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「このゲームにはプレイヤー狩りが存在する」
「プレイヤー狩り?」
「そうだ。【念能力】で他のプレイヤーをゲームオーバーに追い込んでいるヤツがいる」
「へェ♦」
「このゲームには、【カード化限度枚数】ってシステムがあるって事は聞いただろ?存在出来るカードには、数に限りがある。しかも貴重なカード程、その数は少なくなる。つまりプレイヤーが増えれば増える程、限りあるカードが自分に回ってくる確率が下がるって事さ。逆に言えば、プレイヤーが減る程カードの配分が増える。オレ達は数で勝負し、このゲームのクリアを狙っている」
「それで?何が言いたいの?」
「オレ達と組まないか?確実にゲームをクリア出来る方法がある!!」
男の話を聞き終え2人は顔を見合わせた。暫し逡巡した後、答えたのはナマエだった。
「悪いけど、クリア目的でプレイしてる訳じゃないんだ。だから、貴方の話には乗れない」
「しかし、キミ達はこのゲームの初心者だろ?」
「何でそう思うんだい?」
「【ブック】!」
男がバインダーを出した事で、2人は身構えた。
「この状況がキミ達を初心者だと断定出来る理由だ。相手がバインダーを出したら、すぐ自分もバインダーを出す!このゲームに慣れた者なら、必ずそうするんだ。キミ達、オレがバインダーを出したら警戒したね?しかし、バインダーは出さなかった。それは『どうしていいか分からない』初心者だから。スペルカードの攻撃は、スペルカードでしか防げない。このゲームの重要なルールだ。慣れた者なら、例え1枚もカードを持っていなかったとしてもバインダーは出す。ハッタリも大事な武器だからな」
『【ブック】!』と唱えて男は得意気にバインダーを消した。
「話だけでも聞く気になったか?そこの広場だ」
「どうする?」
念の為ヒソカに確認するナマエ。しかし、ヒソカは黙って首を振った。
「そういう訳だから、私達は行かない。他を当たって」
そう言うと、ナマエはヒソカを連れて男と別れた。
その後2人は当面の生活資金を稼ごうという事になった。
適当に街の周りでモンスターを倒しては、トレードショップで換金。そのお金で水と食料を買ってはまたモンスターを倒しに行く。その繰り返しを数日行っていた。
「モンスターって、倒すとお金になるんだねー」
「まぁ、たいていのRPGはそういう仕組になってるよ♠」
「へぇ~」
ヒソカから簡単に通常のゲームについて説明を受けつつ、ナマエはモンスターを倒していく。
「ってか、ヒソカがゲームする事に驚きだよ」
「ボク、これでも一通りの事は経験済みだよ♣」
「ふーん……それって、浮気とか不倫とかも含まれてるの?」
「……昔はね♦今はナマエ一筋だから、そういう気は起こらないな♥」
飄々と答えるヒソカに、ナマエは怒るでもなくただジッと見つめた。
「どうしたんだい?」
「ヒソカってさ」
「うん?」
「私のどこが良くてそんなに執着するの?」
「全部♥」
笑顔で答えるヒソカを見て、ナマエは息を吐きだした。
「ナマエ、幸せが逃げるよ?」
「今、不幸を感じてるから大丈夫」
「……どういう意味だい?」
不満気に顔を顰めるヒソカに対し、ナマエは倒し終えたモンスターのカードを回収しながら答えた。
「一度でも浮気や不倫をした人間はそれを繰り返す。それが私の持論。今は過去のヒソカがどんな人間だったかは知らないし知りたくもないけど、これだけは言える。もし私を裏切る様な事をしたら、その時は全力で仕返しする」
「仕返し?」
「うん。裏切られたら、何があってもヒソカとは2度と会わない。今のヒソカには1番堪えるんでしょ?こういう仕返しが」
真面目に話すナマエを見て、ヒソカは過去の行いを悔やんだ。
「ボクはナマエを裏切らない。それだけはハッキリと誓えるよ」
ヒソカも真面目な顔になりながら、ナマエと向き合った。
「過去のボクは変えられない。でも、未来のボクはいくらでも変えられる。キミが望むなら、ボクはこの命すら惜しくない」
ナマエの頬に手を添えながら、ヒソカは目を細めていた。
「そ。なら、私を裏切らないでね?ヒソカ」
綺麗に微笑みながらも、ナマエがその身に纏う空気は冷えたモノだった。
「プレイヤー狩り?」
「そうだ。【念能力】で他のプレイヤーをゲームオーバーに追い込んでいるヤツがいる」
「へェ♦」
「このゲームには、【カード化限度枚数】ってシステムがあるって事は聞いただろ?存在出来るカードには、数に限りがある。しかも貴重なカード程、その数は少なくなる。つまりプレイヤーが増えれば増える程、限りあるカードが自分に回ってくる確率が下がるって事さ。逆に言えば、プレイヤーが減る程カードの配分が増える。オレ達は数で勝負し、このゲームのクリアを狙っている」
「それで?何が言いたいの?」
「オレ達と組まないか?確実にゲームをクリア出来る方法がある!!」
男の話を聞き終え2人は顔を見合わせた。暫し逡巡した後、答えたのはナマエだった。
「悪いけど、クリア目的でプレイしてる訳じゃないんだ。だから、貴方の話には乗れない」
「しかし、キミ達はこのゲームの初心者だろ?」
「何でそう思うんだい?」
「【ブック】!」
男がバインダーを出した事で、2人は身構えた。
「この状況がキミ達を初心者だと断定出来る理由だ。相手がバインダーを出したら、すぐ自分もバインダーを出す!このゲームに慣れた者なら、必ずそうするんだ。キミ達、オレがバインダーを出したら警戒したね?しかし、バインダーは出さなかった。それは『どうしていいか分からない』初心者だから。スペルカードの攻撃は、スペルカードでしか防げない。このゲームの重要なルールだ。慣れた者なら、例え1枚もカードを持っていなかったとしてもバインダーは出す。ハッタリも大事な武器だからな」
『【ブック】!』と唱えて男は得意気にバインダーを消した。
「話だけでも聞く気になったか?そこの広場だ」
「どうする?」
念の為ヒソカに確認するナマエ。しかし、ヒソカは黙って首を振った。
「そういう訳だから、私達は行かない。他を当たって」
そう言うと、ナマエはヒソカを連れて男と別れた。
その後2人は当面の生活資金を稼ごうという事になった。
適当に街の周りでモンスターを倒しては、トレードショップで換金。そのお金で水と食料を買ってはまたモンスターを倒しに行く。その繰り返しを数日行っていた。
「モンスターって、倒すとお金になるんだねー」
「まぁ、たいていのRPGはそういう仕組になってるよ♠」
「へぇ~」
ヒソカから簡単に通常のゲームについて説明を受けつつ、ナマエはモンスターを倒していく。
「ってか、ヒソカがゲームする事に驚きだよ」
「ボク、これでも一通りの事は経験済みだよ♣」
「ふーん……それって、浮気とか不倫とかも含まれてるの?」
「……昔はね♦今はナマエ一筋だから、そういう気は起こらないな♥」
飄々と答えるヒソカに、ナマエは怒るでもなくただジッと見つめた。
「どうしたんだい?」
「ヒソカってさ」
「うん?」
「私のどこが良くてそんなに執着するの?」
「全部♥」
笑顔で答えるヒソカを見て、ナマエは息を吐きだした。
「ナマエ、幸せが逃げるよ?」
「今、不幸を感じてるから大丈夫」
「……どういう意味だい?」
不満気に顔を顰めるヒソカに対し、ナマエは倒し終えたモンスターのカードを回収しながら答えた。
「一度でも浮気や不倫をした人間はそれを繰り返す。それが私の持論。今は過去のヒソカがどんな人間だったかは知らないし知りたくもないけど、これだけは言える。もし私を裏切る様な事をしたら、その時は全力で仕返しする」
「仕返し?」
「うん。裏切られたら、何があってもヒソカとは2度と会わない。今のヒソカには1番堪えるんでしょ?こういう仕返しが」
真面目に話すナマエを見て、ヒソカは過去の行いを悔やんだ。
「ボクはナマエを裏切らない。それだけはハッキリと誓えるよ」
ヒソカも真面目な顔になりながら、ナマエと向き合った。
「過去のボクは変えられない。でも、未来のボクはいくらでも変えられる。キミが望むなら、ボクはこの命すら惜しくない」
ナマエの頬に手を添えながら、ヒソカは目を細めていた。
「そ。なら、私を裏切らないでね?ヒソカ」
綺麗に微笑みながらも、ナマエがその身に纏う空気は冷えたモノだった。