど、それじゃ試合が……」
「オレが2人分になる。そっちもやってる事だ。文句はないだろ？」
ゴレイヌがレイザーの様に【念獣】を創りだした。これで人数はクリアした。
「ナマエも参加禁止♦」
「は？！試合はどうすんの？！」
「【彼】を呼べばいい♠」
「……マジで言ってんの？ヒソカ」
「うん♣キミが怪我するかもしれないのに、やれせると思ってたのかい？」
「ハァ……【杜樹】、出番だよ」
ナマエが諦めてその名を呼ぶと、その目の前にはお酒の匂いを漂わせた煙が立ち込めた。
「何だ？やっと暴れられるのか？？」
煙が晴れると、そこには金糸の髪の美しい男の姿が現れる。
「ほォ……【念獣】では無い様だな」
「問題あるかい？」
「……いや、問題ない。これで8対8だ」
人数が揃った所で、レイザーがドッジボールの説明を始めた。
「意味が解んねェぞ……」
「簡単に言えば、相手の投げたボールに当たらずに掴むか避ける。掴んだら、相手に捕られないようにぶつける。それだけだよ。」
【杜樹】のボヤキにナマエがルールを掻い摘んで説明する。
「【杜樹】、蹴鞠感覚でやらないでよ？足じゃなく手でやる事。いい？」
「わぁーったよ。とにかく、勝てばいいんだな？」
「そゆこと。【杜樹】にオーラの大半費やすから、絶対に勝ってよ？」
「しつけェな！分かったって言ってるだろうが！！」
ゲームが開始され、スタートはゴン達となった。
「先手はくれてやるよ」
「余裕こきやがって……挨拶代わりにかましてやるぜ！！どりゃっ」
ゴレイヌが投げたボールは4番に当たった。
「おおっ、やった！！」
「よーし、まず1匹！！」
その次に投げたボールもレイザーの【念獣】に当たり、2匹を外野に移動させる事に成功した。
「……何かがおかしい」
異変に気付いたナマエが何かを言おうとした。