ヨークシンシティ
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「どうしたの?らしくないよ、ヒソカ」
「キミが遠くに行ってしまいそうで、怖いんだ」
「?」
「お願いだから……これ以上ボクを置いて行かないでおくれ」
「何言ってるの?いつも置いて行かれてるのは私の方だよ?」
心底解らないという風に、ナマエは続けた。
「それに、ヒソカを置いて行く訳ないじゃない。私は大事な人を置いて行く程、薄情じゃないつもりなんだけど?」
戯けてみせるも、ヒソカはナマエを抱き寄せる腕に力を込めた。
「キミの言っている意味と、ボクの言っている意味は違うよ。ボクが言いたいのは、これ以上無茶な真似をしないで欲しいって事。一般的な意味でね」
「その一般的な意味が私には難しいんだけどなぁ……まあ、ヒソカに心配懸けるような真似は慎むよ」
「うん、そうしておくれ」
ナマエの額に口付けると、ヒソカはゆっくりと身体を離した。
「どうしたの?」
「ちょっと出掛けてくる♠ちゃんと大人しくしてるんだよ♦」
いつもの口調に戻ると、ヒソカはナマエを残して部屋を出て行った。
「変なの……」
そんなヒソカに対しポツリと呟くと、ナマエは大人しく部屋の中で過ごす事にした。
ヒソカはそれから数日、ホテルには戻って来なかった。
ある晩、ナマエが眠っているといきなり部屋の中に気配が現れた。
枕元に置いておいた苦無を片手に起き上がるナマエ。
【杜樹(トキ)】を呼び出し、ナマエは気配の主を捕縛する様に命じた。
「……本当にいいのか?」
「いいも何も……こんな夜更けにいきなり部屋に現れるなんて、何されても文句言えないでしょ」
「……後で後悔しても知らねェからな」
小声でやり取りを終えた【杜樹】は、ナマエの命令に従い気配の主を捕縛しに向かった。
「チッ……離せ!!」
【杜樹】の声に、ナマエも気配の主の元へと駆けて行く。
「おや?起きてたのかい?」
気配の主はいち早く気付くと、部屋の明かりを点けた。
「ヒソカ!?」
「うん♠ただいま♥」
ついさっき出て行ったかの様に平然としているヒソカだったが、ナマエが苦無を持っている事に気付くと慌てだした。
「ごめん♦そんなに怒ってたのかい?」
「……何でそう思うの?」
「彼が居たからね♣」
ヒソカが指さした先には、壁に貼り付けられた【杜樹】の姿があった。
「何なんだよ!この粘っこいのは!!」
藻掻く【杜樹】を見て、ナマエは肩の力が一気に抜けた。
「それに……武器を持ってのお出迎えなんて物騒な事、怒ってない限りしないだろ?」
ヒソカの視線の先には、ナマエの手に握られた苦無があった。
「いや、これは……」
「?」
「怒ってるわけじゃないの。ただ、いきなり部屋の中に気配が現れたから……その、ヒソカとは思わなかったし…………」
「相変わらず、キミは気配での判別が苦手みたいだね♣」
「ごめん……」
シュンと小さくなったナマエを見て、ヒソカは【杜樹】に向けて発動していた【伸縮自在の愛(バンジーガム)】を解除した。
「ったく。だからオレは言っただろ?本当にいいのかってよ……」
身体から【伸縮自在の愛(バンジーガム)】が剥がれた事を確認し、【杜樹】は大きな溜息を吐いた。
「後は当事者同士で話し合え。オレはこんな事をする為にいるんじゃねェからな」
ナマエの頭を軽く叩くと、【杜樹】は煙とお酒の匂いを残して消えた。
「それで?本当に怒ってないのかい?」
「怒ってないよ。呆れてはいるけど……」
「嫌気が差したかい?」
「……それもない」
「そう♠なら良かった♥」
安心してナマエを抱きしめると、ヒソカの香りがナマエの鼻腔を擽った。
「キミが遠くに行ってしまいそうで、怖いんだ」
「?」
「お願いだから……これ以上ボクを置いて行かないでおくれ」
「何言ってるの?いつも置いて行かれてるのは私の方だよ?」
心底解らないという風に、ナマエは続けた。
「それに、ヒソカを置いて行く訳ないじゃない。私は大事な人を置いて行く程、薄情じゃないつもりなんだけど?」
戯けてみせるも、ヒソカはナマエを抱き寄せる腕に力を込めた。
「キミの言っている意味と、ボクの言っている意味は違うよ。ボクが言いたいのは、これ以上無茶な真似をしないで欲しいって事。一般的な意味でね」
「その一般的な意味が私には難しいんだけどなぁ……まあ、ヒソカに心配懸けるような真似は慎むよ」
「うん、そうしておくれ」
ナマエの額に口付けると、ヒソカはゆっくりと身体を離した。
「どうしたの?」
「ちょっと出掛けてくる♠ちゃんと大人しくしてるんだよ♦」
いつもの口調に戻ると、ヒソカはナマエを残して部屋を出て行った。
「変なの……」
そんなヒソカに対しポツリと呟くと、ナマエは大人しく部屋の中で過ごす事にした。
ヒソカはそれから数日、ホテルには戻って来なかった。
ある晩、ナマエが眠っているといきなり部屋の中に気配が現れた。
枕元に置いておいた苦無を片手に起き上がるナマエ。
【杜樹(トキ)】を呼び出し、ナマエは気配の主を捕縛する様に命じた。
「……本当にいいのか?」
「いいも何も……こんな夜更けにいきなり部屋に現れるなんて、何されても文句言えないでしょ」
「……後で後悔しても知らねェからな」
小声でやり取りを終えた【杜樹】は、ナマエの命令に従い気配の主を捕縛しに向かった。
「チッ……離せ!!」
【杜樹】の声に、ナマエも気配の主の元へと駆けて行く。
「おや?起きてたのかい?」
気配の主はいち早く気付くと、部屋の明かりを点けた。
「ヒソカ!?」
「うん♠ただいま♥」
ついさっき出て行ったかの様に平然としているヒソカだったが、ナマエが苦無を持っている事に気付くと慌てだした。
「ごめん♦そんなに怒ってたのかい?」
「……何でそう思うの?」
「彼が居たからね♣」
ヒソカが指さした先には、壁に貼り付けられた【杜樹】の姿があった。
「何なんだよ!この粘っこいのは!!」
藻掻く【杜樹】を見て、ナマエは肩の力が一気に抜けた。
「それに……武器を持ってのお出迎えなんて物騒な事、怒ってない限りしないだろ?」
ヒソカの視線の先には、ナマエの手に握られた苦無があった。
「いや、これは……」
「?」
「怒ってるわけじゃないの。ただ、いきなり部屋の中に気配が現れたから……その、ヒソカとは思わなかったし…………」
「相変わらず、キミは気配での判別が苦手みたいだね♣」
「ごめん……」
シュンと小さくなったナマエを見て、ヒソカは【杜樹】に向けて発動していた【伸縮自在の愛(バンジーガム)】を解除した。
「ったく。だからオレは言っただろ?本当にいいのかってよ……」
身体から【伸縮自在の愛(バンジーガム)】が剥がれた事を確認し、【杜樹】は大きな溜息を吐いた。
「後は当事者同士で話し合え。オレはこんな事をする為にいるんじゃねェからな」
ナマエの頭を軽く叩くと、【杜樹】は煙とお酒の匂いを残して消えた。
「それで?本当に怒ってないのかい?」
「怒ってないよ。呆れてはいるけど……」
「嫌気が差したかい?」
「……それもない」
「そう♠なら良かった♥」
安心してナマエを抱きしめると、ヒソカの香りがナマエの鼻腔を擽った。